黒番,最善手(最善勝ち、引き分けは負け)は?
g2には二つの狙いがある。
g2→h1でd5を白石にする。(a2-g8のCラインに傷をつけさせる)
g2→h1で右上がりの対角線(ブラックライン)を白1色にする。
g2と打つと白はh1と応じるしかなく(g8やb8は下辺が黒のものになるため黒勝ち)、その後f8と打つのが好手。
白はg8と応じるしかないが・・・
ここでb7と打つのが好手。
g2→h1と交換を入れたことでb7を打つときに7行が1色になっていることと、白は最大の稼ぎのb8が打てない(打つと白にa8・a7の流星連打がある。)
ため白は左下の3個空きで稼ぐことが出来ない。
以後白からa7→a8→b8となり黒の4石勝ちとなる。
第34期名人戦決勝
●岡本八段 35石
〇福永三段 29石
黒番で上記解答のg2のように対角線を相手の色で通した後に、逆方向の4個空きにX打ちをして残る3個空きを利用して白が稼ぎにくくする手順のことである。
名前の由来は2013名人戦の決勝において高校3年生の岡本八段(当時)が終盤華麗な打ちまわしの中で見せた手順に由来する。
緊張感高まる決勝で、粘る福永三段(当時)を相手にb7から決めきった手順は一見に値するので見たことない方はぜひご覧いただきたい。
岡本九段はここでg7に着手。
ここでのX打ちはh8・g8どちらに着手しても逆偶数となるため次の一手問題よりもより強い手筋オカモトとなる。
※なので手筋オカモトというとこのように逆偶数が確定する場合に言われる場合も多い。(言ってるのは身内だけだが)
ちなみに、解答の1でXを打った時に7行を1色にする考え方は佐谷七段著「現代オセロの最新理論」に
「岩石割り」として類型が紹介されているので参考にすると良い。