Rは統計解析とグラフの作成を容易に実行できるプログラミング言語として,Ross IhakaとRobert Gentlemanによって1993年8月にリリースされました.また,Rは先行するプログラミング言語であるS言語やSchemeの影響を受けています.開発者のイニシャルがともにRであること,Rがアルファベット順でSの1文字前であることから,Rと名付けられたと言われています.
Rを使用するためには,The Comprehensive R Archive Network(CRAN)からRをダウンロードします.Rはフリーソフトですのでダウンロードは無料です.RはLinux,Windows,Macに対応しており,OSごとにダウンロードするファイルが異なります.また,MacはプロセッサがIntelとApple siliconでダウンロードするファイルが異なります.MacでRを使用する場合はXQuartzもインストールすることを推奨します.特にCPUがIntel製のMacの場合はXQuartzが必須になります.XQuartzについてはCRANにリンクがあります.
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Rは新たに提案された分析手法や高度な処理を実現する関数は標準実装されていません.しかし,CRANからRパッケージをインストールすることで,Rの機能を拡張し,最新の分析手法や高度な処理が実行可能になります.このRパッケージには標準実装されていない関数やサンプルとなるデータが含まれています.最近のゲームソフトにおけるDLCのようなものであると言うとイメージしやすいでしょうか.
Rパッケージをインストールする方法はいくつかありますが,本稿ではコンソール上でインストールする方法を解説します.まず,インストールを行う前にリポジトリを設定しなくてはなりません.リポジトリとして指定できるミラーサイトは多数ありますが,稀にミラーサイトが閉鎖されることもあるため,本稿では「0-Cloud」を指定します.
リポジトリの指定にはoptions関数を使用します.下記のコマンドはRをインストールした後に1度だけ実行すれば良く,それ以降はミラーサイトについて気にする必要はありません.ただし,Rをアップデートした際は忘れずに下記のコマンドを再実行してください.なお,下記のコマンドで指定されているURLが0-Cloudとなります.
options(repos = "https://cloud.r-project.org")
次に,install.packages関数を使用して必要なRパッケージをインストールします.例として,openxlsxというRパッケージを採り上げます.このRパッケージはRでExcelファイルを取り扱えるようにするパッケージです.また,Rパッケージは他のパッケージと依存関係にあることが多いため,当該のRパッケージと依存関係にあるすべてのパッケージをインストールすることが推奨されます.依存関係にあるパッケージを一括してインストールするには,install.packages関数の引数であるdependenciesをTRUEとします.
install.packages関数もoptions関数と同様に,1度だけ実行すれば十分です.しかし,Rパッケージはアップデートされることもあるため,インストール済みのパッケージであっても定期的にinstall.packages関数を実行すると良いです.
Rパッケージをinstall.packages関数を使用してインストールしても,当該のパッケージは使用可能とはなりません.当該のパッケージを使用するためには,library関数を使用して当該のパッケージをロードする必要があります.library関数はRを起動する度に実行する必要があります.
install.packages("openxlsx", dependencies = TRUE)
library(openxlsx)