MarianS
(関連作品)
1・MarianS
(登場人物)
・メアリアン:♀
元傭兵、現殺し屋の女性。
・マリアン:♂
情報屋の男性。
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(役表)
メアリアン:
マリアン:
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メアリアン:Hello, hello. I'm home.
Hello ?
マミーのお帰りだよ、さっさと開けろよ。
マリアン:合言葉は。
メアリアン:……はァ?
マリアン:合言葉は。
メアリアン:おいおいなんだ、いつからテメェはオートロックの商売を始めたんだ?
マリアン:うるせェ、合言葉は。
10秒以内に答えろ。
メアリアン:ハ、くっだらねェ。
いいご身分だなオイ。
テメェからお呼び立てしといて、通せんぼとはよ?
クッセェ棺桶の中で食うチキンは美味いかよ、えェ?
マリアン:次関係ねェ事抜かしたら、スラッグがその小奇麗な顔をケツの穴にするぞ。
最後のチャンスだ。
合言葉は。
メアリアン:あーあー、ハイハイ。
壊れたレコードかテメェは、アイコトバアイコトバってバカみてェに。
だったらテメェが先に、さっさと口上を垂れろ。
パスワードはテメェからだろうが。
鍵が欲しけりゃ、錠を先に出せってんだよ、クソボケ。
こんなしょうもねェギャグこれ以上続けるンなら、
こッからRPGブチ込んで、ミートソースにしてやっても良いんだぞ。
マリアン:あいよ。
全く相変わらず、小粋なジョークも通じねェ駄犬だな。
「Who crashed "Humpty Dumpty" ?」
メアリアン:「I, said the "bloody Mary".」
これで満足かよ。
マリアン:オーケイ、入りな。
Welcome back, sweet Mary.
メアリアン:フン、いい気なモンだな。
相も変わらず、イか臭ぇ窖に閉じ篭って待ち商売。
テメェは何年物のワインだ?
今年の葡萄はよく熟れたかよ。
マリアン:いい気なモンなのはどっちだかな。
メアリアン:あん?
マリアン:テメェ、また依頼に無ェ「お仕事」をしやがったな。
テメェのそのユルいケツを、毎度毎度拭くのは誰だと思ってやがる。
メアリアン:さァ、知らないね。
私は仕事の邪魔をするバウンサー気取りに、教鞭振るってやっただけだ。
むしろ、教育費をボーナスとしてせしめたいくらいだね。
マリアン:……詭弁にもなっちゃいねえぜ、トリガージャンキー。
次やったら、ヘソを2つくらい増やしてやるからな。
メアリアン:おお、怖い怖い。
せいぜい気を付けらァな。
ワザとじゃなく、事故にする努力をしようか。
マリアン:面倒は御免だ。
テメェのケツはテメェで拭きやがれ。
メアリアン:火消しもテメェの仕事だろ、役回りってのを弁えな。
……で?
マリアン:あ?
メアリアン:あ? じゃねェよ。
仕事の話をしに、こんな肥溜めくんだりに来てやってんだろうが。
さっさと次のターゲットを教えなって言ってんだよ。
私はテメェと違って、毎日毎日ハッピーサンデーってわけじゃねェんだ。
Can you understand, baby ?
マリアン:いつまで経っても口の減らねェ……
俺は俺で忙しいんだよ、アホみてぇに鉛弾ぶっ放すだけのシリアルマーダーと違ってな。
歯車はせいぜい、大いなる労働ってやつに感謝してろ。
メアリアン:ハッ、大いなる労働ねえ。
それはそれは尊すぎて、犬のクソが金の延べ棒に見えちまうね。
マリアン:それとな、ここは全席禁煙だって何度言ったら分かるんだ、クソ気分悪ィ。
さっさと消せ。
メアリアン:おいおい、未だにテメェは無病息災元気なコってか、軟弱モノ。
そんなに嫌いかよ、私のライト・メンソールは。
マリアン:ああ、嫌いだね。
腐れビッチのゲロでも嗅いでたほうが、まだ気も晴れるってモンだ。
メアリアン:そうかよ、そいつァ結構な贅沢品だことで。
……で、さァ。
マリアン:あん?
