L' Art du Violon
ラール・デュ・ヴィオロン
ー妙なるフランス・ヴァイオリン音楽の巧と粋ー
ラール・デュ・ヴィオロン
同シリーズは18世紀以降、フランスで活躍したヴァイオリン奏者、そして彼らが残した作品を通して、フランスのヴァイオリン音楽に親しもうというものです。「L'Art du Violon ― ヴァイオリンの技巧 」は、主にヴァイオリンの教則本のタイトルに用いられる言葉ですが、18世紀パリでは、才たけるヴァイオリン奏者らによって数多くのヴァイオリン作品集と教則本が出版されました。また、ヨーロッパで最初の国立音楽院で組織的な音楽教育が始められ、いち早くクラシカル、ロマン派時代の楽器やヴァイオリン演奏法を確立していったのもフランスでした。人々が世代を超えてヴァイオリンという楽器とその音楽の真髄を求め、変遷をとげていく様を時代を行き来しつつも皆様とご一緒に楽しめたらと思います。
マリ・ロワゾー音楽室
代表 鳥生真理絵
L'Art du Violon ラール・デュ・ヴィオロン
― 妙なるフランス・ヴァイオリン音楽の巧と粋―
2025年10月18日
第1回は「趣味の融合」と題し、18世紀前半を代表するフランスのヴァイオリン奏者、ジャン=マリ・ルクレールの作品を中心に、1720-30年代にパリで出版されたヴァイオリン・ソナタを取り上げます。 フランスのヴァイオリン・ソナタの歴史は「ソナタ」という音楽がもともとイタリア発祥であることからもわかるように、イタリアとフランス音楽の融合の歴史ともいえ、イタリア音楽とフランス趣味をいかに融合させるか?というところに作曲家や奏者の好みがよく現れるように思います。ルクレールの4冊からなるヴァイオリンソナタ集は「バロック・ヴァイオリン音楽の代表」とよく言われますが、彼自身はイタリアでヴァイオリンや作曲を学んでいたこともあり、同時代のフランスの音楽作品群の中では「フランスらしい」というよりも「後期イタリア音楽とフランス趣味をじつに見事に融合した音楽」といえるでしょう。ではこの時代、フランスのヴァイオリン奏者たちは、どのような塩梅の音楽を奏で慈しんだのでしょうか。耳を傾けていただければ幸いです。
【Program】
・J. -M. ルクレール
ヴァイオリン・ソナタ集
第1巻 Op. 1より 第1番 イ短調
第3巻 Op. 5より 第8番 ニ長調
・J. B. ソミス
ヴァイオリン・ソナタ Op. 6- 4 ハ長調
・J.-J. C. de モンドンヴィル
クラヴサン曲集 Op. 3-1 ソナタ ト短調
(ヴァイオリン伴奏つき)
・J. オベール
ヴァイオリン・ソナタ集 Op. 3- 8 ニ短調
他
(休憩あり2時間)
【日時】
2025年10月18日㈯
15時00分開演 (14時30分開場)
【会場】
スタジオ・ピオティータ
〒168-0073
東京都杉並区下高井戸4丁目22−34
【チケット】
一般 4,000円
【ご予約】
Tiget https://tiget.net/events/414162
Email marie.loiseau.violin@gmail.com
【お問い合わせ】
marie.loiseau.violin@gmail.com
【主催】マリ・ロワゾー音楽室
【出演】
鳥生 真理絵 とりう まりえ バロック・ヴァイオリン
大阪生まれ川崎育ち。桐朋学園大学音楽学部、同大学院大学を卒業後渡欧。ベルギー・フランダース政府からの奨学金を得てブリュッセル王立音楽院にてモダン・ヴァイオリン及びヒストリカル・ヴァイオリンを学ぶ。同音楽院古楽器科修士課程を最優等賞付きで卒業。これまでにモダン・ヴァイオリンを西藤美恵子、藤原浜雄、天満敦子、フィリップ・グラファン各氏に、バロック・ヴァイオリンを寺神戸亮、フランソワ・フェルナンデス各氏に師事。在学中よりレ・ムファッティ、イル・ガルデリーノ、キュレンデといったベルギーの古楽アンサンブルの公演に定期的に参加し演奏活動を行う。2021年末、完全帰国を機に茨城県に拠点を遷し、母国での活動を再開し活動の場を広げている。2024年からはJ. S. バッハの無伴奏リサイタルを日本各地で開催し好評を得る。18世紀前半のフランスの室内楽作品及びチェンバロとヴァイオリンの為の二重奏作品の演奏をライフワークとし、古楽四重奏団「AYAMEアンサンブル・バロック」ヴァイオリンデュオ「レミマリデュオ」および、チェンバロ奏者﨑本麻見との二重奏「デュオ・インヴェンツィオーネ」メンバー。茨城県土浦市にてマリー・ロワゾ―音楽室主宰。 https://www.marietoriu.com
﨑本 麻見 さきもと あさみ チェンバロ
東京藝術大学楽理科卒業後、同大学院修士課程チェンバロ専攻修了。文化庁新進芸術家海外派遣制度研修員としてオランダのデン・ハーグ王立音楽院で学んだ後、ベルギーのブリュッセル王立音楽院を経て、ルーヴェンのレメンス音楽院修士課程を最優秀の成績で修了。チェンバロを大塚直哉、ジャック・オッホ、パトリック・アイルトン、クリス・ヴェルヘルストの各氏に師事。ルーヴェンの「ポリフォニーの家」において同館所蔵のチェンバロによる演奏会を開催、ブリュッセルでのMidis-Minimes音楽祭やユトレヒト古楽音楽祭フリンジコンサートに出演するなど、ベルギーとオランダを中心にソリストや通奏低音奏者として活動。また、フランスのロワイヨモン修道院にてジャン=リュック・オー氏によるマスタークラスに参加し、REMA(ヨーロッパ古楽ネットワーク)による同地でのイベントの中で演奏。2018年には東京にて文化庁新進芸術家海外研修員コンサートに出演。2021年に日本へ拠点を移し、八ヶ岳高原音楽堂専属チェンバリストとして「八ヶ岳カラマツチェンバロコンサート」に定期的に出演するなど、活動の場を広げている。現在、東京藝術大学古楽科教育研究助手。https://asamisakimoto.com