これまでの活動

(ワークショップ、シンポジウム)

○「「不信学の創成」第4回ワークショップ:食と不信を考える」のお知らせ(2021年3月14日オンライン開催)

「食」は、単に私たちが生存するために必要な手段であるだけではなく、生活に喜びを提供したり、地域の文化を下支えしたりするなど、私たちの社会において重要かつ多様な役割を担っています。科学技術の進展によって、遺伝子組み換え食品が現実のものとなり、安全性について議論されたり、大量生産による「食品ロス」が社会問題化したり、動物を食べることの是非が問われたりと、「食」をめぐる問題もまた多様化しつつあります。

さらに、いわゆる「コロナ禍」においては私たちの生活習慣の多くが見直しを迫られていますが、とりわけ、人と人との接触があってこそ可能であった会食の習慣が感染拡大防止のために自粛対象となり、黙って食事をすることを推奨する「黙食」という言葉が生まれるなど、食をめぐる習慣の変化は著しいものです。加えて、飲食関連業の苦境も伝えられるところです。

本ワークショップでは、こうした現状を踏まえた上で、「食と不信」について議論します。今回お話いただくのは、食品開発やフードシステムがご専門の髙畑能久さん、食品学がご専門の石川伸一さん、食をめぐる倫理がご専門の板井広明さんです。これからの「食」のあり方について多角的な議論をする場となればよいと考えています。


日時:2021年3月14日(日) 14:00-17:00

場所:Zoomによるオンライン開催(参加費無料・要事前申し込み)


プログラム:

14:00-14:10 趣旨説明

14:10-14:40 講演:髙畑能久氏(大阪成蹊大学)「食の安全・安心と不信」

14:40-15:10 講演:石川伸一氏(宮城大学)「新しい食のテクノロジーとその不信」

15:10-15:25 休憩

15:25-15:55 講演:板井広明氏(お茶の水女子大学)「肉食の哲学と不信」

15:55-17:00 ディスカッション

17:00-    懇親会


主催:安心信頼技術研究会(https://sites.google.com/view/philosophy-trust/)

お問い合わせ先:稲岡大志(h.inaoka@osaka-ue.ac.jp)

※本ワークショップは、サントリー文化財団研究助成「学問の未来を拓く」の支援を受けています。


○「不信学の創成」第3回ワークショップ:芸術行政と不信を考える

2019年のあいちトリエンナーレをめぐる騒動や、最近の「コロナ禍」での芸術家への支援のあり方など、現在、私たちの社会における芸術のあるべき姿の捉え直しをせまる出来事が起きています。本ワークショップでは、とりわけ芸術行政と不信という論点について、海外の芸術行政の現状なども踏まえた上で議論したいと思います。

今回お話しいただくのは、社会学がご専門で、とりわけヘイトスピーチやレイシズムを中心に研究されている明戸隆浩さん、映画監督で、大阪市による「検閲」を経験された太田信吾さん、文化人類学がご専門で、とりわけエチオピアのマイノリティについて研究されている吉田早悠里さんです。日本の芸術行政をめぐる様々な問題に多角的な議論ができればと思います。

日時:2020年12月19日(土)14時から17時半まで

場所:オンライン開催(Zoomを使用)

タイムテーブル:

14:00ー14:10 趣旨説明

14:10ー14:50 講演1:明戸隆浩氏(社会学)「ナショナリズムと文化政策――あいトリ不自由展中止事件から考える(仮)」

14:50ー15:00 休憩

15:00ー15:40 講演2:太田信吾氏(映画監督)「映画『解放区』に対する大阪市による検閲事件とその後(仮)」

15:40ー16:20 講演3:吉田早悠里氏(文化人類学)「多民族国家における文化表象と政治:エチオピアを事例として」

16:20ー16:30 休憩

16:30ー17:30 全体討論

主催:安心信頼技術研究会(https://sites.google.com/view/philosophy-trust/)

お問い合わせ先:稲岡大志(h.inaoka@osaka-ue.ac.jp)

※本ワークショップは、サントリー文化財団研究助成「学問の未来を拓く」の支援を受けています。


○「不信学の創成」第2回ワークショップ:企業不信を考える

日時:

2019年12月27日(金)13:30から17:15

会場:

大阪経済大学(大隅キャンパス)J館4階 J47教室

提題者:

杉本俊介(大阪経済大学)、朱喜哲(電通/大阪大学)、工藤郁子(PHP総研)

コメンテーター:

行方洋一(弁護士)

進行表:

13:30~13:45 趣旨説明、参加者自己紹介

13:45~14:30 杉本俊介氏「どうすれば信頼に値する企業になれるか──企業倫理における信頼概念の分析──」

14:30~15:15 朱喜哲氏「データビジネスにおける<不信>の諸相」

15:15~15:30 休憩

15:30~16:15 工藤郁子氏「信頼回復の実務:企業におけるレピュテーション・マネジメントを中心に」

16:15~17:15 全体討論

終了後は懇親会

※本ワークショップは、サントリー文化財団研究助成「学問の未来を拓く」の支援を受けています。


○「不信学の創成」第1回ワークショップ:年金不信を考える

日時:2019年9月12日(木)15:00-18:00

場所:大阪経済大学(大隅キャンパス)J館4階 J47教室

プログラム:

