リニア問題とはなにか
(2024年11月時点の情報を元に書かれています)
リニア問題とはなにか
(2024年11月時点の情報を元に書かれています)
・3兆円を40年間、低金利で貸付けている。国策によって実現*1
・元々の予算は5.5兆円だったが難工事を理由に1.5兆円増加し7兆円に。計画がずさんだった*1
・しかも7兆円で終わるとはJRは言っていないため追加の公的資金が投入される恐れ*1桜井徹
・大阪まで延伸しないとメリットが少ないが見通しがたっていない
・2013年9月、JR東海の社長が記者会見の席で、『リニアはペイしない』と発言、国交省も市民団体との交渉の席で『リニアはどこまでいっても赤字です』と公言*2
・アセス段階で処分先を決めずに強引に着工しており、工事から8年たっても残土の1/4の行方が決まっていない*1井澤宏明
・工事を進めながら決めることにしたそのツケが来ているのではないか
・岐阜県御嵩町に残土処分場計画が持ち上がった際に町長は拒む姿勢であったが受け入れに転じた。候補地は環境省の重要湿地に指定されていたが、町の担当者が環境省のホームページから本町の名前を消すよう働きかけた疑いがある*1井澤宏明
・ルート選定時の小委員会では地震の専門家がいなかったと言われている。そのため活断層と東海地震の影響がどれほどなのかわかっていない*1林克
・大井川の流量減少について当初環境影響評価で十分に示されなかった*1林克
・2013年に行われた地質調査資料は静岡県の再三の開示要請にもかかわらず、開示が遅れ2022年にようやく開示された。遅れた理由は工区割りの段階で大量湧水の可能性を知りながら湧水を山梨県川に流す計画だったのではないかとも言われている。*1林克
・南アルプスの地質は高い圧力が特微である。切羽の壊れが生じる予能性がある*1大塚正幸
・南アルプスは北アルプスと異なり岩石内部に存在する超高圧の山体地下水。トンネルを掘れば高圧のため山体地下水の流出が永久に止まらない。山域全体の生態系や人間の暮らしに大きな影響を与える*1松島
・南アルプスは年3-4mmの速度で隆起しておりこれは世界の山岳レベルでも最速。*4
・中央構造線に沿って断層が走っている*1
・南アルプスの生態系が、工事による河川沢の減水、水質悪化、発生土置き場からの汚泥流出などで生物多様性が維持できなくなる恐れ*4
・南アルプスのトンネル切削の難しさに対し情報収集が少なすぎる*1大塚正幸
・2020年に起きた外環道調布の陥没事故のきちんとした原因究明がされていない。リニアトンネルも同じ泥土式シールドが使われる。外環道とは地質が違うという説明だけで安全であるという説明は安全性が確保されない。ちなみにリニアトンネルの一部は調布と同じ土である砂シルト粘土堆積地盤である*1
・2020年外環道シールドマシン工法による工事で調布において陥没事故が発生したことで大深度工法では地上に影響は生じないという神話は崩壊した*1大塚正幸。大深度シールドマシン工法そのものの安全が担保されなければ見直すべき。
・基地の場所の山林を所有する反対者がいるため工事の見通しがたっていない*10
・住む場所をやむなく立ち退かされた住民がいる*10
・車両基地周辺の住民は立ち退きの対象ではないが水の流れが変わり土砂災害などの心配が残る。景観の問題も*10
・巾約300mの車両基地ができると南北が分断され、現在の県道64号線は埋まってしまう。そこで車両基地の下にトンネルを掘る計画がある。長さ300m超のトンネルは日々の生活で使う道路とは言えない*10
当会インスタグラムより
立ち退いた跡地
・静岡のせいで遅れているというのは間違い*1樫田。それを利用し全体的に遅れていることに対する責任逃れをしたいのではないか
・2014年事業認可から8年たつが未契約区間がある。橋本立体交差のところは工期が10年なのに契約していない。今契約したとしても完成は8年後*6
・相模原市リニア車両基地は10年遅れ。神奈川第二首都圏トンネルは10年遅れ。南アルプス市の地表走行区間の工事は住民の反対で6年遅れ。など*10
・2020年にJR東海副社長が2027年に問に合うと言っていた。2024年には2027年完成は延期と表明し、たった4年で延期の表明。
