ゼミ概要
生きていく上で役に立つ知識と能力を身に付ける.これが当ゼミの理念である.
ゼミではファイナンスを数理的に研究する分野である数理ファイナンスや金融工学について学習する.おおまかに言って,数理ファイナンスが基礎となる理論,金融工学がその応用技術の研究分野といえるが,その境界はあいまいである.ファイナンスを学習する際に実務を意識することは重要なことである.ゼミでは理論と技術の両方の専門知識をバランスよく,身に付けて欲しい.また,背景にある金融市場についても興味を持って学習して欲しい.
金融工学の重要性が認識されて久しいが,未だに社会の要請に答えるだけの金融工学の教育を受ける場は少ない.当ゼミは夢を持ち,努力を惜しまぬ者を歓迎する.
金融工学とは
金融工学は金融機関における投資,リスク管理,商品開発などのために発展してきた学問である.最近では,天候,地震,不動産,企業経営に伴う事業リスク等も研究対象としており,応用分野は多岐にわたる.今や金融工学は金融機関のみならず,一般企業にとっても有用な学問といえる.
金融工学のイメージを掴みたい人には以下の本をお勧めする.
相田 洋, 茂田 喜郎(2007): "マネー革命 2," NHKライブラリー
ゼミ対象者及び参加前提条件
以下いずれかに該当する者が対象者である.
・金融工学の専門知識を生かした職務を志望する学生
・数理ファイナンス・金融工学の研究者を目指す学生
・数学の現実社会への応用に興味のある学生
数学を好きであることがゼミ参加の必要条件である.また,レベルごとに必要となる前提知識があり,不足がある場合は独習で補う必要がある.例えば,初級ゼミでは線形代数,微分積分,基礎的な確率・統計が前提となる.なお,応募条件は以下の通りである.
初級ゼミ(学部3年水準):理工系学部の基礎数学教育を受けていれば応募可能.合否は面接によって決定する.
中級ゼミ(学部4年水準):原則,初級ゼミを受講した者.
上級ゼミ(大学院水準):一定の条件を満たした者.(詳細は研究指導志望者への要望を参照.)
()内に標準的な学年を示しているが,これは目安であり,下のレベルの専門知識を習得していなければ上のレベルのゼミに参加することはできない.
個別相談を希望する場合は,メールでアポイントメントをとって研究室に来訪すること.
ゼミの進め方
教科書を分担して担当者が説明し,質疑応答を行うセミナー形式で行う.
レベル別,少人数で行う.
急がば回れの精神で基礎理論から体系的に積み上げ学習を行う.
ゼミ生に望むこと
とことん議論して欲しい.
ゼミは,専門知識を身に付ける場であるとともに,論理的思考力やプレゼンテーション能力など,社会で必要となる能力を身に付ける場である.
参加者全員がきちんと準備をしてゼミに臨み,どんどん質問し,議論し,能力を高めあって欲しい.ゼミでは,参加者全員が先生であり,生徒なのである.
とことん考えて欲しい.
自分が分からないこと,できないことを克服していくことはとても大変なことである.でも分からないことが少しでも分かるようになると,ちょっぴりうれしいはずである.そんなちょっぴりの喜びを何度も何度も繰り返して,ゼミを修了するとどうなるか?それは各自で体験してみて欲しい.
ゼミ参加者全員が社会で活躍してくれることが私の希望である.