修士課程
修士課程での研究
本研究室に所属する修士課程の大学院生は、
トポロジカルデータ解析の相転移現象への応用
機械学習の相転移現象への応用
量子情報理論の相転移現象への応用
の研究を遂行することが期待されます。もちろん、自ら新たな研究テーマを考え出して取り組んでもらう事も大歓迎です。
基本的に、本研究室では「物理学に関する内容の数値計算」を取り扱います。
是非「物理学70の不思議」という物理学会創立70周年記念企画でまとめられた記事群にも目を通してみましょう。
*ちなみに院生の受け入れ人数は、卒研受け入れ人数(当研究室は最大10人、学科教員数に応じて減)を考慮して調整します。
院生の数を理由に卒研受け入れ人数を減らしてもらうことは(教員の責任上)言語道断ですので。
研究上の注意
言うまでもないですが、
”修士論文” 等では、他論文の盗用は絶対に行ってはいけません
”先行研究” を、修士論文(その予稿や講演スライド含む)で適切に引用しない事も研究不正になり得ます
”学会や研究会等” での発表は、その研究のきっかけとなった先行研究と比べて、はっきりとした新しい結果が含まれていない場合は行ってはいけません
に気を付けましょう。
特に三つ目は見逃しやすいので気を付けてください。
→ はっきりとした新しい結果が含まれていないという事は、その発表には他人の研究成果しか含まれていないという事になりますので、研究不正(盗用)です。
実質的に 他人の業績を自分の業績にしてしまっているので。
以上の三点は自身で気を付けるだけでなく、他者が違反していないかも気を付けておく必要があります。
研究会や発表会などで、他者による上記の違反行為が疑われる事例を目撃した場合は適切に大学や学会等に通報してください。
院生室について
基本的には卒研室を使ってもらえれば良いのですが、B棟4階に本研究室専用の院生室を設けています(現在整備中、3名まで利用可能予定)。
落ち着いて書類を作成したい場合や静かに勉強したい場合、集中して論文を書きたい場合はそちらを利用してみてください。
PC一台とプリンター、デイスプレイ、ロッカー、本棚を設置予定です。
* 院生室の手前側は備品の保管ペースになっていますので少し雑多です。
スケジュール
まずは修士課程1年内での口頭発表を目指しましょう。そのためには先行研究には無い、はっきりとした研究成果が必要です。
(そもそも成果が無い状態で研究会発表すると研究不正の疑いが生じます。ちなみに先行研究の再現だけでは(理由と深い解析が無いと)成果にはなりません。)
例えば、12月に開催される日本物理学会九州支部例会での発表が日程的にも良いでしょう。
その後は研究を深めながら、研究成果を論文としてまとめていくことを目指しましょう。
以下、本学の大学院生向け情報
学会出席旅費等補助制度 https://www.grd.fit.ac.jp/zaigaku/gakkai/
論文読みや作成に役立ちそうなリンク
arXiv(論文公開) https://arxiv.org
DeepL(英文翻訳) https://www.deepl.com/translator
Writefull(英文校正) https://www.writefull.com
Grammarly(英文校正) https://www.grammarly.com/
Overleaf(オンライン Tex エディター) https://ja.overleaf.com/
参考になるリンク
院生室の様子
2024年度修了予定
応用トポロジーを用いた相転移の研究
氏名: 赤星 敬太
研究テーマ: パーシステントホモロジーを用いたトポロジカル転移の研究
関連語句:Topological data analysis, Block spin transformation, XY model
参考論文:T. Hirakida, et al., Int. J. Mod. Phys. A 35, 10 (2020) 2050049
B. Olsthoorn, J. Hellsvik, and A. V. Balatsky, Phys. Rev. Research 2 (2020) 043308
I. Obayashi, T. Nakamura, Y. Hiraoka, J. Phys. Soc. Jpn. 91 (2022) 091013
複素化の理論と機械学習を用いた符号問題の研究
氏名:久好 一樹
研究テーマ:経路最適化法を用いた QCD -like 模型の符号問題の研究
関連語句:Path optimization method, Neural network, Thirring model
参考論文:J. M. Pawlowski, and C. Zielinski, Phys. Rev. D 87 (2013) 094503
Y. Mori, K. Kashiwa, and A. Ohnishi, Prog. Theor. Exp. Phys. 2018 (2018) 023B04
R. H. Swendsen and J.-S. Wang, Phys. Rev. lett. 57 (1986) 2607
過去の修士論文テーマ
2023年度修了予定
・応用トポロジーを用いた相転移の研究
氏名: 安德 勇知
題研究テーマ: パーシステントホモロジーを用いた相転移の分類に関する研究
