イソガニ

Hemigrapsus sanguineus (de Haan, 1835)

レア度:いつでも見られる

形態:背甲はほぼ四角形で角が丸く、横から見ると甲の前方中央ががふっくらと盛り上がっている。オスは、ハサミの間に柔らかい袋(肉球みたいでプニプニしてる)を備えているが、メスにはついていない。正面から見ると、顎脚が平行に組み合わさっている点で、ヒライソガニと容易に識別できる。体色は、甲表面が緑灰色と紫色からこげ茶色の斑模様をしており、個体間の変異は小さい。歩脚には帯状斑が入り、ハサミには小さな斑点が多数ある。また、腹部に縞模様が入ることも特徴である。

生息域:北海道から九州、沖縄まで日本各地に分布している。葛登支では至る所に分布し、転石をひっくり返すと見つかる。夜は表に出ている個体が多い。

生態:雑食性で、藻類から貝類、魚類などを捕食する。葛登支では大きなハサミでヤドカリの背負っている貝殻を破壊し、捕食する場面も見られている。日本での繁殖期は4月下旬から8月頃。基本的には昼行性だが、眼にある「感桿」という光受容体を概日リズムに合わせて破壊・生成することで、昼夜問わず活動できることがわかっている(江口, 1989)。バラスト水によって北大西洋両岸へ侵入し、在来のカニにとってかわる、貝類や甲殻類を食い荒らすなど、大変な悪さをしている(Epifanio, 2013)。

その他:「葛登支紛らわしいカニ三銃士」のひとつ。ヒライソガニと違い、個体間に大きな模様の変化はないので、慣れれば識別は容易である。
ハサミの間の肉球は触りたくなる見た目をしているが、持ち合わせているのはだいたい大型のオスである。覚悟を持って挑むべし!

2017年5月@臼尻 木戸 
2020年7月 大友
2020年7月 「よっ!」っていう感じ大友
2016年4月21日 りった全身ウズマキゴカイまみれ。そしてヒメイガイを生やしたすごいやつ。
2016年4月21日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りった
2020年10月 りった
2020年11月2日 りった
2021年2月@茂辺地 大友
2021年6月 藤本左半身の脚が全て再生途中

引用文献:

  1. 江口英輔, 1989. 複眼の構造と機能の概日リズム. 動物生理 6 (1): 41-48.

  2. Epifanio, C.E., 2013. Invasion biology of the Asian shore crab Hemigrapsus sanguineus: A reiview. Journal of Experimental Marine Biology and Ecology 441: 33-49.