・(岐阜)2021年瀬戸トンネル(岐阜県中津川市)の工事で2人が死傷。発破後に作業員が禁止範囲に入るといった初歩的なミスが原因
・(神奈川)2024年8月相模原橋本の駅工事場所で土のう崩れが発生し歩道に崩れた。
・(岐阜)岐阜県瑞浪市で2024年5月、共同水源、井戸、ため池など14カ所で水位が低下したり、6cmもの地盤沈下が発生した。リニア日吉トンネル工事が、地下100mで行われていた現場である。JR東海は「リニア工事の影響を否定できない」と認めている
・(町田)2024年11月町田市の住民の庭からリニアトンネル工事が原因のものと思われる水と気泡が発生した。
・工事認可の取り消しを求めるその1及びその2(行政訴訟)
・工事差し止め(静岡)
・リニア工事を差し止め慰謝料支払い(南アルプス)
・工事差し止め(田園調布)
・大深度リニア訴訟(大田区・世田谷区・町田市)
・南アルプスの自然環境を享受する利益で本訴訟の原告となることは認められなかった*訴訟報告会より
・リニアの安全性を元に本訴訟の原告となることは認められなかった。
これは事故が起きてからでしか裁判を起こせないことを示す。司法は何もしていないのと同じではないか*訴訟報告会より
・全線の86%がトンネル
・リニア新幹線は新幹線に比べて2倍近い速度でトンネルが大部分。タイヤなど可燃物が多く、さらに無人運転であるためにリスクは大きい*1阿部
・トンネルは多くの活断層を通過するので地震で大事故が起きれば消火・救助に困雄が件う
・トンネル火災などで車両が停止した際に、山間部では地下1000m以上になるところもある。山腹に出れる脱出口を作る計画であるものの、山腹に避難して安全なのでしょうか。また避難路の長さが数kmで済んだとしても脱出に何時間かかるのでしょうか。
・さらに全列車が緊急停止し乗客の避難が困難な地点が何カ所も生じるだろうが、どこも地元の震災対応で手いっぱいだ。その上にリニアの乗客救出救援も重なれば、困るのは地元自治体だ*12
・無人運転の場合、避難誘導はどうされるのか?電気が止まれば無線での誘導も困難ではないか
・超伝導を使うと強い磁力が発生する。ガイドウェ内に鉄製の空き缶など金属が入り込み*1阿部 そこへリニアが走ってきたらどうなるかなど安全への慎重な検討が必要。
・他の深刻で多くの問題が山積するなかでメリットといえば速度だけで事業性がない
・橋本地区大西大通り線の計画がある。輸送道路としての必要性があるのか根拠が不明確ななか、道路はリニアトンネルの直上に位置している。これは住民を道路計画で立ち退かせ、リニア浅深度トンネルの工事を早く進めたい「トンネル工事で地盤に損傷が起こっても、JR東海がたやすく修復し補償も不要とするための道路では?」と疑われている。リニアとの関係を示さない相模原市の姿勢も問われる。
・さらに橋本は京王線、相模線、JR線3路線接続駅で、鉄道利用者が多く他の新幹線中間駅の道路事情とは異なる。車で駅にアクセスする道路整備は不要ではないか
・2024年5月に相模原市橋本小学校にて未来体験会を開催した。3-6年生及び保護者を対象に他展示に加えJR東海のリニアの紹介をした。学校・児童の想いとして「リニアができるころ、ぼくたちは大人になっている・・・この街の未来の担い手になりたい」などと、児童の真の想いかのような市の記事がある。これだけ全国で訴訟が起き、水枯れが実害になってさまざまな問題が起きている中で、教育活動と切り離すべき*10
・リニア山梨実験線のトンネル工事によって上野原市では棚の入沢の支流で流量が減少。その対策として2019年に近隣に井戸が設置されたがその水を該当地区に運搬する方法について市とJR東海が協議中。JR東海が補償する期間を30年と短い期限としていることから協議は進まず井戸は活用されていない*5。被害の解消にも消極的なJR東海の姿勢が問われている。
・環境影響評価が不十分であったことは岐阜県瑞浪市の事故であきらかで、環境影響評価を行ったので問題はないという言い訳はできない
・元静岡県川勝知事は大井川の減水対策やJR東海との協議の場を設けるなどの対応を行った
・元静岡県川勝知事は2022年、相模原の車両基地は11年かかるがまだ未着工なので「2023年着工でも完成は2034年であり2027年完成計画からは7年遅れだ。神奈川の工事が最も遅れている」と発言
