あぁ思い出した。あれは灰場舞の会社が経営難になり、会社を畳んで5年経った頃だ。つまり今から1年ほど前。
灰場舞がリビングに通帳を置き忘れ、それを見ることがあった。
だいぶ預金を残し、会社を畳んだので、残高の心配はないと思っていた。一応、確認してみると預金が会社を畳んだ日から1ヶ月に100万円ずつどこかに引き落とされていた。この調子ではあと1年後には尽きてしまいそうだ。何に使ったのか確認しようとしたその時、灰場舞が通帳を取りに戻ってきた。
そういえば結局、何の保険に入っていたのかは不明なままだった。