「吟道を以って、己の精神を作興すると共に、相親しみ、相率いて気節を養い、以って国士たらん事を期する」
宗家・諸富一郎先生(大正六年四月・記)
吟道は人の道に通じ、吟に依って魂を磨く道である。
従って詩魂・吟魂に重きを置く精神吟詠を第一とする
吟風は素朴にして優雅を尊び、一品、二魂、三節、四声を標榜する。
「詩歌を心の糧として吟じ」「詩歌を高尚な趣味として吟じ」「詩歌を吟じて気力を養い、我が生を励まし」「自らの心身共に、之を聞く人の心を鼓舞して、感奮興起せしむる為に吟じる」
私の師であり、私たちの会の創始者で有り父とも言える諸富一郎先生は、明治28年、熊本の生まれで、生誕123年で、同じく私の師であり、私たちの二代目会長で有り母とも言える武田静宗先生は、今もお元気に106歳の長寿を保っておられます。
諸富先生は、平成5年に97歳の生涯を閉じられましたが、明治、大正、昭和、平成と長い間、詩吟と言う芸を吟道と言う高尚な芸道に確立する為に、自らその道を究め、この道を、広く社会に普及する事にその境涯を捧げられた方で有ります。
武田先生は、宗家の右腕となって、その名吟と卓越した手腕で会員の増強と指導力を発揮されました。
このお二人を流祖として持つ、私たちの会は、今京都を本拠に400名の会員を擁し、創立103年と言う伝統を有して、熱心な活動を展開しています。
前掲の詩吟の理念とは実は、簡単なことを説いています。
実社会をいかに強く正しく生きるかの、生き方の訓練と実践の教えです。
「吟道は、古今の詩人の心を通して、吟ずることにより、生きる希望や元気をもたらし、かつ 心の強い支えを築き上げてくれる芸の道です」
「吟道には、それぞれの人に、それぞれの生き方が有るように、充実した心をそれぞれが持てますようにとの祈りも込められています。」
「腹から天に響きわたる声を出せば心身爽快となり、元気はつらつとなれます。」
「老若男女どなたでも、スタートした時点から、楽しみながら、知らず知らずのうちに自分の心の世界を広げ、高めて行けます。」
是非一度、詩吟の世界に足を踏み込まれますよう心よりお待ちしております。
宗範会長 山田 静将
宗範・会長山田静将