現在、地震や津波等の災害で地中や瓦礫に埋もれた人々を助ける手段はシャベルや抗重 機(ジャッキ)を用いて地上から救助活動を行う方法がほとんどであり、救出する際にも 多くの困難が伴う。また、災害後 3 日間(72 時間)が被災者の生死を分けるといわれて いる。そのため早急に救助や被災者との連絡を行なわなければならない。本研究では要 救助者との連絡を行なうための通話線や、水や空気を供給するためのライフラインの確保 を地中から行い、救助者の生存率を上げることを目的とした地中掘削ロボットの開発を行なっています。
現在、深度 10cm以上の地中を掘り進む機械は存在していない。しかし、この動作 はモグラが日常的に行なっている動作です。そこで地中掘削ロボットの開発にバイオミ メティクス技術を用いてモグラの動作解析を行い、モグラの穴掘りや地中内での旋回など のメカニズムを明らかにし、それらを模したロボットの開発を行なっています。本研究では災害現場の地中及び瓦礫の中などの環境下での探索及び要救助者の救出までにかかる時間を稼ぐためのライフラインを届けることの可能な地中掘削型ロボットの機構について研究・開発を行なっています。