誕生日:2/9
最高身長:172cm
体毛:黒
瞳:黒
思想色:青(単一)
少し陰鬱な雰囲気はあるものの、いたって普通の男性。
父が家を空けがちで、ほぼ母子家庭のような環境で育ったため家事など生活全般のことをこなす能力がある。得意料理はからあげ。穏やかで誰かに頼られるとついつい助けてしまうお人好しだが、幼馴染である新城茜に対してはかなり辛辣な態度を取る。生まれて来る際には事情があり、虚弱だった。
人並み以上には読書家で、そこまで熱心でないものの文芸部員である。彼の書く小説は、かなりグロテスクらしい。
・温厚な性格をしており、滅多なことでは怒らない。が、幼馴染である新城茜に対してはしょっちゅう声を荒あげている。
・いじめられているという噂があるが、本人に直接聞いても「そういった事実はない」という返答しか返ってこない
第五話にて登場。役所に相談に来たアイツのこと。新城茜と結婚しなんやかんや幸せにやっている。
彼が高校生を過ぎても生存しているということはあの世界では新城茜が勝利したことを示しており、作中で語られる神の消失とは楽園世界の消失を指している。有力な一系統魔術が壊滅状態に陥ったことから、ここを拠点に神々が勢力を広げていることが予想される。
彼の正体はかつての冷徹の魔術師が転生した存在である。
魂が引き裂かれ二つに分かれてしまった冷徹の魔術師は「欲求」と「理性」に大別される二人に分かれ輪廻しており、彼はそのうちの「理性」を司る側。
柔和で気の弱い性格だと思われがちだが、それは彼が怒り、悲しみといった感情を表出させることはほぼなく、常に微笑んでいるか、無気力になんの表情の浮かべていないかのどちらかでいるため。実際は人並みに喜怒哀楽のある人間であり、それが表出しないのは全て理性で無理やり押し殺しているから。
彼のこの行動は究極とも言えるほど自罰的な思想に由来する。冷徹の魔術師の使命と理想を引き継いでいる彼は、自分が我が子への愛情のために滅んだことを恥じた。そして転生した現在の肉体と精神をかつて自分が作り上げた「楽園世界」の改修に使う素材として見ており、そのために可及的速やかに自らの命が無くなることを望んでいる。しかし彼自身の肉体と精神は現状死を望んでおらず動物的本能の邪魔が入ること、全く魔術などと関わりのない両親を含めた周囲の人間が、自分の不自然な死を引き金に魔術の世界に触れる可能性があることなどさまざまな理由により簡単に死ぬことができずにいる。
そこで彼が思いついたのは「緩やかに、常に精神を磨耗し続ける」という方法である。強いストレスにさらされ続けた生物は、自然に肉体活動を停止させうることから、自らを常に高ストレス下に置くことで心を少しずつすり減らしている。この方法は気づかれにくく、本人が「問題ない」と言う限り他者からの邪魔が入らないという点で優れており、実際に多くの人間は彼の状況に気付かない。
具体的な例として彼は陰湿ないじめを受けているが「心身が生を諦める機会の獲得と思春期の青少年のストレス発散という意味では利益しかない」と評価し、自ら状況証拠を消してまわるなどしている。そのストイックさや献身的な姿を垣間見て好意を抱く者もいるが、彼と人間的で愛情深い交友はできないだろう。
欲求を引き継ぐ新城茜は澄明の状況を理解するほぼ唯一の存在であり、彼にとっては邪魔者でしかない。二人は常にお互いを牽制し続けており、澄明が望み通り己を殺せるか、茜が彼を生かし切ることができるかで、世界のルート分岐が起きる。