あなたは犯人ではありません
タクト、アキト、イチカは同世代の花火師だ。イチカは紅一点で、容姿端麗。誰もが好印象を抱いていることだろう。対して私は、花火玉の制作に一心で、不愛想に思われていることだろう。それでも同世代の3人は仲良くしてくれている。タクトはリーダー的存在で、アキトとは特に仲が良い。アキトは金魚すくいが得意だ。
ヒロトは誰とも仲が良い印象だった。
私にとって時間は重要ではない。重要なのは今宵が盆祭りであるということ。実は、密かにイチカのことが大好きで、今宵、「スキ」という文字の花火を勝手に打ち上げる。それをイチカに見せながら告白するのだ。いままでの未練から解放される意味も込めて。もしかすると、花火連盟から怒られるかもしない。また、告白することは親友のアキトにだけ、前日に伝えている。
全員が集合する前に露店で買ったプリティキュアのお面を頭の後ろにつけている。
私たちは、花火装置の最終点検を終え、露店へ出向いた。露店は十字の道路に沿って並んでいる。花火装置がある北方面の最奥から中央に来た私たちは、ここで散開することにした。私は東方面へ、ヒロトの後ろを歩いた。
ヒロトは東方面の道中にある射的屋で射的を始めたが、景品獲得まで結構な時間がかかりそうだ。私は不得意なので見守った。
小腹が空いたので、ヒロトと別れ、りんご飴屋へ向かった。りんご飴屋は北方面の道中にある。行列に並んでも、他人が前に割り込んできて、なかなか前に進めない。
私はりんご飴を諦め、行列を抜けた。その時、アキトが北方面の奥から歩いてくるのが見えた。私は中央に向かうアキトの後ろを付いていった。中央でアキトは西方面に曲がった。一方、私は南方面の奥にあるタピオカ店に直進した。人が多いが、問題なく進める。
南方面の道中、タクトが店主のいないたこ焼き屋の前にいた。ポケットに手を入れている。
タピオカ屋の行列に並んでいても、他人が前に割り込んでくる。いっそ露店を見て回るだけにしようかと思い、行列を抜けた。それから中央へ戻り、西方面へ進んでみる。西方面の奥にはくじ引き屋があった。一等賞の景品はすでに獲得されていた。
西方面の奥からから中央を経て、東方面の奥に向かう。西方面の道中にはソフトドリンク屋、東方面の道中には射的屋、東方面の奥にはお面屋があった。なぜか妙な違和感がある。また、東方面の道中ではアキトとすれ違った。必死に誰かを探しているように見え、私に気づくことはなかった。
東方面の奥から中央へ向かう。もうすぐ花火大会の時間だ。みんなも中央に再集合していることだろう。しばらくして、ヒロトを除く全員が中央に再集合すると、北方面の最奥の花火装置の場所へ向かった。そして、そこで壊れた花火装置とヒロトの死体を見つけた。
ヒロトを殺害した犯人を見つける
花火装置を壊した犯人を見つける
※以上2つは同一犯の可能性もあります