海上において散骨をする場合において遵守すべき
海事関係法令の解説
海事関係法令の解説
海上において散骨をする場合において遵守すべき 海事関係法令の解説
1.基本的な考え方
近年、葬送の在り方に関する国民の意識の変化に伴い、海上において散骨をする事例が見られるところである。本解説は、これを受け、散骨事業者が海上において散骨をする場合において、遵守する必要がある法令のうち、海事関係法令について整理したものである。
2.海上運送法について
(1)事業の許可・登録の手続き
・ 散骨を行うに当たって、旅客を乗船させる場合は、海上運送法の規制が適用される。
・ 旅客定員により手続きが分かれており、旅客定員13名以上の船舶は許可、旅客定員12名以下の船舶は登録を行うこと。
・ 許可、登録を行う場合は、安全管理規程の設定・届出、安全統括管理者の選任・届出及び運航管理者の選任・届出を行うこと。
・ 許可、登録の内容が変更となる場合は、変更の手続きを行うこと。
・ 最寄りの地方運輸局(運輸支局・海事事務所)で手続きを行うこと。(別添:地方運輸局連絡先一覧)
・ 船客損害賠償保険を締結すること。
(事業の許可・登録の際の条件として義務付けられた補償額が設定されている 保険)
(2)安全管理規程について ・ 届出をした安全管理規程を遵守して、事業を行うこと。
・ 船長は、旅客の転落防止策に応じて、乗船前・乗船時・着岸時に注意喚起を行うこと。
3.船員法について
・ 総トン数5トン未満の船舶、港則法に基づく港のみを運航する船舶、政令で定める漁船やレクリエーションの用に供する小型船舶等を除き、船員法を遵守すること。
・ 船員として船舶に乗り組む、船長及び海員並びに予備船員について、船員法に基づき、雇入契約や給料、労働時間、有給休暇などを定めること。 船員労働には特殊性(海中転落の危険等)があるため、労働一般について定めた労働基準法とは別個の個別の法律である船員法を遵守すること。
4.船舶職員及び小型船舶操縦者法について
・ 小型船舶操縦者免許(一級もしくは二級)のみならず、「特定」免許を取得すること。
・ 「特定」免許の取得には、安全講習の受講のうえ、地方運輸局等で手続きを行うこと。
・ 船長は、旅客に救命胴衣を着用させること。
5.船舶安全法について
・ 船長は、船舶検査証書(臨時変更証)及び船舶検査手帳を船内に備えて置くこと。
・ 小型船舶の所有者は、船舶検査済票を両船側の船外から見やすい場所にはりつけておくこと。