【黎光寺の本尊について】
当寺の本尊『阿弥陀如来像』は、元々『名正寺』(能美郡辰口町上開発)にご安置されていました。
名正寺は、明治初期に稱名寺門徒であった釋智眼(山長吉)師により、稱名寺開発説教場として建立されたのが始まりです。
それから大正期の二代目智祐師を経て、昭和27年三代目場長であった智正師により、説教場は法人化され「名正寺」となりました。
しかし、残念ながら令和4年に宗教法人は解散され、名正寺は廃寺となります。
そして、本尊は京都東本願寺に移管されますが、ご縁あって当方に移譲され、再び衆生救済のためにおはたらきくださっておられます。
【本尊の制作年代について】
こちらの本尊は、移譲された時点で多少の破損箇所が見られたため、懇意の仏具店さんのご紹介で京都の仏師に修復をご依頼しました。
修復してくださった仏師さんによると、制作年代は明治よりも前の江戸期ではあるけれど、江戸のどの年代かまでは判別不明とのこと。
私の推測ですが、稱名寺開発説教場が建立されるよりも前に、惣道場(聞法や集会のための村の御堂)の本尊だったのではないかと。
いずれにせよ、今日に至るまで、多くの人々の悩みを聞き、苦しみを目の当たりにしてきた本尊ですので、大切に受け継いでいきたいです。