~生徒の探求活動から~
1. 「支援の空白地帯」という現実
私たちの地域では、義務教育段階での不登校支援や居場所づくりが前進していますが、その「後」の体制は未だ十分ではありません。
卒業後の仕組みはあるが、途中の支援がない
高校卒業後の就業支援やハローワークなどの制度は充実していますが、高校を休学・中退したり、通信制高校へ転入したりした生徒に対する「在学中の実践的な学び」や「社会との接点」は、ほとんどないのが現状です。
「空白」が生む将来のリスク
人間性や社会との関わり方を学ぶべき大切な時期に、なにもせずに過ごしてしまうと、社会に出た際に再び同じような困難に遭遇してしまう可能性があります。
2. 経済的格差から生まれる「機会格差」の解消
何らかの事情で学校に行けない、あるいは行かないという選択をした後、その後の成長には家庭環境が大きく影響しています。
「体験」をあきらめないために
裕福な家庭では、学校外の体験型プログラムやキャリア形成の機会、多様な出会いにお金をかけ、成長のチャンスを与えることができます。しかし、それが難しい家庭も多く存在します。
能力の差ではなく、環境の差を埋める
その結果、本人の能力とは無関係に「経済的な理由による機会の差」が、将来の選択肢の格差につながってしまう現実があります。
3. 目標がある子と、そうでない子の「格差」
「見えない」生徒たちの存在
スポーツや芸能など、明確な目標を持つ生徒は専門的な環境へ進みます。一方で、まだ目標が見つからず自信をなくしている生徒が多く存在します。「何をしたらいいのかわからない」と思っている生徒たちこそ、地域の大人との関わりが必要ですが、その環境が整っていません。
4. 地域に根付く「マイナスのイメージ」の壁
私たちが最も変えていきたいのが、周囲の認識です。
通信制高校の生徒に対する偏見
不登校の生徒が通信制を検討する際、学校関係者から「通信行ったら人生終わるぞ」といった言葉をかけられた生徒がいます。また、企業の人事担当者に話を聞くと、「通信制の子はすぐに辞めてしまう」という固定概念が残っていることがあります。
これらは生徒の能力の問題ではなく、これまで「社会とつながる体験」の場がなかったことによる弊害です。そのうち、「大人がなんとかしてくれる」ではなく、生徒たちがこれらの課題に目を背けず、課題解決法を考え、小さくても実行していく。その姿を地域に見せていくことで、私たちは偏見を取り除いていけるような気がします。