● 2023年 佳作・メカトラックス社賞
▶︎ 作品名
Hakon-dy
▶︎ チーム名
マウンテンズ(久留米工業高等専門学校)
▶︎ メンバー
松下隼汰(機械工学科5年)
老山浩紀(同上)
田代淳(同上)
中野颯斗(同上)
中村光騎(同上)
● 二次審査講評
▶︎ 審査委員長
筬島 修(一般社団法人九州経済連合会 産業振興部長)
コロナの落ち着きと同時に、インバウンド含む観光客の増加によるオーバーツーリズムは大きな問題になりつつありますが、ここに着目して、過密を避ける誘導によって、適切な人の流れの形成を図ると同時に、ごみ・荷物の問題も解決しようとするものでした。 面白いアイデアと思いましたが、少し準備が足りなかったのか、実現性への道筋が見えなかったところが残念でした。
▶︎ 審査委員
田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
混雑の状況から、即座にルートを設定し案内するアイデアや、段差の解決方法まで考察されているところが素晴らしく感じました。ただ、コロナ前のデータではなく、アフターコロナの情報やロボットの活動時間や速度など、実際に稼働させた場合の想定がもう少しあると、より説得力を感じることができると思います。また、このように身近に感じる観光客対策のロボットであるならば、そのロボット自体が観光目的になっても良いのではと思います。
▶︎ 審査委員
加藤 優(元自動車会社デザイナー)
オーバーツーリズムは京都だけではなく近年は他の中小の都市でも大きな問題になってきましたね。 提案は人の過密化を防ぐために流動的な人の流れを形成する支援を主な機能としたロボットでした。 私は質問で「観光客ひとりに1台だと過密が2倍になるのでは」と尋ねましたが、良く考えるとそうならないようにロボットが誘導するのですね。 申し訳ありませんでした。提案趣旨説明書など資料を見ると大変良く検討されているようです。 ただ、プレゼで大事なのは提案によって良くなった、そのイメージを皆に理解してもらうことです。 ある程度の人数の観光客がこのロボットによって手荷物も持たず、スムースにいかにも満足して観光を楽しんでいる様子をイメージとして提示されていたらなと思います。 アクチュエーターによる段差克服機能やゴミ圧縮機能の説明もありましたが、少し盛り込みすぎではないでしょうか。 観光客が実際にどのようにこのロボットと行動するかを考えると何が機能として重要かの順位付けが出来ると思います。 例えば太宰府だとどうだろうかと皆さんが何も知らない観光客になったとイメージしながら考え、開発することをやってみましょう。
▶︎ 審査委員
永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・オーバーツーリズムの例は、もうちょと身近なところが良かったのでは?福岡県内にもありそう
・訪日外国人のグラフがコロナ前で切られてて恣意的(下がったのをコロナ禍が原因と説明するべき)
・かわいい意匠とのことだが、もうちょっとかわいくできるのでは(笑)
・歩きスマホ防止は良い機能
・能動的なルート案内のアイデアは面白い(スマホで混雑情報提供だけだと従わない人がいるかもなので)
・部分的な昇降機構のアイデアは面白い
・ファミレスのロボットを参考に経済性も検討していたのは素晴らしい
・とても興味深い内容でした、メカトラックス賞おめでとうございます!
▶︎ 審査委員
田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)
コロナ禍が明けて、今はある意味インバウンド増に浮かれている日本国内に対し観光公害の危機を訴えたことはかなりインパクトのあるテーマ選定であると思いました。 ただ、ここまでは良かったのですが、調査を進めていく中であれもやりたいこれもやりたいという思いが強くあられたのか、いろいろな課題解決策を盛り込みすぎて実現性に乏しい研究成果となってしまったことが残念であったと思います。 Hakon-dyはゴミ箱まで付けてあげたために1人1人に持たせるには大きすぎたりといった点です。 また、詰め込みすぎたことが災いし、プレゼンテーションにおいても、背景説明、テーマ選定理由、課題抽出、アイデア・対策立案、検証分析作業などがなかなか聞く人たちに思いが伝わりにくかったことが残念でした。 ただ、観光公害は本当に他人事ではない問題です。これを提唱された勇気には敬意を表したいと思います。 ぜひもっと開発対象を絞ってブラッシュアップされればすぐ優勝できるテーマと思いますのでめげずにがんばっていただきたいと思います。