高周波デバイス

目的

現在、次世代の通信システムに向けて、100 GHz以上のミリ波帯やテラヘルツ帯の活用が着目されています。周波数が高くなると伝送距離が短くなるため、基地局の数を増やす必要があります。基地局の送受信機に使われている高周波パワー素子には、小型化と低価格化が求められています。本プロジェクトの目的は、縦型の高周波パワー素子を用いることで、小型化と低価格化を同時に実現することです。

高周波パワーデバイスの応用例

研究計画

酸化ガリウム(Ga2O3)は、溶液成長可能なことから、材料の低価格化が可能な材料です。絶縁破壊電界強度が大きいことから、高出力化が可能です。しかし、現在、p型が作れておらず、BJTの作製はできません。その他の縦型の高周波素子として、トンネル現象を利用した共鳴トンネルダイオード(RTD)やホットエレクトロントランジスタ(HET)があります。

私たちは、2019年にβ型(AlGa)2O3をチャネルとしたトランジスタを世界に先駆けて動作させることに成功しています。2020年にはβ型Ga2O3 (010)を用いたRTDの作製を試みました。現在、β型Ga2O3 (001)を用いたHETの作製に着手しています。

β-Ga2O3ホットエレクトロントランジスタの試作

成果・予算