対応するエンディングノートを読み、もし必要があればEx.1及びEx.2を読んでください。
サクラが口を開いた。
「そうだよ。私がアンジェを殺した。……タクミも赤の経典の信者なんでしょう? ここで殺すのも悪くない!」
サクラは、タクミにきゅるるんトーチを向ける。タクミも同じものを振り上げた。
「このトーチはアンジェからくれたもの! 恨みを晴らしたい時に使えって教えてくれたっ!」
二人の女性が双方にきゅるるんトーチを向けあう。
「落ち着いてよ!」
ナオトが声を荒げる。タクミはできればサクラを葬りたくないと思っていた。しかし、アンジェを殺された恨みもあるし、サクラを葬らなけらば、重労働から解放されることはない。
【 タクミは選択してください 】
『サクラにきゅるるんトーチを……』
使用する → エンディングEx.1へ
使用しない → エンディングEx.2へ
タクミはナオトにきゅるるんトーチを向け、叫んだ。
「あなたが、アンジェを殺したのね!」
「違う!」
「アンジェの仇っ!」
「やめろおおおっ!」
タクミはアンジェから教わった魔術を躊躇なく詠唱する。
「きゅるるん♡萌え燃え♡ふれいむっ!」
きゅるるんトーチから魔術が放たれ、ナオトは一瞬にして葬られた。肩で息をするタクミの背後で、サクラは意味深な笑みを浮かべていた。
それからその街では、人口雲製造の重労働は続き、平穏は保たれ続けている。
Fin. きゅるるん♡ふれいむっ! SAKURA_HAPPY_END
サクラは意味深な笑みを浮かべながら、タクミを糾弾する。
「タクミが、アンジェを殺したのね……」
「違う!」
タクミは否定し続けるも、サクラとナオトは聞く耳を持たない。どうしようもなくなったタクミは、アンジェに殺傷武器であるきゅるるんトーチを向けた。応戦するようにサクラもタクミにきゅるるんトーチを向ける。
タクミは静かに、けれども確固たる意思で呟いた。
「このトーチはアンジェからくれたもの。恨みを晴らしたい時に使えって教えてくれた」
サクラが魔術を詠唱するッ!
「きゅるるん♡ふれいむっ!」
タクミも魔術を詠唱するッ!
「きゅるるん♡萌え燃え♡ふれいむっ!」
タクミがアンジェか教わった詠唱はサクラの上位互換。一瞬でサクラが葬られた。
「アンジェ、君の無念を晴らせたよ」
翌日、その街は滅んだ。サクラがいなくなり、人口雲製造が停止したことで、空から敵国に住民が帯刀していないことが漏れたのだ。これに勝機を見出した敵国はすぐさま侵略を開始。街外れの日時計を中心とし、街を征服した。その敵国の大将は日時計に向かい、アンジェに感謝を捧げた。
「アンジェ、長期任務。ご苦労であった」
Fin. きゅるるん♡ふれいむっ! BAD_END
サクラはタクミ向け、きゅるるんトーチを使用したッ!
「きゅるるん♡ふれいむっ!」
タクミもサクラに向かって魔術を放つ。
「きゅるるん♡萌え燃え♡ふれいむっ!」
タクミが放った魔術はサクラの上位互換。タクミはアンジェから上位互換の詠唱を教えられていた。勝負は一瞬、サクラが葬られた。
「……アンジェ、君の無念を晴らせたよ」
翌日、その街は滅んだ。サクラがいなくなり、人口雲製造が停止したことで、空から敵国に住民が帯刀していないことが漏れたのだ。これに勝機を見出した敵国はすぐさま侵略を開始。街外れの日時計を中心とし、街を征服した。その敵国の大将は日時計に向かい、アンジェに感謝を捧げた。
「アンジェ、長期任務。ご苦労であった」
Fin. きゅるるん♡ふれいむっ! BAD_END
サクラはタクミ向け、きゅるるんトーチを使用したッ!
「きゅるるん♡ふれいむっ!」
タクミはそれを守るように魔法陣を展開するッ!
