Robocon Report Award 2024

ロボコン報告書コンテスト2024 表彰レポート

 「勝ったロボットには力があるが、負けたロボットには夢がある」ロボコンの父・森政弘先生の言葉です。ロボコンはその場の勝敗ではありません。負けたロボットに搭載されていた機構が翌年後輩の手で抜群の性能を発揮するようなことが当たり前のように起こります。ロボコン指導者の私たちには、負けたチームが挑戦していたロボットの機構や形状が頭から離れません。翌年、後輩達がロボットを開発する中で先輩の試行錯誤を伝えます。何度もそんな場面を繰り返す中で、とんでもない性能を実現してしまうチームが現れます。

 やりこめばやりこむほど、ロボコンが単純な勝ち負けではないことを思い知ることになります。生徒のみなさんにとって中学生の間のロボコンは一瞬の出来事かもしれませんが、先輩たちから脈々と受け継がれてきたロボコン文化がみなさんを支えているのです。先輩のアイディアを参考にしながら、新たな課題に挑戦する時、これまでにない機構や形状が実現していきます。

 ロボコン報告書コンテストは、全国規模で報告書を集めCCBYにて公開するようになって、今回で4回目となります。全国各地のチームが公開された報告書を読み、参考にして先輩を超えるロボットの製作に没頭しています。ここに紹介するロボコン報告書コンテスト2024に応募された62のレポートは、そんな全国の中学生のみなさんの学びの成果です。彼らが先輩のロボットを参考にしたように、これからロボコンに取り組むみなさんにもぜひ参考にしてほしいです。

 審査の結果選ばれた、最優秀Young Maker賞×1と,Young Maker賞×5を、ここに掲載させていただきます。

最優秀 Young Maker

No.21 栃木県 益子町立益子中学校

 聖心カタパルト せいしん かたぱると

ロボコンルール:
 令和5年度創造アイデアロボットコンテスト 基礎部門 Ace in the hole 3 

コメント:
 独創的な機構とそれを実現するための精密な設計が報告書から読み取れる。ロボットに余計なものがなく目的のために作り込まれてい。ラックアンドピニオンを用いたその機構は、これからのロボコンに大きな影響を与えるだろう。
 写真だけではわかりにくい部分を図で解説し動きが読み取りやすくなっている。メリハリがきいたわかりやすいまとめ方は大変参考になる。

Young Maker

No.45 広島県 広島市立祇園東中学校 

 ショッパーズ長浜店 しょっぱーずながはまてん

ロボコンルール:

 令和5年度創造アイデアロボットコンテスト 基礎部門 Ace in the hole 3 

コメント:
 機構の説明を文章で詳しく表現できている。写真が様々なアングルで撮影されており、ロボットの構造がよく分かる。ラミネートの弾力性を利用した仕組みと、ラミネートの厚さを変えてタイミングをずらす工夫が素晴らしい。スライダクランク機構を使っている点も参考になる。
 今年の全国大会で優勝したチームのマシンが報告書をCCBYとして公開してくれている点が素晴らしい。後輩のロボコン製作者の皆さんに大いに参考にしてほしい。

Young Maker

No.16 茨城県 つくば市立谷田部東中学校 

 情熱チキンズ じょうねつちきんず

ロボコンルール:
 令和5年度創造アイデアロボットコンテスト応用・発展部門 もっと資材物資を運搬せよ

コメント:
 変形ロボを彷彿とさせるラダーチェーンの機構を伸ばすアイデアを、写真と図を駆使してわかりやすく解説しているのが素晴らしい。ロボット細部までこだわりのしくみが感じとれるレポートである。
 ロボットのコンセプトや製作における工夫点の説明が写真と図、文章を上手に使用しわかりやすく伝えることができている。レポートの一枚目を見ただけでも十分に工夫点や伝えたい動きを確認することができる。

Young Maker

No.43 広島県 広島市立幟町中学校

 七転び八起き ななころびやおき

ロボコンルール:
 令和5年度創造アイデアロボットコンテスト応用・発展部門 もっと資材物資を運搬せよ

コメント:
 ロボットの変形の様子が、図と写真と文章でわかりやすく伝えられている。ロボットが動いている様子をハッキリと想像することがでる。一つ一つの工夫点に対して読み手が「なるほど!」と納得できる優れたレポートである。
 説明文の文書量群を抜いており読み応えがある製作の動機や目指した性能だけでなく、その実現のための工夫が明確に書かれている。

Young Maker

No.1 兵庫県 洲本市立由良中学校

 エンペラー えんぺらー

ロボコンルール:
 全日本小中学生ロボット選手権(中学生の部)「マグロの一本釣り」

コメント:
 機構の説明を文章で詳しく表現している。ロボット製作を通じて得られた経験や感想もわかりやすい。写真が様々なアングルで撮影されており、ロボットの構造がよく分かる。釣り竿をロボットに搭載する発想が大変面白い。
 ルールは違っても、レポートを読むことでその工夫が実感できる優れた報告書である。 

Young Maker

No.11 埼玉大学教育学部附属中学校

 HOMY辛ムーチョ ほみーつらむーちょ

ロボコンルール:
 令和5年度創造アイデアロボットコンテスト 基礎部門 Ace in the hole 3 

コメント:
 授業内で、ここまでの試行錯誤を重ね、独自の機構をものにしていることが素晴らしい。レポートで分かりやすく示すことにも成功している。冬休みのレポートとして報告書を作成したことを考えると、ベストといえる。
 全体がよくまとまっており、章ごとにキャッチコピーがついており、興味がひかれる報告書だった。

これらの報告書をぜひ来年度に生かしましょう。全国からのロボコン報告書の提出をお待ちしています!

Young Maker's Robocon実行委員会