現行の成年後見制度は、国連から「人権侵害の側面がある」とされており、廃止を求められています。
それを受け、日本政府は2026年までに法改正を予定しています。現行の問題点は以下の通りです。
1 自己決定の制限
後見人が決定権を持つため、本人の意思が尊重されない場合があります。
2 権力の乱用
一部の後見人が権限を乱用し、後見業務のし易さを優先する恐れがあります。
3 適任者の不足
適切な後見業務には多くのコストと時間がかかるため、全ての必要な人に対応できない場合があります。
4 長期的な実施
障害をもつ子などは親亡きあとも長期間にわたる支援が必要であり、持続可能性が問われます。
当事者団体による後見活動とは:
後見制度を利用せざるを得ない人たち自らが、自分たちの権利や利益を守るための組織を作ります。
組織は後見制度についての啓発や情報提供、支援を行います。
例えば、組織として後見を受任します。
また、後見人の選び方や意思決定の支援方法、権利侵害の防止策など具体的なアドバイスを提供します。
さらに、制度に関する政策提言や法改正を求める活動も行います。
この活動は、後見制度本来の目的を広め、誤解や偏見をなくし、利用者の意思尊重を深めることに貢献します。
このような「当事者団体による成年後見活動」を、NPO法人みつわは行います。
イラスト※富山テレビ放送より
みつわの成年後見事業は、障害を持つ方々の親族も多く所属して運営されています。これにより、親が元気なうちは他の会員と共に支え、将来的には若い世代の親たちが引き継ぐ仕組みができています。
・親が法律行為や財産管理を行う間、費用負担を「0円」にできます。
・親を含む関係者が相互に監督するため、権利侵害が起こりにくいです。
・行政やサービス提供者の権利侵害にも、「我が事」として忖度せず改善を求める声を上げられます。
・この活動が拡がることで、本人の意思を尊重した後見活動を、世代を超えて続けられます。
また、司法職や医療職、ソーシャルワーカーなどの専門的な支援も受けられる体制を築いています。
◎生前事務委任契約(生きている間の法律手続きを代行)
利用料:
NPO法人みつわと契約する場合、月額2万円が基準です。
業務内容に応じて契約者が納得できる金額で契約します。
「財産管理だけ」や「法律行為だけ」の場合、安価に契約できることがあります。
親族が法律行為や財産管理を行う間は、費用負担を「0円」にすることも可能です。
生前事務委任契約とは:
生前事務委任契約とは、自分が元気なうちに、将来判断が難しくなった場合に備えて必要な手続きを任せる契約です。
この契約を結ぶことで、認知症や障害がある場合でも、自分が選んだ人に必要な手続きを任せられます。
内容には以下の通りです:
・代理人の選任:自分の代わりに手続きをする人を選ぶこと。
・委任の範囲:任せる手続きの内容を明確にすること(例:銀行口座の管理、医療上の決定)。
・委任の期間:一時的または永続的な期間を設定すること。
・契約解除の条件:解除の条件を明確にすること(例:代理人が亡くなった場合、自分の判断能力が戻った場合)。
生前事務委任契約により、将来にわたり自分の意思を反映した生活が可能になります。
◎死後事務委任契約(身寄りがない方亡くなられた後の法律行為を代行)
利用料:
NPO法人みつわと契約する場合、業務内容に応じて契約者が納得する金額で契約します。
死後事務委任契約とは:
自分が亡くなった後に、遺産管理や手続きを代理人に任せる契約です。
この契約により、家族や相続人が遺産分割や葬儀、税金の手続きなどを代理人に任せられます。
内容は以下の通りです:
・代理人の選任:希望する代理人を選びます。
・委任の範囲:任せる手続きを明確にします(例:遺産分割や税金の申告)。
・委任の期間:一時的または永続的な期間を設定します。
・契約解除の条件:解除の条件を明確にします(例:代理人が亡くなった場合など)。
この契約により、亡くなった後も自分の意思が尊重された遺産管理が行われます。
いづれの委任契約についても、契約書を作成する際には、代理人の選任や委任の範囲を慎重に考える必要があります。
利用料:
NPO法人みつわと契約する場合、月額2万円が基準です。
契約者が納得できる金額で契約します。
親族が法律行為や財産管理を行う間は、本人の費用負担を0円にすることもできます。
任意後見制度とは:
自分が意思決定できなくなった場合に、家族や近しい人を任意後見人として指定し、医療や日常生活の判断を任せる制度です。
具体的には、任意後見人が医療や日常生活の判断を行い、その内容を医療機関や関係機関に届けることで、本人の権利を保護します。
任意後見人には、本人が選んだ人であれば誰でもなれます。
契約を結んだ時点では「任意後見人候補者」で、家庭裁判所に申し立てると「任意後見人」になります。
その後、後見監督人が必要です。開始後は解約できませんが、開始前なら解約可能です。
任意後見のメリット:
・自分の意思を尊重されたケアが受けられる
・自分で選んだ人が代理人となるため、意向に沿った判断がされる
・事前に指定することで、後のトラブルを防げる
任意後見の手続き:
1 任意後見人を選ぶ
2 任意後見契約書を作成する
契約範囲、期間、更新方法、報酬、解除方法を明確にする
3 登記する
任意後見人には大きな責任が伴うため、慎重に選定・委託が必要です。
また、契約書作成や登録に費用がかかります。
利用費用:
家庭裁判所の審判により決まります。
基準額は月2万円です。
財産が少ない方は、市町村の支援事業を利用できる場合があります。
成年後見制度とは:
自分が判断できなくなった時に、裁判所から後見人を指定してもらい、その後見人が財産管理や生活の判断を行う制度です。
認知症や障害、病気で判断が難しくなった人を守るための制度です。
成年後見人には、親族や友人、弁護士、司法書士、社会福祉士などが選ばれます。後見人は被後見人の意思を尊重し、財産や生活の管理を行います。
申請方法:
被後見人自身、四親等以内の親族、または市町村長が裁判所に申し立てます。
申し立てには、被後見人の状況や後見人の情報が必要です。
裁判所が審査し、適切な後見人を指定します(必ずしも希望通りにはなりません)。
メリット:
・自分が判断できなくなった時に、財産や生活を法的権限を持つ第3者に任せられる
・勝ち得裁判所が監督する後見人が、責任を持って財産管理や身上配慮を行う
後見人(保佐人、補助人)には大きな権限があります。
被後見人の生活や財産を守るためには注意が必要です。