【む】
むかしのまみや かいこをそだて まゆだまに
昔の馬宮 蚕(カイコ)を育て 繭玉(まゆだま)に
●養蚕業(ようさんぎょう)
昭和の始めの頃まで、馬宮の農家では桑の葉を育て、カイコに食べさせ、まゆだまから生糸を作る養蚕業が盛んに行われていました。養蚕業は、大きな現金収入を得るための大切な副業であったようです。カイコは、その家の2階など一番良い部屋で育てました。室温を一定に保つため火を絶やさない、桑の葉を夜中も与えるなど苦労して大きく育てたといいます。上サ自治会館の前の八幡神社には、まゆの奉納額がおさめられているのが見られます。昭和7年、当時、上サ地区で養蚕業を営んでいた46軒中、特に優れたまゆの取れた23軒が、実物のまゆ玉を1軒8個ずつ出し合い、お礼の意を込めて奉納しお祝いをしたということです。
<参考>
●さいたま新都心コクーン
「コクーン」は、英語で「まゆ」のこと。片倉工業(製糸業創業)の土地につくったことに由来する。
●日本の製糸業
日本では、幕末、横浜開港による輸出増大を機に製糸業が発達。富岡製糸場が作られ、明治〜大正にかけて代表的な輸出産業になった。