メアリアン:こんなんじゃ、いつまで経っても話が進まないんだよマリアン。
もう一回だけ言ってやるよ、さっさとデータを寄越しな。
マリアン:……ああ、全くもって生憎ながら同感だ、メアリアン。
テメェが毎度毎度フッカケてこなきゃあ、もっと穏便且つ迅速に、仕事の話が出来るんだがな。
メアリアン:ハン、私のせいかよ。
いつからそんなケツの小さい男になったんだよ、マリアン?
もう少し拡張でもしようか、いいカマバーを紹介するよ?
マリアン:余計なお世話だってんだ。
ほらよ。
ソイツが次のターゲットだ、しっかり眼に焼き付けとけ。
メアリアン:……おい。
おいおいおいマリアン。
なんなのさこりゃァ、ええ?
マリアン:どうした。
雇われ傭兵の分際で、依頼主サマに文句でも?
メアリアン:どうしたもこうしたもねェだろうよ。
ターゲットがこんな小便臭ェ餓鬼だなんて、冗談じゃないね!
私の相棒を何だと思ってやがる!
マリアン:テメェが何と言おうが、俺はお前のクライアントで、
そしてその小便臭ェ餓鬼は、俺のクライアントが消してくれってんで回ってきた、仕事のターゲットだ。
下働きの犬畜生風情が、ターゲットを選り好みしようなんざ、パブでの笑い話にもなりゃしねェ。
メアリアン:テメェ……
マリアン:相棒だかなんだか知らねェがな、世間様から見りゃあ、俺もお前も血腥いクソッタレな殺し屋で、
その相棒なんてのは、金で命を吸ってる死神の鎌だ。
誇りだのプライドだのは、コンクリートに詰めて流しとけ。
二束三文にもなりゃしねェ芥屑だ、くだらねェこった。
身の程を弁えろ、狂犬。
Can you understand, baby ?
メアリアン:あーあーあーあーあー、御高説どうもありがとうよ。
おかげで最高にクソッタレな気分だ、ああ最高だね。
そんで、その餓鬼はどう殺すんだ、えェ?
刺殺、絞殺、轢殺、撲殺、銃殺、焼殺、爆殺、
その他諸々、お好きなコースをお選びくださいよマダム。
今なら特別コースで、シャブのフルセットもお付けしましょうか?
マリアン:落ち着けよ。
ここでワンワン吠えたところで、何も始まらねェぜ。
いつもの通り始末して、いつもの通り報告しろ。
オーダーはそれだけだ、分かりやすいだろうが?
メアリアン:ああそうかいそうかい。
Sir, yes sir .
このような任務に従事することが出来、光栄の極みでアリマス。
マリアン:とことん捻くれてやがるな。
……仕方ねェ、もう少し色を付けてやろうか。
メアリアン:色ォ?
なんだよマリアン、報酬に自腹切ってくれんのか、優しいねェ。
ちゃんと口座に米ドルで振り込んどけよ。
ポンドなんていらねェからな。
マリアン:んなわけねェだろ、銭亡者野郎め。
そのターゲットについて、懇切丁寧に教えてやるっつってんだよ。
メアリアン:誰が銭亡者だ、同じ穴の狢が。
必要ないだろうよ、そんなモン。
三日後にゃキリストの元へ導かれてるような奴の事なんざ、知りたくもねェし興味もねェよ。
マリアン:If you know the enemy and know yourself,
you need not fear the result of a hundred battles.
メアリアン:……ンだよ、そりゃ。
マリアン:前に行きずりの日本人に教わったんだよ、向こうの国の諺だとよ。
なんともサムライの国らしい、素晴らしい心構えじゃあねェか。
学の無ェテメェでも、タマ奪ったり奪われたりで生き延びてんなら、その意味くらい分かんだろ。
メアリアン:……くっだらねェ。
今回のその「敵」とやらに、警戒する要素があるかよ?
