平成31年7月豪雨 活動報告
2018年9月13日
豪雨災害からすでに2ヶ月を経過しました。被災地ではまだ、泥掻きが必要な地域、避難所が継続している地域、そして安否不明な方がまだ6名(9/6現在)と捜索や支援が続いています。
当機構(チーム広島:日本ホスピス在宅ケア研究会、訪問看護ステーションピース、災害看護支援機構)では当初から広島市の避難所、ボランティアセンターを通じての支援、呉市安浦地区を継続的名支援を行なっています。また、8/18からは現地からの要請により、倉敷市真備町の避難所:まきび荘の支援も行っています。開設間がない避難所支援で24時間体制です。
コーディネイトは九州キリスト災害支援センターがとっています。
被災地の状況は刻々と変化してきます。でも、被災された方々の厳しい状況は続いており、時間経過とともに厳しくなる面があります。
お忙しいことと思いますが、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
2018年7月12日
報告者:小原 眞理子
●13日(金)17:00、広島駅前の宿泊先に集合
現地看護師から情報収集及び支援チーム「チーム広島」を結成
*「チーム広島」の参加団体は DNSO、日本ホスピス在宅ケア研究会、広島YMCA/訪問看護ステーションピース、災害看護学会の4団体です。当面この4団体が協力しで被災地(者)支援を行っていきます。
1.日本ホスピス在宅ケア研究会広島市代表(DNSOメンバー)と訪問看護ST所長から、安芸郡熊野町民体育館避難所、熊野町ボランテイアセンター、呉市天応避難所救護所を中心に、広島県地図を基に状況を聞く。
2.12日から山口県保健師4名事務2名チームが2交代制で活動開始、感染症対策、熱中症対策、避難所運営の課題について、朝8:30集合、8:45から調整会議、通行が広島から3時間要している様子。
3.ボランテイアセンターが立ち上がり、ボランテイア等の健康管理のために看護師が必要。
4.呉市天応避難所救護所では、地元医師、外部医師、7名の訪看が交代で、住民やボランテイアに外傷や熱中症対応に追われている。
断水で救護活動に困難を極めている。
5.三原市の断水のため、赤十字病院などの医療活動に支障をきたしている。
上記情報から、
① 本日14日から16日までDNSO看護師1名、安芸郡熊野町民体育館避難所へ派遣、今朝5時出発、30分で現地着、時間帯により早い到着。
② 熊野ボランテイアセンターにDNSO看護師1名派遣(14日のみ)、広島市 安芸区ボランテイアセンター1名派遣(14日~16日)、状況により活動継続、DNSOメンバーを急募中。
③ 小原先遣隊チームは記録係を待って、熊野避難所に出発。本日の活動終了後、各人の活動を含め速報する。
記録係 :斉藤正子14日~16日まで(DNSO記録係兼任)
ロジ担当:高田昭彦13日~17日まで (DNSOとしては、11日~17日)
●7月14日(土) 広島県安芸郡熊野町民体育館避難所活動報告(報告者:小原眞理子)
活動者:小原 眞理子 斎藤正子 高田昭彦(日本災害看護学会と共同)
1.安芸郡熊野町民体育館避難所
・道なりに自衛隊・各県消防紗の車が整列している。
・体育館脇には自衛隊車配置、
・グランドは駐車場、係配置。ライフライン回復
・体育館には126名住民、緑色のテント3人用が乱立、生活している住民もいる。
・JMAT, TMAT, JPAT等の医療チームが巡回、
・12日より山口県保健師チーム(保健師6名、事務2名)2交代24時間体制で活動。4畳半ほどの相談室。保健衛生管理を担当。
そこに2名のボランテイアナースが8:30~17:00まで参加。
・医療処置の必要な人をみた。爪の長い人、皮膚乾燥ワセリン、ガーゼ処置
・手洗いとせっけんを区分
・熱中症のパンフレットを配布
・歯磨き粉を共有していた。
・ゴミの巡回時間を修正
・町の運動療法士による体操2回あり一緒に行う。
* 体育館から1km、歩いて15分程度、保健師の休憩所として交流未来館11名在住
役場2名体制で駐在、24時間対応、来た人を受け入れている。静かな環境、精神疾患の人あり。
2.熊野町社会福祉協議会、ボランテイアセンター、
訪問看護ステーションSさん、熊野町社協事務局S氏、安芸地区医師会総合介護センター統括所長に情報を聞く。
・ボランテイアセンター、安全面から120名の熊野町住民を受け入れている。
・朝、看護職がグループ別にガイドラインに準じてオリエンテーションや服装等の準備をチェックしている。現在は訪問看護ステーションや地元看護師によって対応しているが、
ボランテイア看護職 を必要としている。
3.安芸区サブボランテイアセンター救護所
本日より、ボランテイアの受け入れ開始、傷の手当や熱中症対策として救護所を開設、ボランテイア看護師が救護所の開設とマニュアルをまかせられた。
4.呉市天応避難所
広島間1時間程度、311号線と高速道路の開通により時間短縮。
296名の住民が、2階、3階に分かれて居住。2階は要配慮者の住民が20名くらい居住。
住民同士で助け合っている様子。
・13日の申し送りで医療者不足、緊急に看護師必要といわれ、訪問。16:00からの調整会議に参加。12日より名古屋市と埼玉県保健師の活動開始、5日間クール。
本日14日より名古屋第一赤十字病院救護班が3日間活動開始、本日20名の患者、熱中症、地元医師は住民の相談役として活動、医療面は補充されたことが確認された。
お互い自己紹介と各組織の役割から調整を行い、最後に救援者の二次災害の予防についてもコメントがあった。
今後の課題.
