陶芸職人のマイヤーじいさんが酔った勢いで作り上げた命が宿るねずみの人形は、自分を「トンデモネズミ」と名乗って冒険の旅に出かけます。明るく恐れ知らずの性格で道中の出来事を切り抜けていくトンデモネズミ。とうとう謎の天敵・トンデモネコの脅威に立ち向かおうと自ら猫の元を訪れるのですが…。
「日生ファミリー劇場」のスペシャル番組として放送されたためか、今では目にする機会の少ない作品となっています。アメリカの小説家ポール・ギャリコの手による原作小説「Manxmouse(マン島のネズミ)」は、元々モナコ公妃のグレース・ケリーからの願いで執筆されたという由来を持っています。
アニメではトンデモネズミやおばけのドロロン、トラのブーラカーン、トンデモネコ、カエルの夫婦のほか多くの動物キャラクターたちが、卓越したアニメーターである森やすじ氏の素晴らしいデザインによって物語から飛び出すかのように生き生きと表現されました。
本作の音楽を担当したのは中川昌。トランペット奏者から作・編曲家に転身し、宝塚歌劇団、OSK日本歌劇団等の音楽監督を務めました。CM音楽やポップスのアレンジ等でも活躍しています。
『トンデモネズミ大活躍』では、ミュージカル音楽を思わせる躍動的で華やかな曲やジャズセンスあふれる軽快でノリのいい曲を聴くことができます。
主題歌「僕は生まれた」と挿入歌「ウェンディ・ラブソング」は、1974年に後藤悦治郎と平山泰代の二人で結成されたフォークデュオ、紙ふうせんが担当。2曲とも後藤悦治郎が作詞・作曲を担当し、そのメロディーが劇伴にも引用されています。
主題歌・挿入歌は紙ふうせんのベスト・アルバムCDで聴くことができるほか、「僕は生まれた」は配信でも聴くことができます。
本作の音楽録音は1979年6月12日、テイチク会館第1スタジオにて、約50曲が収録されました。音楽集では、そのうち主題歌・挿入歌のメロオケと未使用曲を除く46曲を全24トラックに編集・構成しました。なお、音楽的流れを考慮して未使用曲も2曲収録しています。
本作の音楽は、映像にタイミングを合わせたフィルムスコアリングで制作されています。
曲順はストーリーの流れに沿ってまとめました。
2025年7月1日 配信開始
Release date 07.01.2025
01~04はトンデモネズミの誕生から旅立ちまでを描くエピソードで流れた曲。04「トンデモネズミ旅に出る」に主題歌「僕は生まれた」のメロディーが引用されています。
05と06はトンデモネズミが出会う愉快なオバケ、ドロロンとその仲間たちのテーマ。ジャズバンド風のイキのよい演奏が聴きどころです。
07~09はトンデモネズミがタカのキャプテンホークにさらわれ、空を旅するエピソードで流れた曲。08「タカの背に乗って」と09「空から落ちたトンデモネズミ」にも主題歌のメロディーの断片が現れます。
10~12は人間の少女ウェンディとトンデモネズミとの出会いを描くエピソードで使われた曲。10「ウェンディとの出会い」と11「友だちの約束」は挿入歌「ウェンディ・ラブソング」のメロディーを引用した曲です。本編では11の代わりに「ウェンディ・ラブソング」の歌入りが流れたので、11は未使用に終わりました。
13~17はサーカスから逃げ出した気の弱いトラ、ブーラカーンとのエピソードで使われた曲。13「トラに気をつけろ」の前半部ではトラのうなり声を模したブラスのフレーズが聴けます。また、16「トラの帰還大作戦」の前半部ではサーカスの象が足を踏み鳴らすようすがブラスとパーカッションで表現されています。
18「トンデモネコの恐怖」はトンデモネズミがトンデモネコの幻を見て恐怖する場面に使われたショック音楽。ネコの鳴き声を模したフレーズが挿入されています。
19~20は誘拐されたトンデモネズミを助けるためにブーラカーンがバイクで疾走する場面に流れる軽快なフュージョン。本作の音楽の中でも随一のスピード感のある演奏です。
21「トンデモネズミ、また旅に出る」はトンデモネズミがブーラカーンと別れて旅立つ場面に流れた曲。冒頭部に主題歌のメロディーが短く引用されています。
22~24はトンデモネコとトンデモネズミとの対決を描くクライマックスのエピソードで流れた曲。24「勇気の勝利~エピローグ」の後半は主題歌のメロディーを引用した大団円の曲になります。本編では、その場面に主題歌の歌入りが流れたため、24の後半部は使用されませんでした。ここでは幻となったラストシーンの音楽演出を再現してみました。
(モノラル・48kHz/24bit)