あなたは自分が犯人かどうか解りません(犯人の可能性もあります)
私は、全世界から人気を集める推理小説シリーズの作家。22歳という若さでこの名声を得たのは、エルとリバの協力があってこそ。彼らも彼らで世界中に、名探偵とその助手として名を馳せている有名人。彼らがいなければ私の推理小説は完成しなかったわ。感謝!感謝!ハッピースマイル!
私は豪邸の一室で暮らしている。許婚(いいなづけ)の彼と同じ屋敷に住んでるけど、私が仕事に没頭することが多くて、あまり顔を合わせない。たまに彼が、労いにホットコーヒーを持ってきてくれるのが嬉しい。
私はパソコンでの執筆中に寝落ちしてしまうことが多い。
ホットコーヒーを飲んでも眠気に襲われる。それもあって、いつも執筆用のパソコンの前で仮眠を取っている。しばらくして目覚たら、続きを書くかベッドで休むかを決める。けれど、部屋の隅に飾ってあるトロフィーを見ると、続きを書く気力が湧いてくる。このトロフィーは世界一の推理小説家と称えられた時に頂いたもの。私は、物語の登場人物を憑依したかのように執筆できる。 まぁ、みんなそうだと思うけど。そんな感じで、ある程度書き終えたら寝る。これがいつもの不規則な生活。
6月19日の朝方、ホットコーヒーを飲みながらエルとリバと協力して執筆を進めた。シリーズの最新刊は「もし、現実でマーダーミステリーが起こったら」を主題としている。それももう少しで完成しそう。
昼頃、執筆の疲れからか、パソコンの前で眠りに落ちた。それ自体は珍しいことではなかったけど、その後の出来事が信じられなかった。
夕陽が差し込む部屋の中、いつもののようにパソコンの前で目覚めたら、部屋に警察官が押し入ってきた。彼らは私を許婚殺しの容疑者として逮捕しようとした。私は何が起こっているのか理解できずに抵抗したが、自分の背後にある許婚の死体と血の付いたトロフィーを見て、言葉を失った。
私は警察署で厳しい尋問を受けたが何も答えられなかった。
今、私は警察に事件現場に連れ戻されている。警察は証拠を突きつけてくるに違いない。
許婚を殺害した犯人を完全に突き止めよう
エルとリバの情報を探ろう