ベトナムの海の水を太陽と風だけで干し上げた

カンホアの塩

カンホアの塩との出会い

20年くらい前の春、ベトナム旅行から帰った旧友が 滞在先の近くの塩田から、お塩を持ってきてくれたのがカンホアの塩との最初の出会いでした。

我が家にみんなで集まって ヴェトナムのお土産話を聞きながらワイワイ食事をしているとき このお塩がとても美味しい、ということから 輸入の話にまで盛り上がったのです。

その後、私たちが食べて すごくおいしいと思ったお塩は できあがった製品ではなく製造途中の まだ精製されていないものだった、ということがわかりました。ヴェトナムでは 塩化ナトリウム(NaCl)の純度が高いサラサラしたお塩がいいということになっていて、せっかくのミネラルも洗い流してしまう方法で製塩をやっているのでした。

その友人がヴェトナムに長期滞在しながら、ヴェトナムの国営会社Khanh Hoa SaltCompanyと協同で、美味しくて、ミネラルのバランスもよく、なおかつシンプルな方法をと、模索しながら やっとできあがったのが このカンホアの塩です。雨が多かったりすると 思うようなミネラルバランスのお塩ができない、というところや、自然と人との共同作業というところなど 製塩は 農業にとても似ています。

二年間の試行錯誤の末 2000年の秋に最初の収穫の塩が入荷しました。

自然塩や天日塩といわれるお塩は沢山あります。見かけもみんな似ています。それらと カンホアの塩とはどこが違うのでしょうか。

カンホアは とても美しい海ですが、美しい海も 世界各地にあります。海の水の成分は 世界中 殆ど変わらないといわれています。

塩の違いは 作り方の違い、人の手の入り方の違い、なのです。カンホアの塩以外でも 完全天日塩が 数種ありますが、それぞれ海水を塩田に移すタイミング、収穫のタイミングの違いが 含有ミネラルの違いとなって味にも影響しているはずです。

カンホアの塩の絶妙なミネラルのバランスが塩の旨味を実に良く引出しているのだと思います。

カンホアの塩で おにぎりや タン塩なんかを試してみてください。(塩の味が 一番わかりやすいので。)


By Tami (Organic Life Support SORA)

カンホアの塩 石臼挽き(150g/500g)

一番溶けやすく、最も使用範囲の広いタイプ

粒の大きい【結晶のまま】を、溶けやすいよう石臼で挽いて細かくしたもの。一番溶けやすいので、最も使用範囲の広いタイプです。

・天日塩の『石臼挽き』の意味

『石臼挽き』と聞くと「小麦粉や蕎麦粉のようだけど、塩も石臼で挽くといいの?」とときどき聞かれます。粉の類と理由は違いますが、天日塩の石臼挽きもその成分・味を決めるひとつの大事な要素となります。

まず(天日製法で作られた)天日塩は、(釜焚き製法で作られた)釜焚き塩に比べ、結晶の粒が大きい。それは、天日製法の方が低温で時間がかかっているため。その長い時間の分、結晶の粒が育って大きくなるのです。逆に、高温の釜焚き製法では、短い時間に結晶の粒が一気に出来上がるため、結晶の粒は小さくなります。

粒の大きな天日塩を細かくする(石臼挽きではない)一般的な方法では、上記のような釜焚き製法の特性を使います。天日塩を釜(平釜)の中でいったん溶かし、焚き直して、釜焚き製法のような小さい粒に再結晶させることで、細かくします。「せっかく出来上がった天日塩を溶かして焚き直すなんて」と思われるかも知れませんが、その釜にはほとんど飽和状態の塩水が入っているため、一瞬溶けた後すぐに細かな粒ができてきます。ですから「一度に大量の粒を細かくする」という点では、少量ずつ石臼で挽くより断然効率的なのです。しかし、一度溶かすと、溶けやすいニガリ成分(マグネシウムなど)が落ち、成分・味は変わります。カンホアの塩は天日だけで調えた成分・味をそのままお届けするために、石臼で挽いて細かくしているのです。

また、この『海のように深く豊かな味わい』は、お料理の味を包み込むように利くやさしい塩味です。そのため、塩辛さだけを基準にすると「なかなか利かないな」と感じるかも知れません。最初は、単純な塩辛味ではなく、イメージとして「海水のような味」を加えると思ってお使い頂くのがコツです。2~3度使うと慣れると思います。

