「もとめる会」とは?

「長崎の近現代資料の保存・公開をもとめる会」とは?


 「長崎の近現代資料の保存・公開をもとめる会」(略称:もとめる会)は、2019年9月、長崎県内在住の有志7人によって立ち上げられました。


 目的は2つ。


 ひとつは、長崎の近現代史に関わる資料の保存を呼びかけることです。長崎の歴史に関しては、戦国時代から江戸時代、明治初期にかけた、海外との交流が盛んであった時期に注目が集まる傾向があります。しかし、それと比べて、近現代の歴史への注目度は高くありません。私たちの団体が、名称にあえて「近現代」と掲げているのは、そのためです。


近現代に関する資料は、各家庭や組織・企業などにまだかなりの程度残されているはずなのですが、その資料的価値が認識されないままに捨てられてしまうケースが少なくないと思われます。私たちは、「もとめる会」を立ち上げることによって、自分の身近にある資料を捨てずにとっておこう、と呼びかけることをまずは考えました。


もうひとつの目的は、残された資料をきちんと保存し、可能な限り一般の人々がそれを利用できるしくみづくりを、公的機関に求めることにあります。


残念ながら、長崎県内の各機関による近現代資料保存・公開の取り組みは、他都道府県に対して著しい後れを取っています。このことは、公文書(行政文書)に関してとくに深刻だといえます。


日本は、いちおう民主主義の国だということになっています。しかし、その大事な条件のひとつである、「公文書による行政活動の検証」が十分行える状況にあるでしょうか。私たちが「資料を保存せよ」と訴えているのは、私たちが歴史のマニアだからではなく、資料をきちんと保存しておくことが、物事を民主的に進めるために必要だからです。


「もとめる会」は、こうした目標を掲げ、長崎県内外の市民の賛同を得ながら、活動を進めていきます。(2020年4月記)


◆「もとめる会」の中長期的目標

 ・長崎県「郷土資料センター」(仮)に近現代資料の収集・整理・保存・公開の体制を強化・確立するよう、働きかけること。

 ・近現代の歴史資料や公文書を扱う県内の各機関(県立図書館、長崎歴史文化博物館、県内の各大学など)に相互の連携を取らせるよう、働きかけること。

 ・県や県内の各市町に公文書管理条例を作るよう求めること。

 ・原爆資料館(長崎市)に既有資料の整理・公開体制を確立させるよう働きかけ、協力すること。

 ・長崎の近現代資料に関する、市民や研究者の交流の場を生みだすこと。