シコロエガイ

Porterius dalli (Smith, 1885)

レア度:いつでもみられる

形態:全長3-4㎝程度の二枚貝で、コベルトフネガイを平らにつぶしたような形をしている。表面には放射状のすじが密にみられるが、コベルトフネガイより彫刻が穏やかである。生時は貝殻が厚い毛皮のような殻皮に覆われ、殻皮は同心円状に立ち上がる(和名はこの特徴を甲冑の錣に見立てたもの)。

生息域:日本海 (北海道以南、韓国沿岸)、太平洋西部(北海道南部以南)、瀬戸内海、黄海に分布し、潮間帯から水深50mの岩礁に生息する。

生態:葛登支では泥に深く埋もれた転石の裏に付着しており、トマヤガイと一緒に見られる。C/N同位体比を用いたクラスター分析では、トマヤガイと同一の食性グループに分類されるなど (Won et al. 2007 )、ニッチの類似性が示されている。Won et al. (2007) は、本種を海中のプランクトンを食べる一次消費者と推定した。

18年6月 山上
18年6月 山上
18年8月 山上
2020年10月 りった
2021年3月 大友シコロエ3兄弟、右上についているのはエゾイソニナ
2021年6月27日 りったアカナマコと一緒

引用文献:

  1. Won, N. I., Kawamura, T., Onitsuka, T., Hayakawa, J., Watanabe, S., Horii, T., Takami, H & Watanabe, Y. 2007. Community and trophic structures of abalone Haliotis diversicolor habitat in Sagami Bay, Japan. Fisheries science, 73; 1123–1136.