臨床工学技士の資産形成

[松本 光太郎]

所属:経済アナリスト兼 臨床工学技士

専門分野:循環器

日銀は、マイナス金利政策を撤廃したが、米国のインフレは高止まりしており日米間の金利差が生じている。そのため円安は継続し、日本円の価値が下落している状態にある。円安は全悪ではなく、輸出産業においては恩恵を受ける。一方、我々消費者においては輸入にかかるコスト上昇により物価が高騰し暮らしやすい環境下とは言い難い。また日銀の政策金利が今後上昇すると住宅ローン金利にも影響を及ぼす。我々はこのような未来に備える予備能力を養う必要がある。明るい未来を築くためにはどのように行動すべきか。我々ができることは経済を理解し、金融の知識を身につけ、未来を見据えた政党に一票を投じることである。衆・参議委員選挙へは積極的に参加を。

[塚野 雅幸]

所属:長崎みなとメディカルセンター

専門分野:循環器、人工心肺

稼ぐ(所得)方法として事業所得と給与所得があるとするならば大多数の方は給料所得に該当する。病院勤務において給料を上げるのは難しい。身を粉にして時間外勤務をやることで多少の給料は上がるが、労働基準法も厳しくなり働き方改革と叫ばれている昨今、時間外労働時間は制限を受ける。また、年齢を重ねるごとに夜中に働く体力との兼ね合いも生じる。家族を養いつつ老後の資金も蓄えなくてはいけない。物価高騰の影響もあり老後に必要な額は3000万に改訂された。そんな資金どのように捻出したら良いのか。もはや給与所得だけでは老後の3000万の資金は不可能、これからの時代は自身の金融リテラシー(金融に関する知識)を上げ、自ら資産形成を行っていかないといけない世の中へ変化しつつある。政府がiDeCoやNISAを斡旋しているのは、このような背景があることも理解すべきである。臨床工学技士として病院で勤務し、給与所得で生計を立てている方々は、どのようにして収入を増やしていくべきか。本セッションで御講演いただける、副業と投資から何か一つでも掴んでもらい踏み出すきっかけとなることを願う。

[石原 康平]

所属:長崎大学病院 ME機器センター

専門分野:循環器、透析

世の中では、副業元年といわれる2018年を境に副業許可の流れが加速し、副業を解禁しているのは、株式会社などの営利法人だけではなく、社団法人などの非営利法人や公務員などにも広がりを見せつつあります。その結果、多くの人が副業を検討、または実際に実施しており、今や副業は身近なものとなっています。

副業のメリットとして、収入を増やすことだけでなく、スキルアップやキャリア形成、人脈形成などがあります。また会社にとっても情報漏洩や社員の健康面でのリスクといったデメリットは存在しますが、社員が社内では得られない知識やスキルを副業で身に付けることで、生産性や自主性、競争力の向上など会社にとってもメリットがあるといわれています。そして、副業を行う上では本業に支障をきたさないようにすることが大前提です。また、本業である職場の就業規則を遵守する必要がありますので、副業を始める際は必ず職場のルールを確認し、規則に違反することがないよう注意することが重要です。

私は臨床工学技士として、特に不整脈分野を専門に活動しています。現在、副業として医療施設で管理している植込み型心臓電気デバイス(CIEDs)の遠隔モニタリング業務サポートを行っています。本講演では、この経験を交えてお話いたします。

[笹口 剛志]

所属:長崎大学病院 ME機器センター

専門分野:人工心肺補助人工心臓、手術室業務

「老後の生活費は〜必要?」といった言葉や「資産運用」や「資産形成」という言葉を聞く機会が増えてきたように感じる。日本臨床工学会の「入会オリエンテーション 臨床工学技士基礎研修」にも「資産運用の基本」が含まれている。また資産形成がうまく行われ「FIRE(Financial Independence Retire Early)達成」という言葉も流行ったのではないか。

皆さんは「資産形成」についてどのような考えがあるであろうか。

元々私自身も、資産形成に関して興味関心があった方ではなく、またしっかりした考えがあったわけではなく「投資」を始めた一人であった。

投資の形態も様々である。個別株(米国株、日本株など)、ETF、投資信託など証券口座を開いて行うものや不動産投資などがある。いずれも「投資」であるが、まず私が始めたのが「NISA(少額投資非課税制度)」であった。「NISA」を始めたことにより、自身の資産形成を見つめ直す一つの機会となった。

「投資」と聞くと難しい印象を持つ方もいると思うが、私は「臨床工学技士」であり、「投資家」ではない。よって毎日平日9:00から15:30までパソコンの前に座り、株価の上がり下がりを表すチャートや取引の状況を眺めるといった習慣もない。また「投資」のみで生計を立てていこうという考えも今のところない。「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を活用している人たちは、ほとんどそうであろう。

2024年よりNISAの制度がかわり、新しい制度となる。本セッションでは、「NISA」をメインに資産形成について、あくまでも私個人の考えをお話させていただき、もうすでに始められている方も検討中の方も一緒にディスカッションを行いたいと思う。


[永野 裕之]

所属:所属:地方独立行政法人佐世保市総合医療センター 医療技術部 臨床工学室

専門分野:血液浄化、ME機器管理

暗号資産は、インターネット上で不特定多数の方同士が取引できる財産的価値のある資産

のことで、以前までは仮想通貨という呼び名でしたが、資金決済法の改正(令和2年5月1

日施行)により暗号資産という呼び名に変更されました。暗号資産を投資として活用して

いる人も多く、「儲けた」「損をした」という話をインターネット等でよく見かけるかと

思います。

また、近年コロナ禍を契機に一気にオンライン技術が革新してきたように思います

。「Web3.0」や「メタバース」、「NFT」など。これらの技術も暗号資産のベースとなる

技術が活用されたものであり、これから世界通貨の基盤となると私は思いました。そんな

考えもあり“社会勉強”として暗号資産に触れてみた経緯があります。

本セッションで皆さんにお伝えしたいことは、あくまで資産形成の“一手段”として活用し

てみましょう。という観点でお話しさせて頂きたい思い、何故暗号資産を選んだのか、暗

号資産に投資する際のメリット・デメリット(私見)について紹介したいと思います。