京都市伏見区稲荷大社付近でつくられている土人形。稲荷山の埴土(はにつち)を用いて始められ 日本の土人形で最古の歴史をもつといわれる。
その型は全国に伝えられ各地郷土人形の源流ともな っている。
奈良時代以前からこの地に土着した土師部(はじべ)の埴輪,土器つくりから発生した といわれ,江戸時代には〈稲荷人形〉の名で売られ,幕末から明治初期にかけては50余軒の窯元が みられるほどの繁栄ぶりを示した。販路は四国,九州あたりまで広まり,それぞれの土地に伏見系 土人形発生の影響を与えた。
出典: 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について