本当に大阪市で導入できるの?
本当に大阪市で導入できるの?
「そもそも市民評価制度とは?」のページでご紹介した自治体と、大阪市では財政規模も人口や市政のあり方も違うから導入はそう簡単にいくのか?と思われる方もいらっしゃると思います。
その想定される疑問やハードルをひとつひとつ考えていきます。
なぜ「市」?
【Q】なぜ身近な「区」ではなく、「市」での導入を考えているの?
区で導入した方がきめ細やかな対応が期待できるのではないか?
【A】確かに、実際に役所へ手続きなどを行う場合は区役所やその支所で手続きをされる場合がほとんどで、大阪市庁に出向くという機会はほとんどないという方が大半かもしれません。
しかし、大阪市の区役所は制度上、大阪市の「内部機関」であり、各区長は大阪市長によって選ばれます。区長はある程度の裁量はありますが、あくまでも「補助機関(市長の部下)」であり、条例提案や予算の最終決定などの自治権限はありません。そのため、教育、福祉、都市計画、建築許可など主要な施策はほとんど市の中央部局(本庁)が掌握しています。
また、区単独では解決できない社会問題もあるなど、その問題は区の責任なのか、市の責任なのか、行政に詳しくない一般市民には判断がつかないこともあります。そして、区長の任命権者は市長であることも踏まえて、市全体で導入した方が市民にとってわかりやすく、シンプルであると考えました。
評価結果に対する
責任の所在
【Q】大阪市は24区それぞれに特色があり、地域間格差も大きい。「どこをどう評価するか」が多様になり、市政全体への評価がブレやすいのではないか?
【A】「〇〇区では肯定60%」「××区では否定55%」などのように地域別集計を作成し、各区ごとの評価割合を公表することで、どこの区で低評価だったか可視化することで責任の所在が明確になります。
ただし、制度運営においては、前項の回答との整合性を考慮して、地域別集計で「区ごとの格差は“可視化”」を目指し、給与に反映する際は市内全区の総合評価で決定するという「責任は市全体に」という形をとることで、行政側はどこを重点的に改善するべきか把握することが可能となります。
行政規模の巨大さ
【Q】職員数・事業規模ともに事例の自治体とは桁違いで、市長の役割は「中小企業の経営者」と「超大企業のCEO」くらい違う。そのため市民評価で単純に「良い/悪い」を問うのが難しく、市政の可視化も困難になりやすいのでは?
【A】確かに事例の自治体と比較して、大阪市の行政規模は大きく、政令指定都市での導入のケースはありません。
アンケート設問は「市政運営全般に対する総合評価」の一問に絞るという、寝屋川市方式を踏襲することで全体のマネジメント能力を問うかたちで評価をします。
企業に例えるのなら、部門・部署ごとに細かく評価するのではなく、その企業全体の経営成績はいいか、悪いかという一点のみを評価対象にするということです。あくまでも、評価ポイントは「経営陣としての評価」です。
そして、アンケート内で自由記述欄を作ることで可視化の困難は克服できると考えています。
財政規模も違う
【Q】市長給与(年額約1,200万円程度)は、市全体の予算規模(約2兆円)から見ればごく僅か。
そのため、給与を評価連動させても「抑制効果」や「市民満足度向上効果」は限定的と判断される可能性がある。
【A】財政的にも導入済みの自治体と比べて、かなり規模が違います。
しかし、金額の問題として捉えるのではなく、制度の意味が大事と考えています。市民が“経営陣である特別職を評価する”仕組みそのものが重要です。「発起人からのご挨拶 および署名活動の趣旨」のページでも触れましたように、「私たち市民の声を市が能動的に吸い上げてくれるような仕組み、自身が抱えている、大阪市に対する悩みや不安は真剣なものなんだという気持ちを確実に伝えられる手段の確立を目的としています。
実際の影響力は小さくとも「市政運営の可視化」と「納得できる行政」によって市政に対する市民の関心も高まり、より市民参加型の市政が期待でき、これは額面以上の価値があると見込んでいます。
またこの制度の利活用を通して、より多くの市民の方が市政に興味をもってもらうきっかけになるとも考えております。
さらに減給するのか?
【Q】すでに現行では市長は公約の通り、給与を自主的に40%減額している(副市長は14%減額)。これ以上、減給させるような仕組みは酷ではないか?
【A】今回の導入の目的は市長の減給ではありません。あくまでも市長の働きぶりを市民が評価する仕組みづくりを通して、市民の声を吸い上げやすい体制づくりを叶えたいだけです。
また、そもそもの目的が違います。市長・副市長の給与減額は、財政健全化の一環としての施策であり、その減額の金額も市の財政規模(約2兆円)からみたらごく僅かです。今回、当署名活動が目的としているのはより多くの市民の声がよりたくさん市政に反映されるような仕組みづくりです。また、現在の自主的な減額は「当分の間」としており、恒久的な制度ではありません。当署名活動は恒久的かつ、市民が評価できる仕組みを提唱しています。
自主的な給与減額自体は悪い事ではありませんが、減額を公約に掲げる候補者ばかりしか立候補・当選できない雰囲気で選挙が行われば、お金持ちや有力者しか立候補・当選できない方向へ進むリスクもゼロではなく、市民の声が適正に反映されない選挙になる可能性も危惧されます。
そして、市民の多くの方々はお勤めの方です。言い換えれば、業績に応じて給与が変動する民間企業にお勤めの方が大半です。そうした市民感覚を、行政側が肌感覚で感じてもらえる制度としての役割も期待しています。
制度設計の難しさ
【Q】大都市ゆえに、前例のように単純な肯定・否定評価では収まらず、「福祉」「都市開発」「交通政策」など分野ごとに評価したい、という声が出る可能性もあり、どのようなアンケート方式にすべきかブレが生じてしまうのではないか?
【A】おっしゃる通り、現在の大阪市が抱えている問題は、様々な分野に及び、また挑戦しようとしている課題も内容は様々です。
あえて設問はシンプルに「市政運営全体への評価」のみというシンプルな形式にすることによって、ご高齢の方、障がいのある方も回答しやすいものにすることによって全市民参加型の制度にすることが大事と考えております。つまり、回答の複雑化により声をあげられない人が出てしまう事態を防ぐ意味合いでも効果的です。その代わり、自由記述欄を設けることで数字評価だけでなく「市民の生の声」を市政に返す仕組みとなり、分野別の声を反映させられないという疑問を解消する対策となります。
また自由記述の集計にコスト・人手がかかるという懸念がありますが、アンケート用紙にQRコードやリンクを併記し、ウェブ経由でのコメントも受付できる形にすることで改善が見込まれます。その集約においてはついてはAIの活用等で対処できると考えています。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進部署を設置している大阪市なら充分にその能力はあると見込んでいます。
また、ウェブの操作に不慣れな高齢者や障がい者の方は紙で回答、ウェブでの回答可能な人はウェブでの回答へ誘導することだけでもかなりの効率化が見込まれます。