マリアン:さあな。
だが、こっちのルートで手に入れた追加情報にゃァ、
シャーロック・ホームズも喉から手を出しちまう、とびきりのネタが載ってるぜ。
メアリアン:へーぇ、そうかい。
それはそれは、興味を唆られるね。
聞かせてみろよ。
内容によっちゃ、今日中にカタしてきてやるからよ。
マリアン:フン、仕方ねェ。
普通なら、特別情報料として、金一封でも請求するとこだがな。
同業の誼みで、サービスしてやるよ。
その代わり、必ず今日、遅くとも明日中に仕留めろ。
さもなきゃ、テメェに回す仕事は、今後一切無くなると思いな。
テメェが自分で言い出した事だからな。
ついでに、ケツの穴でそのライト・メンソールを1カートン吸わせてやる。
メアリアン:オーライ。
耳かっぽじって、しっかり聞いてやらァ。
マリアン:ターゲットの名前は、アントニー・フォー・クレンセント。
由緒正しきクレンセント家の、次期当主予定だそうだ。
メアリアン:ケッ、由緒正しき、ねェ。
血統書付きのペルシャ気取りか。
ニャーニャー鳴いてりゃ、価値が上がったりすんのかね。
マリアン:どうだかな、興味もねェしくだらねえこった。
続けるぜ。
現在12歳、10人兄弟の末っ子。
金持ちと子沢山ってえのは、切れねェもんだな。
2、3人くらい、現場で汗水垂らしてる俺らにも分けて欲しいモンだ。
そうは思わねェか、メアリアン?
メアリアン:ああ全く。
ちょいと手頃なビッチに股開かせて、ワンコイン挿れりゃァ一丁上がりって寸法だろ。
少子化の御時世に随分とまァ、クソ素晴らしいインスタントマシーンじゃねェか。
ノーベル賞も裸足で逃げ出すぜ。
……で?
マリアン:あん?
メアリアン:あん? ってお前。
何ヤり遅れた間抜けな娼婦みてェな声出してんだよ。
話をさっさと続けろよ。
まさかとびきりの情報ってのが、たったのそんだけとか寝言は言わねェだろ?
こちとらこれから、その糞餓鬼と、プレジデント・ウィルソンでマッチメイキングなんだよ。
「お仕事は何をされてるんですか」、
「これからテメェを殺す事等を少々です」だ、アホめ。
マリアン:そんな事になった日にゃァ、仲人役も感激のあまり小便垂れ流して泣いちまうぜ。
テメェが口挟まなければ、もっと面白い情報が飛び出てたトコだよ。
落ち着いて聞けよ、早漏野郎は嫌われるぜ?
メアリアン:ああそうかい、そりゃあ悪うござんした。
お話の続きをどうぞ、ティーチャー。
マリアン:オーケイ、素直な生徒は好きだぜ。
で、だ。
今言った情報は依頼主、つまりターゲットの「兄」から貰ったモンだ。
何番目の、なのかまでは知らねェけどな。
メアリアン:兄?
マリアン:ああ。
なんでも件の餓鬼は、正式に血を引いてるワケじゃあないらしくてな、
本来は、跡を継げるようなヤツじゃあねェらしい。
ところが、何をトチ狂ったか、依頼主の父親は、そんな餓鬼を後釜に選んだ、って話だそうだ。
メアリアン:で、ケツの穴の小せェ兄ちゃんは、それが気に入らなかったってワケか。
二流コメディアンのネタが、チャップリンに見えてくらァ。
マリアン:ああ、全く。
笑える話だろ?
セレブの兄弟が自分の立場を守るために、俺達みたいな貧乏人を雇って、
一家巻き込んでパーティーさせてんのさ。
酔い潰れた奴から、あの世行きって寸法だ。
勿論、バレても一発アウトなチキンレース。
ブルってきちまうだろ?
メアリアン:そりゃあ随分とまァ、魅力的な催しだこって。
金持ちの道楽ってえのは一生分かる気がしねェな。
私らなんかは、コイントスでも一晩明かせるってのによ。
マリアン:違いねェ。
そんで、ここからはもっと面白いが、同時に結構スパイシーな内容になってくるぜ。
どうする、最後まで聞いちまうか?
