のこりもの
リリース 2024/03/11
イラスト umiushi
01. 夜の少年は海を見ていた
02. アメリカ
03. Bluesだったらいい
04. 僕は去勢された猫と暮らしている
05. 落日
06. 君が僕を殺した
07. ナイトメア
08. なまぬるい影
09. アンディウォーホールが死んだ夜
10. ブラウンシュガーをきめている
11. 遠い国の話
12. 歩く地獄
13. 墓地へと続く道
14. JACO
01. 夜の少年は海を見ていた
夜の少年は海を見ていた
寂しさの意味を知らず海を見ていた
漁火に魚影が揺れていた
遠く連なる山は色を失い
空は重く地平を飲み込む
狂った母と逃げる鳥を追った
橋の上から舞う雪を掴んだ
ひとりに染まった町をさまよい
死んで生まれた弟が
祭りの終わった朝青い顔で立っていた
橋の上から落ちる雪を見ていた
橋の上から消える雪になる
02. アメリカ
夜が明けるまで
飛んでみないかふたりで
もう1度
フリーウェイの下に消えるハーフムーンひとっ飛び
憶えてるかい 手を繋ぎ走った
雨のジャジーシティ ターンパイク
笑ってよ
追われながら振り返る 言い忘れたことがあったんだ
ボクを許し君を眠らせ時のたどり着くままプリティ
震えながら踊りながら
見上げる空 朝は近く街は遠く
泥まみれになって 探しつかれて
もう歌えないさ
グレイハウンドのステーションで
最後の1枚くれないか
03. Bluesだったらいい
どこへも行かせはしないさ
外は今とても冷たいから
明かりを消して
あの歌をもう一度聞こう
いくつもの夜を超えて
眠れない夜を
いくつもの星が流れて
願いが叶うといいね
Bluesだったらいい
そんな生き方もいいだろう
明日になれば
みんな消え失せるだろ
いくつもの時を重ねて
擦り切れた空で
本当に大切なもの
いつもここにある
Baby そんなに卑屈にならないで
すさんでるのは奴らの世界だけで沢山さ
変えられないことだってあるよ
ここにいて笑ってくれればいい
04. 僕は去勢された猫とくらしている
僕は去勢された猫とくらしている
白い壁に囲まれてくらしている
屋根の隙間から
平べったい空を見上げている
僕の中に訪れる
雫のような気持ち
まだ柔らかい胎児のような
やさしい雨が降る
僕も君も立ち尽くしたまま
冷たくなっていく
腕をゆらゆらさせて
不思議な帽子が空を飛ぶ
紫陽花の咲いてる小路を
猫の鈴を鳴らしていく
コンクリートの庭先で
血を流して笑う君
体が麻痺しているんだね
やさしい雨が降る
僕も君も気付かないうちに
冷たくなっていく
05. 落日
君は隣の台所で
山羊のスープを作る
コトコトコトコト
屋根の上を電車が通る
ボクは夕闇で
本を読んでいる
君は窓辺に座り
Look around 誰も知らない Look around
ボクはコップの水に
堕ちていく街を見ている
花も一輪咲いてる
遠くの方で
歌っているボクが
見えるかな
君は窓辺に座り
Look around 明かりが Look around
06. 君が僕を殺した
君が僕を殺した 君の狂気が
僕を貫き 空が遠ざかる
このテーブルの上で
迷路のような地図をたよりに
抜け道を探してる
もしもそこで 道が途絶えたら
ひび割れた時を埋めに行くだろう
教えてくれよ
君に盗まれた
僕の秘密を
僕の叫びはいつまでもここに
残されてそのうち消されるだろう
重なる影の谷間で
鋼鉄の牙が
獲物を見つける
空が遠ざかる 船は行ってしまった
みんな外をのぞき込む この坂を下りていくと
君が僕を殺した
07. ナイトメア
毎晩うなされてる 誰にも言えないナイトメア
飛び起きてもそこには 誰もいないナイトメア
うんざりさ 孤独な悪夢は
毎晩悩まされてる 電話のベルは鳴り止まず
頼りにならないお前を 歯ぎしりしながら待っている
うんざりさ うんざりさ
今夜も明かりを求めて スリープウォーク
頭上に危ない 三日月が突き刺さってる
パノラマひと山 抱きかかえて
ゴム人形のような お前の体が懐かしい
死んでもいい ナイトメア
うんざりさ 孤独な悪夢は
08. なまぬるい影
逃げ出せるつもりでいたのか
気づかれないつもりでいたのか
疲れた足を引きずりながら
操られ続けるつもりなのか
埋もれたいこの街に
裂かれた幻
アスファルト溶け出して
沈んでいくのか
なまぬるい影だけ残して
ひっきりなしに銃声が聞こえる
太陽が摩天楼をかじっている
空の上で突き刺す光が
恐れてた未来とクラッシュしてる
息絶えたこの街に
裂かれた幻
アスファルト溶け出して
沈んでいくのか
なまぬるい影だけ残して
見えない敵が見えたのか
あいまいな電波の洪水の中で
何処にも避難できない 通りは摩擦で焦げ付いてる
気だるい毒に包まれてる
埋もれたいこの街に
裂かれた幻