問題は保健師、救護班帰宅後の夜間、住民対応としてボランテイア看護師2名活動、1名は11日の避難指示で疲弊、本日14日は一人となる。夜間対応の看護師が必要。
県協会支援ナースか、ボランテイアナースの確保、保健師の2部交代制等の検討が必要。
・パワーライフ訪問看護リハビリテーション管理者、看護師・保健師、介護支援専門家のNさんと話し合う。ボラセンでは、ボランテイア500名集まる。
ボランテイアの健康管理として、看護師が必要。
●7月15日(日曜日) 10:00〜20:40、終了後会議20:40~22:30 (報告者:小原眞理子)
活動者 小原真理子 高田昭彦 齋藤正子
1. 被災地の視察(11:00〜13:00)
• 安芸郡熊野町川角地域への視察
2. 安芸区災害ボランティアセンター本部(13:15〜14:00)
• YMCAの看護師Hさん(広島県在住)より情報提供あり。ボランティアの人の熱中症があり、対応する看護師がいないため派遣の要請あり、
本部にて状況確認のため訪問した。
• 本部のセンター長Mさんより、看護師を本部(コーディネート役割)、各サテライトに1人ずつ、計5人の要望があった。
• 要望は、この猛暑(本日の最高気温33度)のため、ボランティアの熱中症の予防、感染予防、救急の対応である。ボランティアの活動場所へ巡回し、
被災者へも同様の対応を行った。
• ボランティアの活動は、熱中症予防のために2人がペアとなり、15分活動したら15分休憩を交代でとるシステムになっていた。
3. 安芸郡熊野町民体育館避難所(14:30〜15:30)(18:30〜19:50)
1) 避難所の被災者や被災地内の支援者の状況
• 入居者116人、日中は片付けで不在者が多い。
• 本日は、午後から防災大臣の訪問あり。
• JMATの常駐、DPATの巡回診療あり。
• ボランティア看護師1人(DNSO)が活動中であった。
• 会議室に居住していた住民が、くまの・みらい交流館に移動した。それに伴い、玄関脇のペットのいる住民がその会議室へ移動していた。
• 熊野町の住民による健康運動(椅子に腰掛け、ストレッチ体操)が15時に行われていた。参加者20人程度。
• 子ども達向けにDNSOの看護師1人が絵本の読み聞かせを実施した。子どもは8人参加した。
2) 外部からの支援体制(保健医療福祉体制)
• 山口県の保健師4人、事務2人チームが次のチームへ引き継ぎを行っていた。
• 看護師の主な活動は、保健師のサポート、医療処置、感染症対策、被災者の健康チェック、生活支援(一般ボランティアとトイレ清掃を協働)だった。
• 医療処置は、JMATに依頼した。軽症の傷の手当(カット版を貼る)等は、ボランティア看護師が実施して、分業していた。
3) 看護師の活動への要望
• 山口県の保健師より、あと2週間くらいは、ボランティア看護師の継続派遣の要望あり。保健師1人がマネージメントしているので保健師1人と看護師1人で
居住者の個別対応をしているためである。
4) マッサージ(セラピューティック・ケア)と健康相談の実施(18:30〜19:50)
• マッサージの参加者は5人。マッサージを受けた人から自宅の被災はないが、二次被害が予告されるため避難されている。また、ライフラインが断
• 絶されており、いつまでこの生活が続くのか先の見えない不安があると話されていた。
• 健康相談(上田医師が担当)には、震災後より下肢に浮腫がある人から相談あり。合計3人。
4. 熊野町ボランティアセンター(社会福祉協議会)(15:50〜17:00)
• 泥かきのボランティアから戻って来た人への対応を6人のボランティアが「戻りの受け入れボランティア」を担当していた。
• ここでは、長靴の泥落とし・ブラシで洗い・消毒薬トレイの中に入る、石鹸と流水で手洗い、イソジン入りで嗽の励行を勧め、冷えたタオルと水分を提供していた。
また、健康状態に変化がないかを確認していた。
• 「戻りの受け入れボランティア」に看護師(熊野町在住)1人が入っていた。この役割を担っている看護師は、平時から熊野町の健診を手伝うなどの登録看護師5人が
ローテーションを組んで入っている。
• 各班のボランティアリーダーが社会福祉協議会の職員へ活動を報告していた。泥かき時、家屋の床はがしの対応や消毒薬の散布について、どこまでやっていいか等、