ここでおあずけにしといてやってもいいが?
メアリアン:……カマのかけ方を、百遍学んで出直して来いよ、マリアン。
テメェは、ファックを寸止めする趣味でもあんのか?
淫売もイかせられねェ男は、一生報われねェぞ。
マリアン:やれやれ、親切で言ってやってんのに容赦ねえなァ。
知らねェぞ。
この話を聞いて嫌な気分になったとしても、俺は警告したからな。
メアリアン:要らねえ世話だよ、三流セールスマンが。
いいからお話の続きをとっととどうぞ。
マリアン:はいはい。
せっかちの相手はめんどくせェな全く。
じゃあよ、メアリアン。
その写真見て、何か気付くことは?
メアリアン:あん?
何かってなんだよ、最初にも言ったろ?
こんなもんは、小便臭ェ餓鬼だよ、くだらねェ。
マリアン:そりゃァただの、お前の偏見だろうが。
見た目を見ろ、見た目を。
メアリアン:見た目ェ?
マリアン:そうだ、見た目の話だ。
アンティークみてェな薄汚れたブロンドに、濁った碧いガラス細工を両目に拵えてよ。
誰かに似てるとは思わねェか、なァ?
メアリアン:……さあ、そんな知り合いに覚えはねェな。
いたとしても、そいつァ既に、この世にゃいねェだろうよ。
マリアン:まだ分かんねェか、それともすっとぼけてるだけなのか。
もう少しヒントが要るようなら、やらんこともねェぞ?
メアリアン:セールスの次はチェアマンか、マリアン?
職を探すにしても、もっとマシな物を考えな。
マリアン:泣き黒子。
メアリアン:……何?
マリアン:その餓鬼の右目の下にあンだろ、泣き黒子が。
知ってるか、黒子なんてなァ、結構遺伝率が高いらしくてな。
グランマからママに、ママから餓鬼に。
三代に渡って、全く同じ位置の黒子が、遺伝した例もあんだってよ。
……ちょうどテメェの母親から、テメェのその右目の泣き黒子が、遺伝したみてェにな。
メアリアン:何が言いたい。
マリアン:10年くらい前だったか?
泥臭ェスラムの片隅で、溝鼠だかボロ雑巾だかに見紛うくらい汚ェテメェを拾ったのはよ。
メアリアン:……今その話が、何か関係あンのかよマリアン。
関係ねェなら今すぐ止めろ。
折角のタバコが、ゲロみてェな味になっちまう。
マリアン:ただの昔話だよ。懐かしいよなァ。
枝みてェな躰のくせして、一丁前にお偉方を殺そうだなんて分不相応な真似してよ。
その先に待ってたモンは、それはそれは酷ェ現実だったよな?
メアリアン:マリアン、黙れ。
マリアン:殴られ蹴られは序ノ口、肉を削いで爪を剥いでをオードブルに、
イエス様も真っ青の、男囲っての大パーティー開いてたじゃねェか。
今思い出しても笑えるぜ。
その蛇みてェな眼が、打ち捨てられたプードルよろしく、真っ黒に染まってた様はよ。
メアリアン:テメェ……
知らない間に、随分と饒舌な野郎になったじゃねェか、ええ?
喋りたい事は全部喋ったかよ?
まだ足りないってんなら、脳天に口をもう一つ増やしてやろうか?
マリアン:そいつァ有難い提案だが、今は遠慮しておくぜ。
言ったろ、俺がしてんのは、ただの情報提供だ。
だが、それだけじゃあ味が足りねェ。
少しばかりのスパイスをって、ささやかな心遣いだよ、オーケイ?
メアリアン:ああ、そうかい。
そりゃあお気遣いありがとうよ、ディッキー・シェフ。
お陰様で、最近一番のクソッタレな気分だよ。
メインディッシュは、テメェお手製のミートパイをお願いしたいね。
マリアン:早まるなよ。
もう少しだけ続きがある、最後まで聞いてみたらどうだ?
