静吟詩堂吟詠会
静吟詩堂吟詠会
1.創立
大正六年、弱冠二十二歳、早稲田大学の学生であった諸富一郎先生によって創立された。当時の下宿の軒先に「静吟詩堂」の看板を掲げ「吟によって己の魂を磨き、吟道によって国民文化の高揚を期し、国家、社会に寄与する」を理念として、精神吟詠の門を開いた
2.沿革
宗家諸富一郎先生は、早稲田大学卒業後、電通本社に入り、戦前戦中を通じて日本政界の激動の時期に、政治部記者としての重職を果たしながら、聖賢の道に通じる吟道を片時も忘れることなく、その確立、普及に心血を注いだ。 当初より、門弟門下の拡充より、吟界の世話役として全国的に身を以って普及奨励に尽くす事が第一の責務と心得て活動した。為に、戦前の門弟の多くは新路を歩み、唯、静吟詩堂名古屋吟詠会のみ、昭和十四年発足以来今日まで流風の系統を守っている。 又、昭和十六年同盟通信社京都支局長として京都に赴任。終戦後、共同通信社の京都支局長を最後に操觚界を去り、昭和二十四年、京都の地に「静吟詩堂」の旗を掲げ、広く門弟を集めて、創立の志である精神吟詠の明りを再び強く灯す事となった。 当時、京都における総本部道場は、烏丸御霊前にある河野秋邨画伯邸、嘘白院で、会員の第一号は、現在本会の名誉会長の武田静宗であった。以来、諸富一郎先生の風を慕って、会員数も増加し会も充実して、発展の一途を辿り、昭和の後期に爛熟期を迎えた。 平成五年五月十二日、宗家諸富一郎先生を黄泉に送るというやむなき事態に遭い、会員一同悲嘆にくれたが、宗家の遺訓ともなった「精神吟詠」の継承、発展を誓って、宗範武田静宗を中心に固い結束のもと、順調な活動を続けて来た。 平成二十五年、武田静宗が名誉会長に就任し、新しく山田静将理事長が宗範・会長に就任して、新しいスタートを切ることとなった。平成二十八年に、創立百周年記念大会を盛会裏に終え、「正しい吟道の継承、発展、充実した会の運営」等々、次世代に向かって、会員一同心を新たに、結束を深め邁進するところである。