居合道には、欠かせない。
初めての小話はそんな刀のはなしから。
武器として、美術品として、お家の宝として、政治の道具として、時には災いを退ける信仰の対象として…
日本刀は、日本の歴史・人々の営みの中でさまざまな役割を担ってきました。
不思議なことに、戦においての主力が鉄砲に変わっても、平和な時代で武器が無用の長物に変わっても、それでも【もののふ】たちの魂としてあり続けています。
ちなみに江戸三作と呼ばれる、江戸で活躍した3人の刀工のうちの1人、大慶直胤は刀は「守るためもの」だと称したそうですよ。
身を守り、敵を防ぎ、制するための道具である※、と。
夢想神伝重信流の信念にも通じる気がします。
刀工たちが魂を込め、人々が守り繋いできた日本刀は、現代社会に置いて、刀は歴史的・文化的資料であり、美術品・工芸品としての価値がほとんどを占めます。
しかしながら、刀はただ美しいだけのものではなく、武器でもあります。
それも、戦において考えたら、とびきり扱いの難しい武器。
鍛錬を重ね、自らや相対する的に真摯に向き合い、振るう瞬間さえ正しい刃筋、体の使い方をしていないと相手を倒すことができない玄人にしか扱えない武器。
それも鉄砲や弓のような飛び道具、槍、薙刀の長物と異なり、間合いも短く、相手に手が届く距離、相手の手が自らに届く距離での相対となります。
だからこそ、刀を振るうときは真剣勝負!
敵が仮想だろうと、一振りに魂を込める。
弛まぬ鍛錬を重ねて、かつてのもののふにも負けない気迫をもつ、そんな一振りを出せるようになりたいですね。
写真は新参一号の推し刀、北野天満宮所蔵の「脇差 銘 猫丸」です。
菖蒲造りで、名前の通りに猫のようにしなやかな印象を持つ、かわいらしい脇差です。
2026.1