卒業研究について
卒業論文とスライド作成のヒント
卒研発表ではスライドを何枚も作る必要があります。
一般的には、一枚のスライドの情報は少なめにすると見やすく伝わりやすくなると言われていますが、詰め込んだほうが見やすいと言う人も居ます。
好きな方を選んで O.K. です。
また、文字のフォントや大きさに気をつけ、色文字は余り使いすぎると見づらくなるので使用はぎりぎりまで絞りましょう。
卒業論文はページ数に制限はありませんが、その論文だけである程度完結している方が好ましいので、ある程度の分量を書くことになります。
大まかには 「表紙 →概要 →目次 → 導入 → 定式化 → 計算結果 → まとめ → 謝辞 → 引用 」 の様な流れにすると読みやすいでしょう。
引用には論文中で参考にした論文を書きます(本文該当部分に番号を振り、その番号に対応付けて論文の末尾の方に書きます)。
参考にしたのに引用しないのは盗用なので絶対にしないようにしましょう。
もちろん、文章をコピペするのも盗用です。自分の言葉で書きましょうね。
ちなみに卒研を進める間に参考論文を探すのも一つのトレーニングですので、いろいろ検索して役に立つ論文を見つけ出しましょう。
ただし論文とは言っても、ちゃんとしたものとそうでないものがあります。
駄目なものはフェイクジャーナルと呼ばれるもので、査読が全く機能していない雑誌です(ハゲタカジャーナルも同じようなもの)。
こういうものは信頼性が無いので気をつけましょう。
Web of Science のデータベースに採録されている雑誌は信頼性がありますが、掲載されている論文全ての信頼性を保障するものではありません。
Web of Science に採録されていても、
査読期間がとても短い雑誌
オープンアクセスの雑誌
雑誌社が国際会議を主催しており、そこでの発表のプロシーディングスを拡張して論文として出版する雑誌
に掲載されている論文はきちんとしていない可能性があるので、読む際は気をつけましょう。
(3つ目については国際会議のレベルが高い(top conferenceの)場合は大丈夫です)
また、
○○ note として出版される論文 (○○には色々入ります)
も気をつけたほうが良いかもしれません。査読が簡略化されている可能性があります。
誰の業績欄にある論文でもよいので、練習として調べてみても面白いと思います。・・・もしかすると見つかるかも?
まあ、最終的には実際に論文を読んで判断するしかないのですが…
また、研究分野を大きく変えていないのに論文の掲載雑誌に統一性がない著者の論文を参考にする場合も少し気を付けましょう。
一般に各研究分野には定評のある雑誌が数誌あり、よほどの理由がない限りそれらに投稿するからです。
つまり、統一性がない場合は査読の緩い雑誌を渡り歩いている可能性があるということです。
もちろん、これは研究分野にもよるので参考程度に考えておいてください。
(論文掲載のハードルのあまりに高い分野では、結果としていろいろな雑誌に掲載されることがあるでしょうし)
* 卒業論文とは話が変わりますが、卒研発表では積極的に質問をするのがよいです。
というのも、質問がでない発表は「わかりにくい」とか「内容の無い」発表であるという雰囲気になってしまいます。
そのため質問することは、発表者への助けにもなりますし「ちゃんと聞いていました」という意思表明にもなります。
その意味で(例え批判的な内容でも)質問することはある種の作法とも言えます。
質問が出ない時に、教員の質問でお茶を濁す形はあまりよくないので、是非学生の皆さんが質問してあげましょう。
もちろん質問することはなかなかハードルが高いので、気持ち的に難しい時は無理にしなくても O.K. ですよ。
質問するには若干の訓練がいりますからね。(訓練を積んでいるはずなのに、まったく質問しない”教員”はダメですが…)