それを聞けば、その火照りもすぐに収まるだろうよ。
メアリアン:誰のせいで火照ってると思ってんだ。
これ以上テメェの口からは、何も聞きたかねェよ。
喋りたいなら、ラスベガスのバーテン相手に、ラムでも傾けながら謳ってな。
マリアン:そんじゃァここからは、ただの俺の独り言だ。
その鉄砲玉をトチった娼婦はスニッチに拾われ、血で血を洗う稼業への転職を余儀なくされた。
だが、ガン・カタをキメる上で、「そいつ」は酷く邪魔だった。
件の輪姦パーティーで授かった餓鬼はな。
そして、愛より銃を選んだ女は子を港に置き捨て、魚の餌にでもしてやったと思い込んだ。
実際、俺もそうなったと思い込んでたがな。
メアリアン:………………
マリアン:……ところがどっこい、その餓鬼はちゃっかり生きてやがった。
スーツケースにでも詰めてやらなかったのが、失敗だったのかもな。
過程がどうあったか知らねェが、フッカーがクソひり出すみてェに産み落とした餓鬼は、
この国きっての四大財閥の一角、クレンセントのヘッド候補にまで上り詰めてやがった。
ノヴェルのネタにしたら、ノイシュタットの審査員も笑い飛ばすだろうぜ。
メアリアン:……ああ、全く。
そうかよ、そういうことかよクソッタレ。
マリアン:どうだい、メアリアン。
餓鬼一人始末するだけのお手軽任務にしちゃあ、弾むカネも高いと思ってたろうが、
これで納得も出来ただろ?
元々の報酬は、この4分の1にも満たない端金だったのを、俺が無理言って引き上げたんだ。
サービス料込み込みでよろしく、ってな。
出来るサービスマンだろう?
メアリアン:ハ、お笑いだな、マリアン。
札束で暖をとってるような連中相手に、商談もクソもあるかってんだ。
ボロい商売だったろうよ。
これだから金持ちは、いつまでたってもいけ好かねェ。
ついでに、テメェもいけ好かねェ。
犬みてェに尻尾振って、さぞご満悦だろうな?
マリアン:その犬のお陰で食い繋いでる畜生がよく言うぜ。
ここまで情報くれてやったんだ、しくじったら、分かってんだろうな?
メアリアン:あァ、勿論。
速攻でファックして、キレイな世界へ責任持って送り届けてやるよ。
テメェが落としたモンの尻拭いは、テメェでしてやらないとな。
十年越しの感動の再会は、マグナム弾をジョッキで奢ってやるよ。
待ってなベイビー、愛しのママが今行くよ。
ふふ、アッハハハハ。
マリアン:……あー、メアリアン?
メアリアン:なんだよマリアン?
私ゃ今、最高にハイな気分なんだよ。
水を差すヒマがあんなら、マスでもかいてな。
遅漏のテメェ相手なら、3回イッた頃にゃァ帰ってこれるぜ。
マリアン:ああそうするよ。
そんで、テメェが帰る頃にゃァ、祝いの酒もお待ちかねだろうさ。
特別に、俺持ちでな。
どうだい?
メアリアン:……いいねェ。
そんじゃァ一発、スピリタスをボトルで寄越しなよ。
ロックで早飲み競争と洒落込もうぜ。
マリアン:おいおい、死ぬ気かよ?
酔う前にお迎えが来ちまうぜ、そんなんやらかした日にゃァよ。
メアリアン:構わないね、それくらいが丁度いい。
死ぬほど酔ってゲロぶち撒けて、終いに死ぬほど笑って死ねるってンなら、
これほど幸せなこたァないよ。
マリアン:そうかい。
メアリアン:……それじゃ、ちょっくら私は行くよ。
いつものよろしく。
マリアン:はいよ。
「哀れな羊に銃声を、尊き神に鉄槌を。」
メアリアン:「汝、救いを求めたらば、即ち銀十字を踏み躙るべし。」
マリアン:「さすれば我らが天よりの使者、汝の魂に血染めの掟を与えたもう。」
メアリアン:I'll be right back, Marian.
マリアン:I'll be right here, Marian.
メアリアン:オーライ、愛してるぜ。
マリアン:ああ、お互いにな。
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