15:00-16:30 講演:片寄郁夫氏(アクチュアリー)「年金と不信」

16:30-16:40 休憩

16:40-18:00 ディスカッション

(参加費無料・登録不要)

主催:安心信頼技術研究会(https://sites.google.com/view/philosophy-trust/)

問い合わせ:

・ワークショップ全体:稲岡大志(hiroyuki.inaoka@gmail.com)

・懇親会:杉本俊介(s.sugimoto@osaka-ue.ac.jp)

※本ワークショップは、サントリー文化財団研究助成「学問の未来を拓く」の支援を受けています。


○第8回ワークショップ「情報技術と信頼」

日時:2018年1月24日(水)15:00-17:30

プログラム:

15:00-15:15 開催趣旨説明

15:15-16:00 講演:大谷卓史(吉備国際大学)「匿名的コミュニケーション環境での協力行動――ウィキペディアとパソコン遠隔操作事件」

16:00-16:10 休憩

16:10-17:00 ディスカッション

17:30- 懇親会

場所:大阪大学 豊中キャンパス 文理融合型研究棟 7階 共通講義室3

主催:安心信頼技術研究会(https://sites.google.com/view/philosophy-trust/)


○第8回ワークショップ「医療における信頼」

日時:2017年10月16日(月)15:00-17:30

場所:大阪大学 豊中キャンパス 文理融合型研究棟 7階 共通講義室3

文理融合型研究棟までは下記URLをご参照下さい。91番の建物になります。

http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html


プログラム:

15:00-15:45 講演1: 筒井晴香(東京大学)「菅原裕輝『信頼の論理:医療実践とその概念的問題』に対するコメント」

(※事情により発表者が変更されました)

15:45-16:30 講演2:井上悠輔(東京大学医科学研究所)「医療AIと医師患者関係(仮)」

16:30-16:40 休憩

16:40-17:30 ディスカッション


○第7回ワークショップ

2017年5月19-21日、一橋大学にて開催される日本哲学会第76回大会において、ワークショップ「信頼関係はいかにして構築されるか?:経営学、医療、政治学を中心とした学際的探究の試み」を開催します。研究会のこれまで研究成果を踏まえた上で、「信頼関係はいかにして構築されるか?」という主題のもと、経営学、医療、政治学の各分野での「信頼関係の構築」に焦点をあて、既に整備された信頼概念のモデルと総合させることを試みます。

【概要】

日本哲学会第76回大会ワークショップ「信頼関係はいかにして構築されるか?:経営学、医療、政治学を中心とした学際的探究の試み」

日時:2017年5月21日(日) 9:30-12:00

会場:一橋大学(国立キャンパス)


オーガナイザー:稲岡大志(神戸大学)

提題者:菅原裕輝(大阪大学)、杉本俊介(大阪経済大学)、西山真司(金城学院大学)

大会ウェブサイト


○シンポジウム

応用哲学会第九回年次研究大会シンポジウム「ヘイトスピーチと信頼」


開催日時:2017年4月23日(日)13:00-15:15

会場:福山平成大学 7号館7103教室


登壇者(敬称略):

高史明(社会心理学) 「他者に対する不信とレイシズム」

和泉悠(言語哲学・形式意味論)・仲宗根勝仁(言語哲学)・朱喜哲(言語哲学・ネオプラグマティズム) 「ヘイトスピーチの言語哲学的考察」

明戸隆浩(社会学・多文化社会論) 「ヘイトスピーチ法の正当性を考える 「不平等な自由の侵害」という視点」


オーガナイザー:

小山虎


主催:応用哲学会

共催:安心信頼技術研究会

本シンポジウムは、サントリー文化財団「人文学、社会科学に関する学際的グループ研究助成」の支援を受けています。


大会ウェブサイト


○第6回ワークショップ

日時:2016年8月30日(火)15:00-18:00

会場:旅亭松屋本館(熊本県熊本市)

プログラム:

15:00-15:45 講演1:稲岡大志(神戸大学)「思想史における信頼I 17世紀篇」

15:45-16:30 講演2:永守伸年(京都市立芸術大学)「思想史における信頼II ヒュームとカントの社会契約論(批判)に即して」

16:30-16:40 休憩

16:40-18:00 ディスカッション

18:00-20:00 懇親会


○第5回ワークショップ

日時:2016年7月25日(月)15:00-18:00

場所:大阪大学基礎工学研究科E棟4階システム考究室E403-05(添付ファイル参照)

基礎工学研究科までは下記URLをご参照下さい。


プログラム:

