私は運が良かった。起こした事業が大成功を収めて、大企業になった。それと同時に守るべきものも増えた。この会社や家族のことだ。
ある時、政治家の花園創一から献金してほしいと相談された。私はその願いを利用した。大企業の優遇制度の策定だ。さらに一族を貧困から守るために、娘の灰場舞を花園創一の息子と政略結婚させた。娘は望んでいなかったように思うが。きっとこれが正しい。
しかし、結局、花園創一は不倫スキャンダルで政界を追われ、娘の灰場舞に譲った会社は畳まれ、すべて無意味になった。
花園創一は晩年、私に話してくれた。不倫スキャンダルの真相を、不倫よりも酷い、法では裁けない罪の話を。
2040年 舞と京介が政略結婚する。
2070年 会社倒産。花園創一から不倫スキャンダルの真相を聞く。
2075年 死去。