研究室
学生の募集について
卒研生の募集について
各偶数西暦年度(2024 年度,2026 年度,etc.)に卒業研究生を受け入れています.理学部数理学科の学部生に対して前年度の秋冬に募集がかけられ配属が決定されます.他学科の学生も希望される場合は相談の上セミナーに参加して頂くことが可能です.
大学院生の募集について
修士課程(博士前期課程)・博士課程(博士後期課程)の学生については随時(毎年度)受け入れています.喜多の指導を受けるには,名古屋大学大学院多元数理科学研究科を受験してください.出願の前に面談の上研究興味などの詳細を確認することを強くお勧めします.
研究テーマについて
グラフ理論あるいはグラフ上の組合せ最適化問題・グラフアルゴリズムを中心とした研究テーマの指導が可能です.その他にも学生本人の興味に応じて離散数学や理論計算機科学の様々なテーマを自由に選んで頂いて構いません.基本的には喜多の研究興味に近いテーマを選択するほどサポートを受け易く,遠いテーマを選択するほど研究への取り組みに際して学生本人の高い自主性が求められることになります.
必要な予備知識について
この分野の研究テーマに取り組むために必要な(ミニマルな)予備知識は多くありません.数学系学科の出身でなくても適性さえあれば十分取り組めると思います.どの様なテーマを選ぶとしても,グラフ理論・最適化理論・計算複雑性理論の基礎から学んで頂くことになると思いますが,これらについてもゼミや研究が始まってから学ぶので十分です.ただし以下の点にご注意ください.
出願などに先立ち,離散数学や理論計算機科学について必ずある程度の知識とイメージを持っておいてください.離散数学・理論計算機科学は,その他の純粋あるいは応用数学の諸分野とは,かなり雰囲気が異なる部分があります.専門書を部分的にでも読み進める,あるいは授業を2コマ程度でも履修するなどして,ある程度雰囲気を知っておくことをお勧めします.特に離散数学についてはグラフ理論の専門書を見ておくことをお勧めします.
配属前からグラフ理論・最適化理論・計算複雑性理論の基礎を習得しておけば,もちろん研究を早く開始することができます.
数学の様々な分野についての知識があると,研究の幅が広がります.また,研究を進める上で様々な分野との関連から,知識を広げる必要は随時生じます.
数学のリテラシーがあり,数学の専門書を読み解く基礎的な力を身に付けていることは必須になります.
大学院入試には数学系学科以外では履修しない数学科目の内容が出題される可能性があります.
過去の指導学生の研究テーマ
2023 年現在のところこれまでに(主)指導教員として指導した学生はいないので,記載できる情報はありません.
卒研セミナーの進め方について
基本的にどの年度でも,まずは専門書の輪読を通して,グラフ理論あるいは離散最適化(組合せ最適化),もしくはアルゴリズムや計算複雑性理論の基礎を一通り学ぶことから始めます.ただし今後の状況に応じて変化する可能性はあります.一通りリテラシーを身に付けた後は,グラフ理論や離散最適化のより専門性の高い書籍を新たに選び読み進めるか,あるいは論文を選定し読み進めてもらいます.意欲のある方には是非研究に取り組み新しい成果を出すことに挑戦して頂きたいです.
院生のセミナーの進め方について
学生の予備知識にもよりますが,専門書の輪読と並行して,あるいは専門書の輪読を一定期間続け基礎を身に付けた後,論文を読み進め研究に取り組んでもらいます.自分で得た新しい成果を学位論文にまとめ提出してもらうことになります.
参考図書
輪読で扱う内容の雰囲気をつかむために役立つ図書を紹介します.
グラフ理論
Bondy, John Adrian, and Uppaluri Siva Ramachandra Murty, "Graph theory", Springer, 2008. https://link.springer.com/book/9781846289699
Diestel, Reinhard, "Graph theory''. Springer, 5th edn., 2017. https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-662-53622-3
組合せ最適化
Cook, William J., et al., "Combinatorial optimization", Wiley, 1997. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/book/10.1002/9781118033142
Schrijver, Alexander, "Combinatorial optimization: polyhedra and efficiency", Springer, 2003. (輪読で読む本というより百科事典のような本です.)