研究内容

非破壊安全性検査と電磁波画像計測(はじめに)

モノの生産が全自動化へと目まぐるしくシフトする今,それらを支える安全保証基盤の確立は不可欠です.電磁波画像計測は産業製品の欠陥や混入物を非破壊・非接触に同定可能です.中でも当研究室では電波と光の中間領域電磁波に注目しています.電波由来の透過性と光由来の直進性を両立することで,対象内部構造を可視化します.更に検査物固有の吸収指紋スペクトルを基に,材料組成解析にも多大な貢献を果たします.

現在主に力を入れて進行中の研究テーマをいくつか紹介します.過去の取組みに関してはこちらをご覧ください.

フレキシブルブロードバンドカメラこちら

薄くて軽いカーボンナノチューブ膜を用いて,自由に切り貼り可能な電磁波撮像カメラの研究開発に取り組んでいます.対象物構造に合わせて変形させることで,死角の無い高速全方位撮像を可能にします.ミリ波・テラヘルツ波・赤外線全域にて動作可能で,対象物の組成に依らない内部構造撮像に特化します.高機能な新規産業非破壊検査技術として注目を集めます!

超高解像テラヘルツ波計測アンテナこちらも)

表面プラズモンと呼ばれる物理現象に基づき,テラヘルツ波計測技術の高機能化に取り組んでいます.微細半導体加工技術で最適なアンテナ構造を設計・作製し,テラヘルツ画像解像度の限界を打破します.今までは困難であった細胞等の微小試料に対して,テラヘルツ波計測を可能にします.生体にも優しいテラヘルツ波非破壊検査の潜在能力を最大限に発揮します!

ナノスケール赤外分光基礎物性計測こちらも)

超高性能顕微鏡を用いることで,材料のナノスケールな挙動の可視化に取り組んでいます.対象物表面の近接場赤外光と呼ばれる物理現象を捉えることで,電気・光学的な振る舞いの超高解像解析に特化します.赤外線計測が得意とする高分子解析において,単分子レベルでの評価が可能です.また超極微半導体の設計指針となる等,ナノテクノロジーで重宝される研究です!