発表:1.学会・研究会名:第128回日本物理学会九州支部例会
講演題名:虚数化学ポテンシャル領域における QCD 有効模型のパーシステントホモロジー解析
論文:1.雑誌名:Universe 2023, 9(2), 82; https://doi.org/10.3390/universe9020082
論文題名:Some Aspects of Persistent Homology Analysis on Phase Transition: Examples in an Effective QCD Model with Heavy Quarks
関連語句:Topological data analysis, Strength of phase transition, QCD-like Potts model
参考論文:A. Roberge, N. Weiss, Nucl. Phys. B275 (1986) 734
M. Alford et al., Nucl. Phys. B602 (2001) 61
T. Hirakida, et al., Int. J. Mod. Phys. A 35, 10 (2020) 2050049
テーマ案
複素化の理論と機械学習を用いた符号問題の研究
関連語句:Ising-type model with complex coupling, Path integral method, Sign problem
参考論文:J. Ostmeyer, et al., Comput. Phys. Commun. 265 (2021) 107978
Y. Mori, K. Kashiwa, and A. Ohnishi, Prog. Theor. Exp. Phys. 2018 (2018) 023B04
複素化の理論と機械学習を用いた符号問題の研究
関連語句:Stephanov model, Phase transition, path optimization method
参考論文:M. A. Stephanov, Phys. Rev. Lett. 76 (1996) 4472
Y. Mori, K. Kashiwa, and A. Ohnishi, Prog. Theor. Exp. Phys. 2018 (2018) 023B04
複素化の理論と機械学習を用いた符号問題の研究
関連語句:XY-type model, Phase transition, path optimization method
参考論文:G. Aarts, and F. A. James, JHEP 08 (2010) 020
Y. Mori, K. Kashiwa, and A. Ohnishi, Prog. Theor. Exp. Phys. 2018 (2018) 023B04
応用トポロジーを用いた相転移の研究
関連語句:Topological data analysis, BKT transition, n-state clock model
参考論文:K. Shinna, et al., Scientific Report 10 (2020) 2177
I. Obayashi, T. Nakamura, Y. Hiraoka, J. Phys. Soc. Jpn. 91 (2022) 091013
応用トポロジーを用いた相転移の研究
関連語句:Topological data analysis, Wrong convergence problem, Stephanov model
参考論文:K. Nagata, J. Nishimura, and S. Shimasaki, Phys. Rev. D 94 (2016) 114515
M. A. Stephanov, Phys. Rev. Lett. 76 (1996) 4472
応用トポロジーを用いた相転移の研究
関連語句:Topological data analysis, Inhomogeneous condensate, Chiral model
参考論文:J. Lenz, et al., Phys. Rev. D 101 (2020) 094512
R. Turkeš, et al., PLoS ONE 16 (2021) e0257215
確率密度を利用した相転移の研究
関連語句:MCMC probability distribution, Precursor of phase transition, Spin model
参考論文:L. Barnett, et al., Phys. Rev. Lett. 111 (2013) 177203
K. Kashiwa, and H. Kouno, Phys. Rev. D 103 (2021) 0140134
複素化の理論を用いた確率過程の研究
関連語句:Time series modeling, Complex Langevin dynamics, Power-law distribution, Lévy walks
参考論文:K. Nagata, J. Nishimura, and S. Shimasaki, Phys. Rev. D 94 (2016) 114515
M. S. Abe, PNAS, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 117 (2020) 24336