困っていた。職員は話をよく聞き、専門家に確認し、後日返事すると答えた。
• 熱中症の人や健康問題が出た人はいなかった。
• 明日(7月16日)は、朝の「ボランティア送り出し」に参加する予定である。
5.20:30~22:30 本日の情報交換と調整会議からの課題
日本ホスピス在宅ケア研究会広島県受け入れ統括看護師I氏を交え行った。
• ボランテイアセンターから看護職派遣の要請が日に日に高まっている。熱中症予防と早期発見・早期対応を目的としたボランテイアの健康管理が急務である。
• 14日小原チームと呉市天応避難所で訪問看護管理職の看護職Nとボランテイア癌看護CNS Yとの話し合いが、広島県と広島市双方から災害看護支援ナースの
派遣要請に繋がる様子。
• 支援ナースのボランテイアセンターへの派遣を検討していくのはどうか。
●7月16日(月曜日) 7:20〜15:30 (報告者:小原眞理子)
活動者 小原真理子 上田耕蔵 高田昭彦 齋藤正子
7月14日、15日の2日間に渡り同場所で活動した酒井先生からの要請である。
1. 熊野町災害ボランセンター(8:15〜10:00)
·ボランティアの人の送り出し時の健康管理
本日、ボランティアの人数は96人(10時の時点)。
活動前のオリエンテーションは、社会福祉協議会の職員による活動全般の説明と看護職による健康管理に関する熱中症、外傷、感染症対策の説明、物品の貸し出し、配布後であった、その後、各活動場所へマイクロバスで移動する。
·派遣先別に5人から20人程度に分けて、実施していた。
· ボランティアセンターの看護師1人、個人ボランティア(看護職とロジ)の4人が、熱中症、外傷、感染症の説明を行った。説明はマニュアルあり。
2. 三原市吉和公民館福地分館木原災害サテライトボランティアセンター (9:00〜15:30)
被災者18件の要請に対し、午前、午後合計、約200名のボランテイアの申し込み、1名軽度の熱中症に対応
断水持続、通常のトイレは使用できない、給水所の場所に設置された仮設トイレを使用中。被害が大きい割には公助が機能していず、木原地区内外のボランテイアと民間企業の取 り組みによって泥のカキかき出し等の復旧作業が行われている。三原市社協職員と地区内の住民ボランテイアによってボラセン機能が維持されている。扇風機はある、住民やボランテイアの熱中症の予防と早期発見のため、送り出し時、グループ別に熱中症予防の説明、午前と午後の2回、ボランテイアの活動区域内をローラー作戦、ボランテイアや住民に声掛け、体調について確認を行った。1人軽度熱中症の18歳男子を発見、救急対応(日陰で座り、冷却したタオルを後頸部に当て、あおぐ)、歩ける状態を確認後、ボラセンに移動、内の救護所でダンボール敷きの上で休養90分、の後症状緩和。
·地元の個人ボランティア看護師1名と活動した。
昨夜の調整会議でボラセン看護職の追加支援活動について協議し、今後の継続と判断し、看護職の受け入れ調整看護師に報告する
気になる点は、リーダーである社協職員の熱中症予備軍の活動状況、休みをとらず、全ての仕事を抱え込み、ボランテイアに対応している。心配であることを話した。「水を飲む 時間がない」と。
グループ別にオリエンテーションを丁寧に行い、活動場所を地図で示しながら誘導している。わかりずらい所には案内している。
コマンドシステムはこれからか。その点には触れなかった。今後も継続的に活動に取り組む地元看護師に託す。
· 本日の最高気温34度、湿度46〜70%。
ボランティアの活動場所の巡回し、声かけを行い、熱中症の予防を行った。
巡回時には、凍ったタオル、冷却したペットボトルを適宜配布した。
当災害サテライトボランティアセンター内に救護所の設置、物品棚の作成、整理を行った。本ボランティアセンターの活動場所の整理が必要であった。
*被災地支援活動のためのご寄付を募っています。
皆さまの暖かいご協力をよろしくお願いいたします。
振込先 郵便振替口座
口座番号 : 00110-6-669781
口 座 名: 特定非営利活動法人 災害看護支援機構
他の金融機関からの場合
銀行名:ゆうちょ銀行 支店名:〇一九(ゼロイチキュウ)店
種類:当座
番号:0669781
口座名:特定非営利活動法人 災害看護支援機構