電力スポット価格予測
電力スポット価格予測
AI/機械学習アルゴリズムを含む6種類の手法で予測を行い、先端的なオンライン学習(動的学習)手法を用いてそのアンサンブル予測を行っています。
気象庁の週間天気予報をもとに7日先までの予測を行い、その精度を検証しています。
関連する電力市場取引価格のチャートや利用している系統情報、気象データ、日射量予測、インバランス価格などは別ページ参照。
(利用データの出所:日本卸電力取引所(JEPX)ホームページ http://www.jepx.org、気象庁ホームページ https://www.jma.go.jp、広域予備率Web公表システムhttps://web-kohyo.occto.or.jp/kks-web-public/)
※ スマホからご覧の方は、軽量な画像表示の英語版サイトの利用を推奨します:https://www.matsumoto-lab.isc.ens.isct.ac.jp/en/electricity_spot_price_forecast
■ 予測モデルの概要
30分単位の価格は、一般化加法モデル(GAM)、正則化回帰(Ridge回帰)、機械学習法(k近傍法 (kNN)、ニューラルネットワーク(ANN)、サポートベクター回帰 (SVR)、ランダムフォレスト (RF))を組み合わせたアンサンブル予測を行っています。年周期の滑らかな季節トレンドを捉えやすいGAMで長周期変動の特徴を捉えつつ、Ridge、kNN、ANN、SVR、RFで、短期的な変動特性を捉えるようにしています。
アンサンブル予測は"Multivariate Probabilistic CRPS Learning (Berrisch and Ziel, 2023, 2024)"と呼ばれるオンライン機械学習手法を用いています。オンライン学習の性質上、時刻ごとの予測エージェント(機械学習モデル)のウェイトは、直近の精度が良いモデルに重みづけする形で日々更新されます。
例えば、長周期トレンドが優勢となるときはGAMのウェイトが高くなり、気象感応度等が短期的に変動しているときにはその他の機械学習モデルのウェイトが高くなります。これにより、単独の機械学習モデルよりも総じて精度の高い予測が可能となっています(直近の予測誤差のモデル間比較を累積平均絶対誤差(MAE)で表示しています)。
日平均価格の予測は、分位点回帰(正確には、分位点ノンパラメトリック加法モデル: qgam)を用いた確率的な予測(パーセンタイル予測)を行っています。高/低パーセンタイルの予測値は利用するデータに対して敏感であるため、短期と長期の変動に対応する異なるモデルを推定し、それらを組み合わせることで頑健性を確保しています。
それぞれの手法は、これまでに実施してきた以下の研究の知見などに基づいています。
一般化加法モデル(GAM)
Takuji Matsumoto, Yuji Yamada, Energy Economics 95(105101) 2021年1月
Takuji Matsumoto, Yuji Yamada, Energy Economics 149(108821) 2025年8月
正則化回帰(Ridge回帰、LASSO回帰、pcLasso回帰)
Electricity Price Forecasting with Principal Component-Guided Sparse Regression
Takuji Matsumoto, Florian Ziel, Proceedings of the 20th International Conference on the European Energy Market (EEM24) 2024年(※ 論文はここからDL可能)
Takuji Matsumoto, Yuji Yamada, Energies 16(7) 3112 2023年3月29日
機械学習法(k近傍法、ニューラルネットワーク、サポートベクター回帰、ランダムフォレスト等)
Takuji Matsumoto, Yuji Yamada, Energies 14(21) 2021年11月1日
分位点回帰(Quantile Reglession)
Takuji Matsumoto, Misao Endo, The Journal of Energy Markets 14(3) 1-26 2021年9月(※ 論文はここから、関連する発表スライドはここからDL可能)
Mitigation of the Inefficiency in Imbalance Settlement Designs using Day-Ahead Prices
Takuji Matsumoto, Derek W Bunn, Yuji Yamada, IEEE Transactions on Power Systems 37(5) 3333-3345 2022年9月