凍土や永久凍土のなかに含まれる水は地温の変化に応じて凍結や融解を繰り返します。地下氷が発達すると土壌や岩石中にクラックを発生させ、時には落石や地滑りといった災害を引き起こすこともあります。また、年周期の凍結融解作用でで土壌激しく動き、中低緯度帯の平地では見られないような特異な地形が生み出します。
このテーマは地盤の凍結融解に伴い形成される地形やその形成プロセスに着目します。これまでに、北海道高山帯での岩盤崩落現象、大雪山における構造土の形態と分布、モンゴルにおけるピンゴ(氷核丘)の内部構造と発達史、永久凍土帯南限付近でのサーモカルスト(熱浸食地形)などに取り組んできました。
プレスリリース: https://www.hokudai.ac.jp/news/2025/01/post-1732.html
大雪山小泉岳周辺の淘汰構造土分布、UAV観測により精細地形図を作成。
2023年6月に現れた大雪山白雲岳避難小屋周辺の陥没地形(矢印)、サーモカルストの可能性あり。左:UAV空撮によるオルソ画像、右:陰影起伏と等高線
典型的なサーモカルスト(熱浸食)地形、モンゴルで撮影。地下氷の融解消失により地盤が陥没している(左)。同地点にてUAV空撮画像から作成した3次元イメージ(右)