記者として政治家の不正を暴くのが俺の仕事だ。今回の記事は『教祖!? 灰場京介』だ。灰場京介は元政治家の花園創一(故人)の息子で、宗教団体からの献金を政治に使っている疑惑が持ち上がっている。今日、真相を解明しに灰場京介の自宅に取材に伺う。
あなたは灰場京介を殺そうとした真犯人ではありません
7月8日の9:00頃、俺は灰場京介の自宅に向かった。11:00より少し前に着き、妻の灰場舞が出迎てくれた。
11:00頃、灰場舞が俺を客間に案内し、水が注がれた無地のマグカップを差し出した。灰場京介のもとには花柄のマグカップを差し、彼女は退室した。先に口を開いたのは灰場京介だった。
「春野誠にそっくりだな。彼は君の養父だったか? 彼みたいになる前に手を引け」
「誠さんみたいに? どういうことだ?」
「私が春野誠を消したんだ。私の父の不倫スキャンダルの真相を暴こうとした報復にな」
「な、なんだと!?」
この男が誠さんを……殺した? 俺は怒りを我慢できなかった。灰場京介の首を掴みにかかる。
「それが私に通用するとでも?」
灰場京介が俺の手を首元から軽々と外し、「よく考えることだな。私は一旦席を外す」と言い、部屋を後にした。じっと椅子に座っていると、少し冷静になれた。やがて、灰場京介が戻ってきた。灰場京介が席に着き、注がれたお茶を少し飲んだ瞬間、彼は苦しみ始め、床に倒れた。
私は、何が起こったのかわからなかった。とりあえず、灰場舞を呼んで「お茶を飲んだ直後に急に倒れた」と言い、救急車を呼んでもらった。いつの間にか灰場京介の孫の春野むぐらもいる。11:10から少し経った時のことだった。
同日の14:00頃、灰場舞と春野むぐらと僕は、一命を取り留めた灰場京介のベットの前にいた。京介が犯人捜しに奔走する中、俺らは地震に襲われ、落ちてくる天井を最後に意識が途絶えた。
俺は、姫小百合の記事を執筆する為にこの土地に来たことがある。その時に得た情報で、姫小百合の球根にはコルヒチンが含まれ、それは呼吸困難を誘発する毒素だったと思う。
灰場京介を殺そうとした犯人を突き止めよう
灰場京介から怪しまれないようにしよう