水面の水位が異なる3つの水槽を管で連結した枝状管路の場合、中間の水路の水位によって分流あるいは合流管路の流れとなります。下図は分流および合流管路を示したものです。また、分流や合流管路は複雑な管路のため、損失水頭は摩擦のみを考えることにします。すると、摩擦損失水頭と流量の関係式は次のように表わされます。
分流管路
合流管路
次に、分流管路および合流管路における水位差、流量の式を求めます。
では、例題を1問解いてみましょう。
例題:下図のような枝状管路について、分流になるか合流になるかを調べ、各管に流れる流量を求めよ。ただし、粗度係数は0.013とし、各種の形状損失は無視してよいとする。
まずは、摩擦損失係数と係数kを求めていきます。
次に、流量の式を変形します。
流量と係数k1、k2、k3の値を水位差の式に代入し、連立方程式を立てます。
定数項(左辺の値)を合わせ、連立方程式を解いていきます。
では、分流の場合を考えます。分流の場合は±を+にします。
判別式から実数解があるか確認していきます。
分流の場合は実数解が存在しないため、分流ではないことが分かりました。従って、今回の枝状管路は合流であると考えられます。合流の場合は±を-にします。
再度、判別式から実数解があるか確認していきます。
合流は実数解が存在していることが確認できましたので、解の公式よりQ1/Q3を求めていきます。
このとき、Q1/Q3が1を超えることは絶対にありえないので、Q1/Q3=0.7627となります。この値を様々な式に代入すると流量Q1、Q2、Q3が得られます。答えは次のようになります。
まとめとして、分流および合流管路における流量Q1、Q2、Q3は、係数k1、k2、k3、水位差H1、H2が与えられれば求めることができます。