川崎医科大学免疫学教室教授の向井知之と申します。2022年5月1日付けで、川崎医科大学免疫学教室教授を拝命しました。私は1999年に岡山大学医学部を卒業し、槇野博史教授が主宰されている第三内科学教室(現 腎・免疫・内分泌代謝内科学教室)に入局いたしました。関連病院での研修の後、同教室の免疫グループに所属し、診療・研究に従事しました。研究においては、大塚文男先生(現 岡山大学 総合内科学教室教授)・山村昌弘先生の指導のもと、炎症性サイトカインが骨芽細胞機能に及ぼす影響について研究し、学位を取得しました。2007年から約2年間、愛知医科大学リウマチ科(山村昌弘教授)にて診療・教育・研究に従事しました。2009年から約5年間、米国ミズーリ大学カンザスシティ校の植木靖好先生(岡山大学分子医化学教室出身)の研究室にて、自己炎症性骨疾患「Cherubism」をテーマに基礎研究に従事しました。2014年の帰国時に、川崎医科大学リウマチ・膠原病学教室(守田吉孝教授)に着任いたしました。診療を行うと共に、大学院生を指導しながら基礎研究を行っていましたが、基礎研究により注力するため2021年に免疫学教室に移籍し、現在に至ります。
臨床面で関節リウマチを専門としていたこともあり、基礎研究では「炎症性サイトカインと骨代謝」「炎症性骨破壊」をテーマに骨免疫学領域の研究を進めていました。その中で、自己炎症性骨疾患「Cherubism」や自己炎症性疾患「TNF受容体関連周期性症候群」を含めた遺伝性炎症性疾患へと研究を展開し、遺伝子改変による疾患モデルマウスの解析を行っています。また、炎症性皮膚疾患(乾癬)、アトピー性皮膚炎、メタボリック症候群・脂肪肝炎、血管石灰化などに免疫・炎症研究を展開しています。
先に記載しましたように、私は臨床医学教室に長年所属した後に、2021年に基礎医学教室(免疫学教室)に移籍しました。本免疫学教室での今後の教育・研究においては、この経歴を強みに変えて、免疫学と臨床医学との関連に焦点を当てた「臨床免疫学」を柱としたいと考えています。基礎研究から得られた知見を免疫疾患の病態解明や新規治療開発へと応用展開し、臨床に還元できる医学研究を行っていきたいと思います。教育面においてもResearch mindの醸成、Physician Scientistの育成に力を入れていきます。
このホームページをご覧になって私どもの研究に興味を持たれた方は、ぜひお声がけください。
【略歴】
1999年 岡山大学医学部卒業
1999年 岡山大学医学部第三内科(現 腎・免疫・内分泌代謝内科学)入局
2007年 愛知医科大学 リウマチ科 助教
2009年 米国ミズーリ大学カンザスシティ校骨研究部門 リサーチフェロー
2014年 川崎医科大学 リウマチ・膠原病学 講師
2015年 同 准教授
2021年 川崎医科大学 免疫学 准教授
2022年 川崎医科大学 免疫学 主任教授