講演者名:伊城慎之介(群馬高専)
講演タイトル:Perfectoid towers and lim Cohen-Macaulay sequences
アブストラクト:混標数の可換環において重要な役割を果たすパーフェクトイド環は,非ネーター環であることからその扱いや構造解析が困難な対象である.この困難を解決するために導入された概念がパーフェクトイド塔である.パーフェクトイド塔はネーター近似の一種であり,これによりパーフェクトイド環の性質をネーター環の理論を用いて解析できるようになった.最近,講演者と下元氏との共同研究において,パーフェクトイド塔がlim Cohen-Macaulay列になることがわかった.lim Cohen-Macaulay列は,B. Bhatt, M. Hochster, L. Maによって導入された概念で,良い性質を持つ閉包操作を誘導することやSerreの交差重複度の正値性予想の解決に役に立つことが示されている.本公演では,パーフェクトイド塔やlim Cohen-Macaulay列の定義を紹介し,下元氏との共同研究で得られた結果を述べる.
講演者名:松土恵理(日本大学自然科学研究所)
講演タイトル:Dehn彩色可能結び目の最小彩色数とR-パレットグラフ
アブストラクト:結び目不変量のひとつに、Dehn彩色という図式の領域への彩色がある。今回は、Dehn彩色可能な結び目に対する最小彩色数の下からの評価について得られた結果を述べ、その彩色に必要な“色”の候補を決めるために有用なパレットグラフを紹介する。
講演者名:加藤寛大(M1)
講演タイトル:多次元化エーレンフェストモデルによる直交多項式の構成
アブストラクト:出生死滅連鎖の典型例であるエーレンフェストモデルのテンソル積による次元拡張と、それによってkrawtchouk多項式が得られることの紹介
講演者名:大野晋司(日本大学文理学部)
講演タイトル:対称空間とカンドルとその一般化
アブストラクト:対称空間とカンドルはそれぞれ微分幾何学と結び目論の文脈で独立に研究されてきたが、近年その類似点が注目され横断的な研究がなされている。この話では対称空間とカンドルのについて説明した後、それらの一般化概念について紹介し、得られた結果を述べる。
講演者名:前澤俊一(日本大学文理学部)
講演タイトル:グラフの点素パス問題
アブストラクト:ネットワーク上ではいくつもの頂点間(ノード間)で情報のやり取りが行われている. そういったやり取りの中で,ある情報の伝達経路が他の伝達経路と交わらないことが望ましいことがありうる.例えば,インターネット上で機密性が高い情報をやり取りする際などが考えられる. こうした問題をグラフ理論の点素パス問題という概念の問題に翻訳し,解決しようという試みがなされている.もう少し形式的に述べると指定されたいくつかの頂点対を互いに頂点を共有しない道で結べるかという問題が考えられている.本講演では,この問題に関連する基本的なグラフの不変量やこの問題に対するこれまでの研究の流れについて紹介する.
講演者名:伊城慎之介(群馬高専)
講演タイトル:Zariski Spectrumの連結性と局所コホモロジーの消滅
アブストラクト:局所コホモロジーの入門的な解説をした後,局所コホモロジーの第二消滅定理に関して,講演者が得られた結果について紹介する.
講演者名:浜 天星(日本大学大学院総合基礎科学研究科)
講演タイトル:位数3の純カクタス群とS^1上の4点の配置空間
アブストラクト:位数3の純粋カクタス群の、カクタス群のある部分群のケーリーコンプレックスと、S^1上の4点の配置空間への作用を具体的に書き下す。
講演者名:井手勇介(日本大学文理学部)
講演タイトル:出生死滅連鎖の多次元化
アブストラクト:
講演者名:市原 一裕(日本大学文理学部)
講演タイトル:P vs NP問題と結び目理論
アブストラクト:計算複雑量についての未解決予想「P vs NP問題」についての入門的な解説と、それに関連した結び目理論(正確には、仮想結び目理論(virtual knot theory))について得られた結果を紹介します。