・神奈川県黒岩知事は2022年に「2027年開業を目指す」と言った*1樫田 工事の遅れを知事は知らないはずがないにもかかわらず。
・山梨県担当課は「遅れる認識はない。JR東海から具体的な説明を受けていないので」と言った*1樫田
・自分の地域のことなのに情報を取ろうとしない自治体の姿勢が浮き彫りに。
・1kmの区間を1人当たり輸送するエネルギー量は、リニアは空気抵抗や磁気抗力の大幅な増加により、新幹線の約3.5倍と計算される。東京-名古屋間という短い区間では速度500km/hで結ぶメリットは享受できない*7
・JR東海はCO2排出量は飛行機の1/3としている*8。比較対象が飛行機である時点でCO2排出量が多いと言っているようなもの。
・地震発生時などで電力不足が発生したときに、リニアは安全に停止させなければならない。トンネル区間であれば止めるのは危険であるから送電できる状態であれば送電を継続させるのではないか。その場合、リニアへの送電を優先させると、停電しなくても良かった近隣住民が停電被害を被る可能性があるのではないのかという心配はないのか
・所要時間は品川-名古屋間を40分で結ぶと言っているが、大阪や遠方まで延伸しないと速さのメリットは少なく、橋本周辺以外の神奈川エリアから乗る客はメリットがほぼない。
・さまざまな問題やリスクがある中で速さを求める必要はない
・リニア新幹線は浮上して走行させるために極めて強力な電磁波を発生させる必要がある。事故発生時に乗客が外に出る際に暴露される可能性について心配される*13
・車両の床と壁から 10 cm での電磁波の測定値は 1.2 mT を超えており「ICNIRP ガイドラインの静磁界で1 mT 以下」を超えている。リニアは,ペースメーカーなどを装着した人が安全に利用できる乗り物ではない*11
・JR東海元会長と元首相との密接な関係の元、資金の調達を取り付け、新幹線以外の高速鉄道事業をJR東海以外が行うことを防ぐためではないかとの意見もある
・リニア技術の海外輸出をしたい思惑もあると言われている*1桜井徹
・経済合理性が破綻している今、別の目的で推進されているのではないか
<参考文献>
*1 リニアはなぜ失敗したか 川村晃生編
*2 IWJ記事2015 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/242464
*4 リニア中央新幹線の環境影響に係る県とJR東海の対話の状況 静岡県2023年5月
*5 神奈川新聞2024/7/22
*6 ストップリニアニュースNo.68 リニア中央新幹線を考える相模原連絡会
*7 科学2013年11月阿部修治 http://web-asao.jp/hp/linear/%E9%98%BF%E9%83%A8%E8%AB%96%E6%96%87%EF%BC%88%E7%A7%91%E5%AD%A6%EF%BC%89.pdf
*8 JR東海資料 https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/efforts/briefing_materials/library/_pdf/lib09.pdf
*9 リニア中央新幹線騒音に係る環境基準の地域類型指定について
飯田市環境課 https://www.city.iida.lg.jp/uploaded/attachment/48135.pdf
*10 リニア新幹線を考える相模原連絡会会議より
*11 Q&Aリニア新幹線の磁界は安全か?中野貞彦2022 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsci/57/11/57_18/_pdf/-char/en
*12 リニアのリスクは十分議論されたのか 「原発震災」を警告していた学者が「待った」をかける理由 東京WEB 2023年7月石橋克彦 https://www.tokyo-np.co.jp/article/260501
*13 JR東海がひた隠すリニア・リスク 選択2019 https://www.sentaku.co.jp/articles/view/19641