ここでは,これまで携わってきた研究を紹介します!
本研究では、瀬戸内海における潮目(海流が集まる場所)のマイクロプラスチック(MP:大きさ1-5ミリメートル)の密度について調査しました。この密度を、潮目以外の海域や他の海域と比較したところ、瀬戸内海の潮目では、潮目以外の場所と比べて40倍から300倍もの高い密度でMPが存在することが分かりました。具体的には、1立方メートルあたり平均3.7個(±6.3個)という極めて高い密度で、これはマイクロプラスチックの集積地として知られる東京湾と同程度の値です。
見つかったMPの中で最も多かったのは発泡スチロールで、その量は季節によって変動し、夏に最も多くなることが分かりました。潮目に漂着する海藻(漂流藻)に集まる稚魚は、最大4ヶ月もの間、大量のMPにさらされる可能性があることも判明しました。
本研究では、沿岸部でも潮目において、外洋の渦流(海流の渦)で形成される集積域と同じように、小規模スケールながらもマイクロプラスチックを集めることがわかりました。まだそこに生息する稚魚への影響(食べちゃうの?隠れ家としても機能している?等)はわかってませんが、今後の研究で明らかにしていく必要があると言えます。
潮目には,大量の藻が集まってきて,そこに隠れるように稚魚が生息していることが知られています.稚魚は,数センチメートルから5-6センチメートル程度になるまでの4か月間くらいをここで過ごします。
潮目が稚魚のゆりかごである一方で,ごみも集まってきています.このことは,他の観測時に潮目を横切る際に海ごみが多いと気づいたことがきっかけでした.実際にとってみると,写真のように小さいプラスチックの破片が非常に多いことがわかりました.
図の中(右側)では,東京湾(Tokyo Bay),播磨灘(Seto Inland Sea, Harima-Nada),潮目(Convergence zones),潮目じゃないところ(non-Convergence zones)のデータを1つにまとめています.縦の軸は,0.001から0.01,0.1,1,10,100と10倍ずつ大きくなっていて,たとえば,東京湾の一番高い値は,10個/立方メートル(pieces/m3)から100個/立方メートルの間にあるので,だいたい50個/立方メートルということになります.この個/立方メートルとは,1立方メートル = 1000リットルのことで,1000リットルのお水あたりに浮かんでいるプラスチックの数を意味しています.データを見てみると,潮目じゃないところは,これまで発表された播磨灘の値と同じくらいですが,潮目は,東京湾くらいの数があることがわかります.
Nakakuni, M., Nishida, M., Nishibata, R., Kishimoto, K., Yamaguchi, H., Ichimi, K., Ishizuka, M., Suenaga, Y., Tada, K., 2024. Convergence zones of coastal waters as hotspots for floating microplastic accumulation. Marine Pollution Bulletin 206, 116691.
Pending
Nakakuni, M., Watanabe, K., Kaminaka, K., Mizuno, Y., Takehara, K., Kuwae, T., Yamamoto, S., 2021. Seagrass contributes substantially to the sedimentary lignin pool in an estuarine seagrass meadow. Science of The Total Environment 793, 148488.