Robocon Report Award 2022

ロボコン報告書コンテスト2022 表彰レポート

 昨年度創造アイデアロボコン全国中学生大会が延期され,今年度は多くの県大会や地区大会,そして全国大会までもがオンライン開催となりました。これまで通りの大会なら会場で各校の様々なロボットの動きを見ることもできました。しかし,オンライン開催では,画面の向こう側でロボットが動いていることはわかっても,どんな工夫がされたロボットなのか詳しくわかりません。

 全国からこのコンテストに応募されたロボコン報告書には,ロボットの詳細が公開・解説されています。彼らはCCBYとして自らの学びを公開することで,ロボコンに取り組もうとする全国各地の後輩のみなさんにその学びを継承しようとしています。ぜひみなさんには,彼らの学びを参考にして自分たちのロボットをレベルアップしてほしいのです。そして,次はこれを読んでいるみなさんがロボコン報告書を提出してくれることを待っています。

 2022/2/12(土)にオンライン最終審査会にて,本年度の最優秀Young Maker賞×1と,Young Maker賞×5を決定いたしましたので,ここに掲載させていただきます。

最優秀 Young Maker

No.29 栃木県 宇都宮東高等学校附属中学校
 Sparkle 6すぱーくるしっくす

ロボコンルール:
 「ロボットレスキュー隊出動!」
 令和3年度全国中学生創造アイディアロボットコンテスト 応用・発展部門

コメント:
 ロボット開発の過程で,なぜその改良をしたのかが適切な図と写真でわかりやすく解説されている大変優れた報告書です。取水機構には同校で培われてきた伝統の取り込み機構が投入されており,その構造がこうしてCCBYにて公開されたことは,これからの全国各校でのロボット製作に大きな刺激を与えるに違いません。消火機構もあえてゴムの打ち出し式にするなど「他があまりやらないアイディア」を実現しようとする姿勢が素晴らしいです。

Young Maker

No.39 広島県 広島市立幟町中学校
 幟S2021のぼりえすにーまるにーいち

ロボコンルール:
 ドキドキ!ロボット収穫祭
 令和3年度全国中学生創造アイディアロボットコンテスト 制御部門

コメント:
 全自動を追求したロボットがどのような機構を使って実現しているのか報告書を読むことで詳細に知ることができます。プログラムもその基本的な部分をフローチャートで解説しておりわかりやすいです。来年度制御部門に取り組む全国のチームに大変参考になるでしょう。ロボットの動きを図でわかりやすく解説するなど,機構として目に見ることができないプログラムの働きが大変わかりやすく解説されています。

Young Maker

No.8 栃木県 益子町立益子中学校
 聖心2号せいしんにごう

ロボコンルール:
 Ace in the hole
 令和3年度全国中学生創造アイディアロボットコンテスト 基礎部門

コメント
 8本のアイテムを取り込みわずか18秒でパーフェクトを達成するその性能を,どのような機構で実現したのかが詳細に説明されています。「だるま落としシステム」と名付けられたこの機構によって,操作だけに頼らずに確実に得点することができる性能を実現していることがわかります。誘導板の形状や取り付け角度など細部にわたる解説は,来年度以降のロボットに大きな影響を与えるでしょう。

Young Maker

No.40 広島県 広島市立幟町中学校
 NPR(nobori peace resque)
 (えぬぴーあーる のぼり ぴーす れすきゅー

ロボコンルール:
 「ロボットレスキュー隊出動!」
 令和3年度全国中学生創造アイディアロボットコンテスト 応用・発展部門

コメント:
 取水ロボット,消火ロボット,搬送ロボットそれぞれに独創的な機構を実現しています。特に搬送ロボットは見ただけではどのように動くか想像もつきませんが,数多くの写真で細部まで説明することで,その機構の動きを詳細に理解することができます。惜しみない機構の解説はロボコンに取り組む全国の中学生に大きな刺激となること間違いありません。 

Young Maker

No.7 栃木県 益子町立益子中学校
 聖心(せいしんいちごう)

ロボコンルール:
 Ace in the hole
 令和3年度全国中学生創造アイディアロボットコンテスト 基礎部門

コメント:
 ロボットを製作する前に,アイテムをどのように動かしたいのかを詳細に分析し,その動きを実現するための様々な機構を考え,形状をどのようにしたのか詳細に説明されています。操作性の高いロボットを実現するためのその追求の姿勢が,報告書に的確に表現されていました。来年度以降大変に参考になるまとめです。

Young Maker

No.4 茨城県 つくば市立大穂中学校
 それいけくま五郎(それいけくまごろう)

ロボコンルール:
 ドキドキ!ロボット収穫祭
 令和3年度全国中学生創造アイディアロボットコンテスト 制御部門

コメント:
 今回の報告書には本文5ページの制限がありました。そのうち3ページをセンサーについての記述に用い,タッチセンサーから超音波センサーに変更した経緯や,技術的な課題を乗り越えて行く様子が,図と写真で丁寧に解説されています。センサーによる完全全自動にこだわって製作したことで,特徴のあるロボットになったことがわかります。

これらの報告書をぜひ来年度に生かしましょう。全国からのロボコン報告書の提出をお待ちしています!

Young Maker's Robocon実行委員会