ヒメイガイ

Septifer keenae Nomura, 1936

レア度:いつでも見られる

形態:全長1-2㎝程度と小型のイガイ類。貝殻は三角形で、表面には放射状のすじが走る。ムラサキインコの幼貝はよく似るが、本種はより細い放射肋をもち、殻皮の色はより赤茶色っぽい。さらに、ムラサキインコは内面が紫色であるのに対し、本種の内面は白色である。また、本種の貝殻はムラサキインコより薄く、壊れやすい。

生息域:葛登支では、転石をひっくり返すと裏側によくついている。また、石灰藻の群落からは本種の稚貝と思われる1㎜程度のイガイ類がみつかる。

生態:基本的に大きな群れを作らない点で、他のイガイ類とは異なる。子はプランクトンとして生まれ、ボストーク湾では8–9月に確認される (Semenikhina et al. 2008)。浮遊期に殻頂期幼生のステージを欠くことから、ムラサキインコと同じく卵栄養型発生に該当すると考えられている (Semenikhina et al. 2008)

2018年7月 山上
2020年7月 大友
2020年8月 大友
2020年12月 大友イガイ科の稚貝。本種か?
2020年11月2日 りった
2020年11月2日 りったちょっと開いているところ
2020年12月12日 りった
2020年12月25日 りった

引用文献:

  1. Semenikhina, O. Y., Kolotukhina, N. K. & Evseev, G. A. 2008. Morphology of larvae of the family Mytilidae (Bivalvia) from the north-western part of the Sea of Japan. Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom, 88: 331–339.