「きゅるるん♡萌え燃え♡ばりあっ!」
タクミはアンジェから防御手段も教えられていた。魔術の応酬が落ち着くと、ナオトが戦いをやめるように迫った。
「きっとこれはアンジェの策略だ。アンジェには不自然な行動が多すぎる。おそらく、アンジェはサクラが殺されるように仕向けたんだ。サクラがいなくなると、この街の人口雲製造は一時的に止まる。白の経典には、人口雲が街の平穏に関係すると記されていた。それが消えると何か不吉なことが起こる可能性がある! 例えば、敵国の侵略とか……」
それを聞いてタクミとサクラは我に返った。確かに、アンジェの行動には不自然な点が多い。きゅるるんトーチをサクラとタクミが持つように仕向けたのも、宗教でタクミとサクラの対立構造を作ったのもアンジェだ。ナオトにも住民の武装解除を唆していた。
やがて、一連の騒動は落ち着いた。街の平穏はいつも通り保たれている。だだひとつ変わったのは、住民の人口雲製造に対する意識だろうか。住民は誇りを持って働くようになった。
Fin. きゅるるん♡ふれいむっ! TRUE_END
下記の事柄を推論できていれば、括弧内の得点を獲得できます。
タクミは異教徒の信者である(+8p)
犯人として疑われる(-2p)
共通得点の1または2を解明していれば加点(+1p)
サクラが犯人である(+3p)
アンジェを殺害した凶器はきゅるるんトーチである(+3p)
犯人以外から犯人として疑われる(-2p)
サクラが犯人である(+3p)
ナオトは出世したいが為に街中の刀を集めていた(+3p)
犯人以外から犯人として疑われる(-2p)
アンジェの目的のひとつはサクラが報復により殺されること(+3p)
アンジェの目的のひとつは人工雲工場を停止させること(+3p)
アンジェ殺害の犯人は、玄関の開く音を聞いた回数と武器の所在から分かります。また、サクラが手紙の内容を全て晒していた場合、より容易になったことでしょう。
まずは、他プレイヤーの家の捜索で分かることを各視点でまとめます。他人の視点は読み飛ばすことを推奨します。
サクラ視点
サクラ家では、タクミ視点で、ポストから「きゅるるんトーチ」が発見されます。もし問い詰められたら、逆になぜきゅるるんトーチを知っているのかを聞いても良いでしょう。また、ナオト視点では、その武器を知らないので、重さや形の情報しか得られません。誰かにポストに入れられたと、言い逃れるのも有効でしょう。
ナオト家では、大量の刀が見つかります。もしかすると、ナオトが刀を献上したのは私を油断させて反乱を起こす策略かも、と思えるかもしれません。ですが、刀鍛冶として大量の刀を持っているだけです。いわゆるミスリードです。
タクミ家では、金庫からきゅるるんトーチが見つかります。タクミを犯人に仕立て上げる手助けになるでしょう。
ナオト視点
ナオト家では、大量の刀が発見されます。場合によってはサクラに怪しまれるかもしれません。さらにタクミからは「雲母剣」が無いことが指摘されるでしょう。サクラに献上したことを認めつつ、出世したい思惑を伏せるのがベストです。
サクラ家とタクミ家では、ポスト及び金庫から「きゅるるんトーチ」が見つかります。ですが、ナオトは知識として知らない為、重さと形状のみが記されています。後に、社長室を調べた時に、敵国が使っていた武器と紐づけれるでしょう。
タクミ視点
タクミ家では、サクラ視点で、金庫から「きゅるるんトーチ」が発見されます。もし問い詰められたら、逆になぜ「きゅるるんトーチ」を知っているのか聞いても良いでしょう。またナオト視点では、その武器を知らないので、重さや形の情報しか得られません。
サクラ家では、ポストから「きゅるるんトーチ」が見つかります。アンジェから信頼している人にしか渡さないと言われているもので、サクラが「赤の経典」の信者に思えるかもしれません。なので、手紙のリアクションなどから、サクラが「赤の経典」の信者ではないと見抜く必要が出てきます。
ナオトの家では、大量の刀が見つかりますが、その中に「雲母剣」はありません。ナオトとサクラの間の出来事を解明するきっかけとなります。
総じて、誰が誰を調べるかによって多少状況は異なりますが、議論中、きゅるるんトーチの存在が明かされることが必要です。
ナオトは、社長室の歴史書から殺傷武器の存在を知ることになり、他人の家で発見したものと関連付けれます。その結果を開示すれば、いずれにせよサクラとタクミは、お互いがきゅるるんトーチを持っていることが分かる状況になります。そうなるとナオトから疑われたどちらかが、ヘイトを分散する為、他方のきゅるるんトーチの所持を明かすことでしょう。
こうなると怪しいのはサクラかタクミです。サクラが誰かにポストに入れられたと弁明すれば、違う展開になるかもしれません。