アスファルト溶け出して
沈んでいくのか
なまぬるい影だけ残して
09. アンディウォーホールが死んだ夜
色々あったけどもういいのさ
僕も眠いし君もなんか変だ
おとなしく聞き分けて帰ってくれないか
目覚ましもセットしちゃったし7時間は眠りたいから
もちろんお金なんか貸してあげられないけど
ビニールの傘なら貸してあげてもいい
僕も頑張るから君も負けないでくれよ
泣き真似はやめてストッキングも乾いたから
本当に迷惑だけど好きさ
僕ら嘘つきだからうまくゆくさ
明日晴れたらまた会おう
手をつなぐのも疲れたんだ
手なずけられたのは僕の方さ
タバコ1本分のサヨナラの後で
君の散らかしてったシルコットを捨てるのさ
つけっぱなしのラジオが夜通し
行方不明の僕を探してる
夢の中までも追いかけまわす
抜け道はここさ湿ったベッドの上さ
10. ブラウンシュガーをきめている
さんざんつけ回されたあげくこの町にたどり着いた
腐った臭いのする泥のような町
ここじゃ疲れても立ち止まることもできない
たくさんの餓えた視線が刺し殺そうとする
突き当りには乞食たちが死ぬことだけを待って座り込んでいる
階段を下りていくとどす黒い川が夕闇の中で寝そべっていた
知らない言葉で誰かが話しかけてくる
こうして突っ立てると向こう岸まで手が届きそうだった
ブラウンシュガーをきめている
ひたすら続く裏道を痩せた犬が歩いていく
子持ちの売人が時々振り返り手招きする
かび臭い軒先に明かりが灯り
水たまりに転がる赤ん坊たちは無表情だ
ここじゃ皆が退屈しきっている
何も問題ないって言うどうでもいいことだって言う
さっさと帰るのが一番だ
ホテルのボーイが作り笑いで迎えてくれるだろう
ブラウンシュガーをきめている
いつも逃げてるみたいだ
いつでも逃げ回ってるみたいだ
あの島国からこの町の路地裏を抜けて
道はあの島国に通じていた
次の朝船でここを出ていく
川から見渡した町は
朝陽を浴びて輝いていた
火葬場の前を通るとき船頭が言った
何を探してるのかわからないし
それは見つからないだろう
ブラウンシュガーをきめている
11. 遠い国の話
靴を脱いでこの階段を上るんだ
ドアは今開いてるから
狭い路地の月明り
ボクの声が聞こえたのかな
嵐の夜の結婚式
テーブルの下で口付けする
破れた写真の中で
笑ってるのは誰だろう
息絶えた獣にまたがって
星空の飛行船
ずっと南の国へ行くんだ
記憶の密林を抜けて
見渡す限りの草原や
狂って咲く花 果実
船乗りは夢を見ている
地平線 夕焼け空
12. 歩く地獄
随分と鎖の長い飼い犬だな
餌箱に鼻面を突っ込んで
嬉しそうに尻尾を振っている
役立たずの番犬は1日中
虫けらと戯れることで許されることを知っている
季節が来れば悲しげな交尾を繰り返し
群れに潜み本当の自分がいないことを知っている
歩く地獄
楽園行きの飛行機の中で
孤独な誕生日を迎えた私は
墜落していく飛行機の中で
バースデーケーキと私は
やはり生き残ってしまった
病気と獣だらけの密林で
泥水を舐め生き延びるさ迷い続ける私が
歩く地獄
朝陽を浴びて巨大きな影が
背中を向けて去っていく
紫色の毛皮が私の母親です
私は戦う相手を作らない
後ろの方面は自分だった
抱きしめる苦しめる
夢の中で何度も現れる目覚めても
歩く地獄
13. 墓地へと続く道
飢えた乳飲み子の 粉ミルクを買うために
長い坂道を 降りて行く
生まれた分だけ死んでゆく
消えそうな影が いくつも消えていった
この道は 墓地へと続く道
もう何年も 泥の雨が降り続く
埋もれた町の 埋もれた町の空を
石の船に乗り 遠くからやって来たんだね
顔のない行列が通り過ぎていくよ
この道は墓地へと続く道
ごらん陽が落ちて 屋根が真っ赤に燃えてるね
ねむり薬で眠れ 揺りかご揺らして
砂漠の海をハイハイしてる夢でも見ているのかな
月が丸い卵のように浮かんでいる
この道は墓地へと続く道
14. JACO - 作詞作曲:澤田儒里(沢田としき) -
この町の夕暮れが霧に包まれる
お前が霧の中泳ぐ そしてあの夏が来る
履かないで履かないでサニーシューズ 眩しすぎるし
泣かないで泣かないでJACO 淋しすぎるから
月明り膨らむ今宵は あいつのワーゲンで
飛べるんだきっと あの坂の上から
履かないで履かないでサニーシューズ 眩しすぎるし
泣かないで泣かないでJACO 淋しすぎるから
風吹けば聞こえぬ 風吹けば乾いちまう
たった一人の女の子においら言葉奪われる
履かないで履かないでサニーシューズ眩しすぎるし
泣かないで泣かないでJACO言葉なくすから
履かないで履かないでサニーシューズ 眩しすぎるし
泣かないで泣かないでJACO 淋しすぎるから
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