あなたは花火装置を壊した真犯人です
ユウト、タクト、イチカは同世代の花火師だ。イチカは紅一点で、容姿端麗。誰もが好印象を抱いていることだろう。タクトはリーダー的存在で、ユウトとは仲が良かった。
ヒロトは誰とも仲が良い印象だった。
今宵は2000年8月18日の盆祭り。去年は殺人事件があって中止になった。その事件を花火連盟は調査しているが、進展がなく、打ち切ろうとしている。私はそれに異を唱えるべく、花火装置の破壊を強行した。事前に花火連盟にもその旨も伝えてある。
ユウトから、イチカに告白するつもりだと前に聞いたことがある。
私たちは、花火装置の最終点検を終え、露店へ出向いた。露店は十字の道路に沿って並んでいる。花火装置がある北方面の最奥から中央に来た私たちは、ここで散開することにした。私は花火装置を壊すため、北方面の最奥を目指した。
バケツで海水を汲み、花火装置を故障させたが、浴衣の袖を濡らしてしまった。
花火装置から北方面の露店に戻った。ひとまず、北方面の奥にある金魚すくい屋で気持ちを落ち着かせた。金魚すくいは得意だ。だが、感情が高ぶっている所為か、金魚は取れなかった。
金魚を諦めた私は、中央を経て、西方面の道中にあるソフトドリンク屋へ向かった。
ソフトドリンク屋から中央に戻ると、南方面から歩いてくるタクトと出会った。タクトに「イチカはどこにいるの?」と聞くと「東方面にいたよ」と教えてくれた。すぐに東方面に向かい、東方面の奥にあるお面屋まで行ったが、イチカは見つからなかった。
イチカ探しを諦め、お面屋から北方面の道中にあるりんご飴屋に向かった。そこで行列に並んでいるイチカを見つけた。イチカの顔が赤いようだが、夏の暑さのせいだろうか。目も赤いように思う。携えていたソフトドリンクをイチカにあげると喜んでくれた。行列に他人が割り込んでくることもなく、りんご飴はすぐに買えた。
花火大会の時間が迫ってきたので、再集合するためにイチカと一緒に中央に向かった。しばらくして、ヒロトを除く全員が集合したので、そのまま花火装置の場所へ向かった。そこで、故障している花火装置とヒロトの死体を見つけた。
ヒロトを殺害した犯人を見つける
花火装置を壊した犯人として怪しまれない