原材料:海水 

原産地:ベトナム・カンホア

栄養表示成分100gあたり:熱量:0kcal・たんぱく質:0g・脂質:0g・炭水化物:0g・ナトリウム:33.76g・マグネシウム:780mg・カルシウム:620mg・カリウム:250mg(食塩相当量)(85.82g)

カンホアの塩 石窯焼き塩(100g)

【石窯 焼き塩】 詳細

天日塩・カンホアの塩の高温焼き塩

天日塩 カンホアの塩【石臼挽き】を壺に入れ、石窯で三日間かけ焼き上げたもの。海水だけが原料の天日塩の焼き塩です。焼き塩は、焼き方も大事ですが、それも元の【石臼挽き】の成分・味があってこそ。もちろんその味が活きていながら、水分がほとんどなくサラサラの【石窯 焼き塩】は、振り塩・添え塩に最適です。

・カンホアの塩が「石窯」焼き塩のワケ

わざわざ石窯を使うには、理由があります。それは600℃という温度で焼くため。そしてその温度で平均的に焼くには、熱を蓄えられる石窯が最適なのです。では、なぜ600℃で焼くのでしょう?

それは550度以上で焼くとある変化が起こるからです。カンホアの塩に含まれているMgCl2(塩化マグネシウム)という成分は、「海水について」のページにもあるとおり、海水中、NaCl(塩化ナトリウム)の次に多いものです。このMgCl2の味は苦く、とても湿気やすい性質を持っています。しかし、550℃を超えるとMgO(酸化マグネシウム)にグンと変わります。MgOはMgCl2とは対照的に、独特の淡い味、そしてとても湿気りにくい性質です。カンホアの塩の【石窯 焼き塩】は、平均的に600℃で焼かれることで、味は一段とまろやかに、そして湿気にくくなっているのです。例えば、フライパンなどで200℃で煎っても水分は飛びサラサラになりますが、MgCl2はほとんどそのままで(MgOに変わらないため)、味や湿気やすさは焼く前とほとんど変わりません。また、712℃を超えるとMgCl2が、さらに800℃を超えるとNaClが溶け始め、冷めた後は大きな固まりになってしまうため、ちょうどいいのが600℃ということになります。ただし、苦味がまったくなくなってしまうと、カンホアの塩としてのおいしさが半減するため、ある程度MgCl2を残して、おいしい微妙な苦味を失わないようにもしています。

塩は溶かして使うことが多いですが、この【石窯 焼き塩】は、塩を溶かさず素材にのせて(振って)使うときに。バーベキュー、焼魚・焼鳥などグリル料理、天ぷら・豆腐のつけ塩、料理の仕上げの振り塩など。素材と一緒にのせた塩を舌で直接感じる使い方に適しています。また、卓上用、抹茶塩など変わり塩の塩に。「湿気が気になる」方の普段使いにもどうぞ。

カンホアの塩 結晶のまま(150g)

天日結晶そのままの味をどうぞ

収穫した天日結晶の粒を、そのままさらに天日干しして、袋詰めしたもの。カンホアの塩の原型にあたります。結晶の粒の大きさはだいたい2~4mm程度。不ぞろいの崩れた立方体です。結晶の粒独特の食感・味わいが特徴です。

カリッとした食感を活かしてサラダ・ピザなどのトッピングに。粒のままなめてお酒のアテに。つまんでもおいしい飾り塩に。また、結晶がきれいなバスソルトにも。

この大きめの結晶の粒を見て、ときどき「岩塩ですか?」という方がいらっしゃいますが、もちろん岩塩ではなく、海水塩です。この結晶は、天日によってゆっくり形作られたもののため、岩塩(または石)のように固い粒ではありません。ミルで挽かなくても、例えばスリコギなどでコツコツしても砕けますし、(個体差はありますが)指先でも砕ける粒もあるほどです。

【結晶のまま】独特の味わいとは?

一見ただの塩の結晶に見える【結晶のまま】は、海水の各成分が順々に層を成しながらでき上がった粒です。結晶の中心部と外側では、成分・味が異なっています。この粒を舌の上にのせると、最初は外側の成分の層が溶け、後から中心部が溶け始めます。ですから感覚的に、最初はあまり塩辛くなく苦味をともなった複雑な味を感じ、後からだんだん塩辛さを感じます。これは海水の様々な成分がカンホアの塩になっているから。一粒の結晶で味の変化を感じる【結晶のまま】独特の味わいです。