Research

     パーム酸油の改質

パーム酸油は非食用油で、パーム油の精製時に副産物として排出されます。排出されたパーム酸油はポンドに長期間貯蔵され、水と油に分離されます。分離された油がパーム酸油で酸価も高く、現在では、肥料や石鹸以外の用途がありません。本研究では、パーム酸油を第2世代のバイオディーゼル燃料(BDF)へ化学変換して使用することを目的としています。化学変換には触媒を使用しますが、触媒の種類や反応条件は工夫が必要です。このような、行き場の少ない油を比較的容易に改質し、付加価値を与え、新たな資源の発掘に貢献したいと考えています。    

2023年度 機械振興補助事業(公益財団法人 JKA)                        パーム酸油の燃料化性能を向上するための触媒設計と反応条件の最適化 補助事業の成果報告はこちら

論理的思考と創造性
2021年度より小学校においてもプログラミングの履修が必須となりました。プログラミング授業の主な目的はプログラミング的思考を育成し、他教科の学びを深めることです。プログラミングは実現したい事を一定のルールに基づき、具体化していきます。一方、創造性の発現はいくらかの論理的思考に基づきながら、最後は、直感、感性、感覚が決定権をもつ場合が多いのではないでしょうか。しかし、直感、感性、感覚を育成するような科目は限られており、予算や時間の都合で、各校で独自性を打ち出すことは困難と思われます。次世代の社会、すなわちSociety 5.0が目指す教育においては、理数系の色が濃いSTEAM教育にも重点が置かれることになります。そのなかに、A(Art)が入っていることが分かります。ここでは、創造性の育成だけでなく、論理的思考と創造性の相乗効果が期待されています。今後のSTEAM教育がどうあるべきか、ものづくりの観点から明らかにしていきたいと考えております。
ブラフィッシュの栽培ー水中MB内で卵から成魚へー

令和3年度より、中学校技術・家庭(技術科)においても生物育成(「作物栽培」、「動物飼育」、「水産生物栽培」)を扱うことになります。 生き物は時間や設備、餌代等もかかるうえ、何より、現場の教員に生物育成経験が不足しており、教員のスキル、時間、予算、立地の都合上、動物園や水族館あるいは養殖場等を見学して、疑似体験によって完了となるかもしれません。あるいは、教科書を読んで終了となることも予想されます。これでは、単に外部から知識を見聞したということに留まり、分野目標を到底、達成することはできません。そこで、本研究では硬骨魚類で、飼育実績も比較的豊富なゼブラフッシュの育成を行います。育成においては、教育現場向きの簡易型ハイブリッド水槽を開発し、この水槽の中で、繁殖から卵の採集、孵化、成魚への成長過程を明らかにできるようにします。さらに、ファインバブルを含む水域で、育成状況の変化についても、長期的に調べ、これらの結果を養殖技術に役立てたいと考えております。

ペットボトルHBロケットの着火の改善

本研究であつかうペットボトルハイブリッドロケット(PHR)は埼玉工業大学 石原先生および愛媛大学 中原先生が開発されました。PHRは中学校等での教育教材として開発されたものであり、水ロケットには見られない着火や燃焼現象が観察できます。とても迫力がある反面、危険を伴います。また、着火に課題が残り、気温や湿度によっても着火確率は変動します。このため、さらなる改善が必要で、安全に着火精度を高め、教育現場でも使いやすくすることを目的とします。

さらなる研究テーマ

本教育学研究科には色々な背景を有した学生が集まってきます。他の研究科とは異なり、幅広い考え方に触れ、上手く融合することで、新たな視点を持って問題解決にチャレンジできる土壌があります。本研究室では教育に関連して、やってみたいこと、実現したいことに対し、明瞭な意志とファイトを有する学生には、文系、理系関係なく積極的に支援します。