15:00-15:45 講演1:広瀬悠三(奈良教育大学)「教育的形成力としての信頼―教師と子どもの非対称的信頼の検討―」

15:45-16:30 講演2:成瀬尚志(京都光華女子大学短期大学部)「高等教育において『信頼』が求められる事例ー信頼定義集の活用法の検討ー」

16:30-16:40 休憩

16:40-18:00 ディスカッション


○第4回ワークショップ

日時:2016年5月16日(月)15:00-18:00

場所:大阪大学 豊中キャンパス 大阪大学会館1階 セミナー室1

プログラム:

15:00-15:45 講演1:西山真司「政治学における信頼論──ソーシャル・キャピタル論を中心に」

15:45-16:30 講演2:酒井泰斗「社会学における信頼論──ニクラス・ルーマンを中心に」

16:30-16:40 休憩

16:40-18:00 ディスカッション

(参加費無料・登録不要)


○第3回ワークショップ

日時:2016年5月8日(日)15:30-17:30

場所:慶應義塾大学三田キャンパス

応用哲学会第八回年次研究大会にてワークショップ「信頼研究の学際化:行動科学における信頼」として開催)


プログラム:

15:30-15:40 趣旨説明:小山虎(大阪大学)

15:40-16:10 講演1:上出寛子(東北大学)「社会心理学における信頼」

16:10-16:40 講演2:秋谷直矩(山口大学)「エスノメソドロジーにおける信頼論の展開」

16:20-17:30 ディスカッション


○第2回ワークショップ

日時:2016年1月25日(月)14:00-17:00

場所:大阪大学 豊中キャンパス 文理融合型研究棟 7階 共通講義室3

プログラム:

14:00-14:45 講演1:大澤博隆(筑波大学)「信頼を生成する知能:ヒューマンエージェントインタラクションと意図推定の応用」

14:45-15:30 講演2:服部宏充(立命館大学)「マルチエージェントシミュレーションに対する信頼の問題」

15:30-15:40 休憩

15:40-17:00 ディスカッション

(参加費無料・登録不要)


○第1回ワークショップ

日時:2015年12月10日(木)14:30-17:30

場所:大阪大学基礎工学研究科E棟4階システム考究室E403-05

プログラム:

14:30-14:40 趣旨説明:小山虎(大阪大学)

14:40-15:10 講演1:永守伸年(立命館大学・日本学術振興会)「介助関係における信頼と信頼性」

15:10-15:40 講演2:笠木雅史(京都大学・日本学術振興会)「ロボット倫理と信頼研究」

15:40-16:10 講演3:中村征樹(大阪大学)「研究公正における信頼の問題」

16:10-16:20 休憩

16:20-17:30 ディスカッション

(参加費無料・登録不要)


要旨:

講演1:永守伸年(立命館大学・日本学術振興会)「介助関係における信頼と信頼性」

障害者は、介助者とたしかな信頼関係を築くことによって自立を実現する。この見解は障害者福祉の実践においてけっして珍しいものではないが、信頼関係のありようは障害者運動の歴史を通じてさまざまな批判的検討にさらされてきた。第一に、介助関係は必ずしも「善意」にそくした信頼の交わしあいではない。それは不均衡な力関係を是正し、対等な関係を実現しようとする「ぶつかり合い」でもあった。第二に、介助関係は身体障害者を中心として模索されてきた。従来の検討は必ずしも知的障害者、とりわけ重度の知的障害者を主体とするものではない。以上の二点を踏まえた上で、本発表は知的障害者と介助者の信頼関係のありようを、現在の哲学的信頼研究を参照しながら考えてみたい。


講演2:笠木雅史(京都大学・日本学術振興会)「ロボット倫理と信頼研究」

本発表は、HMI(Human-MachineInteraction)の信頼研究に依拠しつつ、「機械は道徳的行為者になりうるのか」というロボット倫理の中心問題にアプローチする方法を提案する。信頼は多くの分野で個別に研究されており、哲学における信頼研究もさかんにおこなわれている。しかし、哲学における信頼研究を、哲学の一分野であるロボット倫理に応用する研究はほとんど存在しない。これは、哲学における信頼研究の多くが、「人が道徳的行為者である」とはどのようなことかを分析する試みと関連して展開したことを考えると、非常に奇妙なことである。

本発表では、まずロボット倫理を簡単に紹介した後、信頼から道徳行為者を考えるということがどのようなことなのかを、ロボットや機械にも拡張できる形で新たに提案する。この提案によれば、ある対象が道徳的行為者であることは、その対象がどの程度信頼の適切な対象であるのかに依存する。機械への信頼を生み出すファクターがどのようなものなのかについては、HMIでは近年多くの研究がある。そうした研究を概観した後、信頼の程度に応じて、異なるレベルの行為者性を機械は持つことができるのであり、HMIとロボット倫理は「信頼」を軸にして学際的に研究されるべきだと論じる。


講演3:中村征樹(大阪大学)「研究公正における信頼の問題」

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