次に、玄関の開く音を把握している回数です。結論を言うと、サクラだけ1回少ないです。サクラが日時計の場所に外出していた為だと推理できれば、サクラを疑うことができるでしょう。一応、詳細を書いておきます。
1回目の音:ナオトがサクラの刀を献上しに、自宅の玄関を開ける
2回目の音:ナオトがサクラの家の玄関を開ける
3回目の音:タクミがサクラに手紙を届けに、自宅の玄関を開ける
4回目の音:サクラがポストを確認しに、自宅の玄関を開ける
(ここでサクラが外出)
5回目の音:アンジェがタクミの家の玄関を開ける
(ここでサクラが帰宅)
続いて、手紙の内容です。手紙の内容は『日を崇める者よ。明日の夜に日時計に集え。今宵、私はその場所で準備をする。近づくなかれ』とあるので、サクラが後半の部分を漏らしていれば、サクラだけがアンジェの所在を知っていたと、推理できるでしょう。もし漏らしてしまっていたなら、サクラにとって致命的になることでしょう。
タクミは5回目の音まで、アンジェが生きていたことを知っています。なので、犯人であるサクラはタクミを身代わりにする為に、アンジェとタクミが一緒に日時計に行った可能性を言及するのも良いでしょう。
このミステリーは、アンジェが全プレイヤーの行動に関与していることから、徐々に解き明かすことができます。まずはアンジェの不自然な点を列挙していきます。
サクラ視点、異教徒の教祖であるアンジェ自身が異教の存在を噂したのは不自然です。これは、後にナオトからの刀を献上を正当化し、「赤の経典」の信者であるタクミと対立させるためです。
タクミは、アンジェが早朝に膨らんだ赤いリュックを持って人工雲工場に向かうのを見ています。さらにナオトは、アンジェが家に訪ねて来た時、そのリュックが空だったことを知っています。これらの情報から、サクラは工場前に「きゅるるんトーチ」を置いた人物がアンジェだと推測できます。
また、サクラが一番早く出社することは会社の常識になっているので、アンジェが計画的に「きゅるるんトーチ」を置いたことが分かります。殺傷武器をわざわざ与えるのは不自然でしょう。
アンジェからするとこれでサクラに自身を殺してもらう為の凶器を渡すことができました。
タクミは、アンジェからサクラに渡してほしいと手紙を渡されます。その手紙の内容をサクラから聞いて、サクラから異教徒だと責められた場合に、サクラが「赤の経典」の信者ではないと推論できます。それを踏まえると、アンジェが仲間ではないサクラにその手紙を渡そうとお願いするのは不自然です。それに、きゅるるんトーチを拾わせたのも不自然に思えるでしょう。
アンジェからすると、これでサクラに自身の殺害日時と場所を誘導できました。
ナオトは、住民から刀を収集してサクラに献上するように勧められます。この裏には、住民の非武装化というアンジェの思惑があります。ですが、非武装化という発想するのは難しいでしょう。
以上より、結果的に、アンジェを殺した人物は、恨みを持つプレイヤーにより殺される流れになりました。これがアンジェの狙いです。さらに、アンジェはサクラが犯人だと怪しまれるように「サクラに殺されるかも」という書置きを残していました。つまり、犯人がサクラだと推理され、サクラが報復されることを望んでいると言えます。
そして、サクラが報復に殺害されることになると、人口雲工場が止まってしまいます。そうなると、歴史書の内容から街の平穏が壊されます。これこそがアンジェの最終的な狙いになります。
サクラはここまでの推理を公言すると、怪しまれてしまうので寡黙にしなければなりません。ナオトとタクミは協力できるでしょう。
補足説明です。人口雲は敵から街を守る為に必要でした。鎖国状態で空を覆うことで、情報漏れを防いだのです。きゅるるんトーチは女性しか扱えず、アンジェは使えなかった為、この事件を仕組みました。またサクラは歴史書を熟読し、詠唱の仕方をしってたのでそのトーチを使うことができました。
サクラはアンジェから犯人に仕立てあげられようとしている為、ヘイトをそらすのは至難の業です。書置きが見つかった時は、アンジェが仕事をさぼっていたから殺すぞと脅したなどと言い、書置きを肯定するような旨を証言できれば、他プレイヤーにミスリードの証拠と誤解させることができるでしょう。
本作を遊んで頂き、ありがとうございました。とても嬉しく思います。感想はこちらのGoogleフォームからを下さるととても嬉しいです。ログイン不要です。楽しんで頂けていれば、作者としてこれ以上ない幸せです。冥利につきます。
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